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他科の先生を自分より下だと思わないように。 [研修医教育]

 研修を終えて専門の科のスタッフになった先生に注意です。

 例えば循環器内科医になったとします。あくまで例えです。

 毎日心電図を読み、カテーテルをし、患者さんと向き合い、どんどん循環器内科の知識を得ていきます。素晴らしいことです。

 そんな中、救急外来から、内科の先生から、外線で他院の先生から電話があります。胸痛を訴えている患者さんをお願いします、心電図に異常があるので診てもらえませんか?と。忙しい中大変ですが、あなたはきちんと対応します。

 胸痛が実は打撲だったとか、心電図に異常はなかったとしても、決して怒ってはいけません。患者さんは打撲をしたことを言わなかったのかも知れませんし、心電図が異常かどうかは専門じゃなければ分かりませんし、異常がないと言うのは非常に難しいです。あなたはそれが専門であり、毎日頑張っているから簡単に分かりますが、専門でない先生は分かりません。分からない患者さんを受け持つのはとても不安です。その気持ち、研修医の時に体験しませんでしたか?

 それから、もし一度でも、他科の先生に失礼な対応をしてしまうと、次からその先生はコンサルトをしづらくなります。そして、緊急カテが必要な患者さんがいたとしても、気軽に相談されませんから、不利益を被るのは患者さんです。場合によっては、重症化した患者さんを泊まり込みで診なければならなくなる自分も不利益を被るかもしれません。

 また、あなたが受け持っている患者さんが吐血をする事もあるでしょう。その時に消化器内科の先生が直ぐ来てくれなかったり、そんなのお前で診たら良いじゃないかと言われたらどう思いますか?

 医療はお互い様です。皆何らかの専門家であり、患者さんのために日々頑張っているのです。尊敬する気持ちを忘れないようにしましょう。

 そして、謙虚になりましょう。何でも出来ると思っているあなた、指導医からは、こいつなんも分かってないなと思われているかも知れませんよ。私は26年目の医者ですが、謙虚であること、医者として一番大切なことの一つだと思います。

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亜鉛を測りましょう [医学関連]

 私は高齢の患者さんを受け持つことが多いので、ルチンで亜鉛を測っています。ルチンとは、こうだったらこうするという様な自動的に行う行動のことです。

 こちらの文献を読んでいただけば良いのですが、亜鉛を是非測りましょう。

 要約すると以下の通りです。

・亜鉛は300以上の酵素反応に必要な微量元素です。
・主に蛋白合成が盛んな部位で必要になります。
・日本人、特に高齢者は亜鉛が不足しやすいです。
・診断は容易で、亜鉛不足が疑われる症状があり、血清亜鉛濃度が低ければ(正常値以上であっても80以下は潜在性不足として治療します)治療の適応です。
・治療も容易で、亜鉛の製剤がありますので、それを飲んでもらうだけです。
・色々な疾患の合併症の予防になったり、疾患の状態を良くする場合もあるようです。

 今まで一人だけですが、全然関係ないことで入院して、亜鉛が低値だったので亜鉛の薬(当院はポラプレジンク)を処方したところ、入院する前より元気になったと喜ばれたことがあります。亜鉛の治療のおかげかどうかは分かりませんが、そう言う症例は確実にあるとのことです。

 採血には専用の容器が必要なので、入院後落ち着いてからの採血になりますが、救急外来で採血しても良いかなあと思っています。

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ボスミン!と叫ぶのは辞めましょう [研修医教育]

 こちらの記事をご覧ください。心肺蘇生中に、医師がアドレナリンを投与して欲しいと「ボスミン」と言ったのだが、看護師が「ボスミンはないので、ノルアドレナリンしかない」と言ったら、、、、、、、みたいな話です。

 ボスミンはアドレナリンのアンプル製剤です。たぶん、現在多くの病院では、アドレナリン注等というプレフィルドシリンジを使っていると思います。新人の看護師さんなどはボスミンを知らないと思います。
 しかし、私のような気持ちだけ若いつもりの医師はついつい、「ボスミン!」と言ってしまいます。おば、、、、、、じゃなくてベテランナースなら、「はい、先生アドレナリンですね!」と問題なく蘇生が進行しますが、若い看護師さんは、ボスミンなんて薬初めて聞く訳なので、、、、、、、

 よって、アドレナリンを使いたい時には、ボスミンではなく、ちゃんとアドレナリンと言いましょう。

 アドレナリンは日本人が発見した数少ない?物質の一つなのですしね(^^)。

ノルアドを蘇生に使ってはいけないのか?


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インピーダンス閾値装置(ITD)は動物にも有用ではありません。 [CPRの基礎]

 以前記事を書きましたので、そのアップデート版です。

 犬や猫の心肺蘇生のガイドラインというのもあるのですね。知りませんでしたが、こちらをご覧ください。それによれば、ITDは体重が10kg以下だと上手く動作しないようです。

「ITDは胸腔内圧を減少させて静脈還流量を増加させることで血行力学を改善しますが、現在のところ人の大規模臨床試験ではCPAにITDを使用してもROSCまたは生存退院率は改善されていません。さらに、この装置には少なくとも−12cmH2Oの “ クラッキング圧(バルブの入口側圧力が降下し、バルブが閉じ始めて、バルブ の漏れ量がある規定の量まで減少したときの圧力)” を生じる胸壁反跳が必要であり、体重10kg未満の小型犬や 猫では動物自身の弾性反跳単独ではそのような圧を発生できません。したがって、循環増強を目的にITDを利用できるのは体重が10kgより大きな動物です。」

 日本でも日本光電から発売されています。添付文書はこちらです。

ガイドラインではどう書かれているのでしょうか?


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電気ショック前にいつ胸骨圧迫を中断するのか? [CPRの基礎]

 「胸骨圧迫の中断はいけない」と色々なところで言われています。胸骨圧迫は連続して行うことが大切で、胸骨圧迫を中断すると、例えそれが短時間でも悪さをすることが証明されています。

 しかし、リズムチェック、気管挿管、電気ショックなど、様々な処置や介入、観察のために胸骨圧迫は中断されます。今回は電気ショックの時のことを考えてみます。

 電気ショックは非常に高い電圧がかかるために、安全を確保するために胸骨圧迫は中断しなければなりません。こちらの文献によれば、中断時間が数秒長いだけでもショックの成功率やその後の心機能などにも大きな影響が出るようです。論文は英語ですが図が載っていますので、内容はある程度分かると思います!

 確かに、心室細動は心臓が元気に動いているのですが、心臓としての働きがほとんどないため、エネルギーを無駄に使っています。胸骨圧迫を続けてエネルギーを供給し続けることと、早く除細動することと同時に行えない行為をすることが必要になります。

 日本のガイドラインのP.20には「心電図解析や換気のために許される胸骨圧迫中断時間はどの程度か?」という項目があり、電気ショック前の胸骨圧迫中断時間に関するエビデンスレベルの高い研究はなかったと記載されています。が、推奨は以下の通りです。

 電気ショック前後の胸骨圧迫中断時間をできるだけ短くすることを推奨する。マニュアル 除細動では、電気ショック前の胸骨圧迫中断時間をできるだけ短くし、10 秒以下にすることを提案する(強い推奨、低いエビデンス)。

 胸骨圧迫を止めてから、電気ショックをかけるまでを1秒でも短くする努力をする必要がありますね。しかし、感電しないように注意しながら、、、、、、、、

 となると、現在最も有用と思われるのは、電気ショックはパドルではなくパッドでぱっと行うことでしょうかね(^^)。

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アミオダロンを救急外来で使っても良いのか?その2 [医学関連]

 昨日にひきづつきアンカロンのお話です。アンカロンはアミオダロンの商品名です。

 アンカロンは入院生存率を高めるエビデンスのある有用な薬です。が、退院生存率は高めません。救急外来に心肺停止で来院した場合、心拍が再開してICUなどに入る率が高まる薬です。逆に言えば、救急外来で死亡宣告と言うことが少なくなる薬です。しかし、元気に退院できる率が高まるかと言えば、そうではありません。しかし、救急外来で亡くなるより、入院中に亡くなる方がいい場合はあるのではないでしょうか?

 よって心室細動が継続していれば、アミオダロンを気軽に使うべきではないかと思いますが、そうでもありません。ガイドラインや添付文書には、血管収縮薬を使っても持続するような難治性心室細動や難治性無脈性心室頻拍の場合に使用するとなっています。血管収縮薬よりも不利益があるのでしょう。

 その不利益の一つは、半減期が長いことです。アミオダロンは半減期が非常に長く、静注の場合14.6日と添付文書に書かれています。薬が消えてなくなるには、半減期の約5倍かかると考えると、約2ヶ月かかります。たった一回使っただけでです。

 もし副作用が出現した場合、患者さんは長い期間副作用に苦しむことになります。その患者さんを担当する医師は、循環器内科の先生が多いでしょう。

 よって、アミオダロンを使う場合には、循環器の先生に相談する、あるいは常日頃からこの事について話し合っておくのが良いと思います。

 私が勤めている病院の循環器内科の先生は、救命が第一だから、必要なら使って良いと言ってくれますが、やはり私は循環器内科の先生に電話で相談してから使おうと思います。そう、私は自分の指示でアミオダロンを使ったことが一度もありません。

 もし、厳密にアルゴリズムに従って、きちんとアルゴリズム通りに蘇生が行えても、電気ショックを3回かけてからのアミオダロン投与になります。急変です!と言われてから約6分後です。初回の電気ショックが院内の目標3分と言われていますから、3分後に初回ショックをかけたとすると、7分後になります。
 当院では、心室細動の患者さんが来れば、循環器内科の先生がその頃には救急外来に来てくれています。時には、すでにもうカテ室に向かってしまっています。なのでアミオダロンを投与した方が良いか悩むことは少ないです(^^)。

 また、残念ですが、心室細動が7分以上継続することは、経験していません。蘇生の質が悪いのかも知れませんが、一生懸命蘇生をしているつもりです。

 よって、アミオダロンを救急外来で使う時には、循環器内科の先生に相談するのがベターだと思います。循環器内科の先生が常勤でおられない病院であれば、心拍再開後に発生すると思われる副作用はとりあえず置いておいて、アミオダロンが適応であれば使うべきだと思います。心拍再開したからこその副作用ですから。
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アミオダロンを救急外来で使っても良いのか? [CPRの基礎]

 以前の記事のアップデートです。かなり前の記事です。

 以前は、心肺停止時にボーラス投与が出来なかったのですが、2013年から出来るようになりました。アンカロンの添付文書によれば、使い方は以下の通りです。

<電気的除細動抵抗性の心室細動あるいは無脈性心室頻拍による心停止>
 アミオダロン塩酸塩として300mg(6mL)又は5mg/kg(体重)を5%ブドウ糖液20mLに加え、静脈内へボーラス投与する。心室性不整脈が持続する場合には、150mg(3mL)又は2.5mg/kg(体重)を5%ブドウ糖液10mLに加え、追加投与することができる。

 「アミオダロンを単独で投与して、その後20mlの輸液で後押し」と言うAHAのアルゴリズムに示された方法は、厳密に言えば行えません。

 それから、昨日も書きましたが、2013年まではアミオダロンは毒薬に指定されていて、鍵のかかる場所に保管することが義務づけられていましたが、現在は劇薬に格下げ?されていて、その必要はありません。よって、救急外来などにも置いてある場合もあると思います。私が勤めている病院には置いてあります。

 よって、救急外来でアミオダロンを投与しても問題ありません。あくまで教科書的なお話ですが。

 裏話?は明日書きますのでお楽しみに!
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アミオダロンはその場にないことがありますので、使う時には準備をしましょう [CPRの基礎]

 救命処置講習会などに出席すると、「血管収縮薬を投与しても心室細動が続いていますので、アミオダロン300mgを投与します!」と言う台詞が聞かれます。講習会では、直ちに担当の人が「アミオダロン300mgですね。はい、投与しました!」と言ってくれます。

 しかし、その場にアミオダロンが用意されていることが、どのぐらいあるのでしょうか?

 こちらのアミオダロンの添付文書によれば、アミオダロンは劇薬に指定されています。2013年までは毒薬だったそうです。

 劇薬とは、こちらのサイトによれば、少量で致死的になりうる薬剤であり、毒薬の方が強力な薬と言うことのようです。よって、紛失したり盗難に遭ったりして、必要のない人に使われると大変なことになります。よって、こちらの文書によれば、劇薬は「他の医薬品等と区別して、貯蔵・陳列する必要があります。なお、劇薬は、毒薬のように、特に鍵のかかる場所に保管する必要はありません。」とあります。

 また、添付文書には、アミオダロンは「凍結を避け、25°C以下に遮光して保存」とも書かれています。夏の暑い時には、室温に保存は難しいですね。

 よって、アミオダロンは誰でも入れるようなナースステーションの直ぐ分かるところに置いておくわけにはいきません。病院によっては薬局にしかない場合もあるでしょう。そう言う場合には、早めに誰かにアミオダロンを取りに行ってもらうか、薬剤師さんに持ってきてもらう必要があります。

 どの病棟にも置いてあるよ!と言う場合、薬剤師さんが頻繁にチェックして紛失していないかどうかなど気をつけてくださっているのだと思います。慎重な病院管理者であれば、そんな劇薬を病棟に置いておくなんて!と言うかも知れませんので、そう言う管理者を薬局の偉い人が、現場で直ぐ使う可能性のある薬なので、なんとかお願いしますと頼んでくれているのかも知れません。

 アミオダロンが普通に使えること、多くの人に感謝しなければなりませんね。

 ちなみに、以上の理由により、蘇生講習会にアミオダロンの本物が出てくることはまれですね。

 知りませんでしたが、アドレナリンやキシロカイン、アトロピンも劇薬に指定されています。

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バイスタンダー効果 [CPRの基礎]

 突然ですが、キティ・ジェノベーズ事件という事件をご存じですか?多くの人が殺人の現場を目撃、あるいは悲鳴を聞いていたにもかかわらず、誰も助けに行かなかったと言う事件です。何て冷たいんだ!と言う事ではなく、傍観者効果(あるいはバイスタンダー効果)によるものです。犯人はこの事を知っていたというのですから驚きです。

 こちらに傍観者効果について書かれていますが、つまり自分が助けなきゃ誰が助ける?と言う状況であれば、ほとんどの人が自発的に助けるのですが、他に人がいれば俺は関係ない、、、、、、みたいになってしまうと言うことです。
 救急車のお断りも似ています。都会に多い傾向にありますが、都会は他に病院が幾つもあるので、うちが受けなくても別の病院が診るだろうから、今忙しい時に無理して救急車をさらに受ける必要はないだろうと思ってしまうのかも知れません。田舎だとうちが断ったらこの患者さんはどこで診てもらえるのか?と思うから頑張って救急車を受けるのではないでしょうか。

 つまり、誰か助けて!と言った対応では誰も助けてくれないと言うことです。

 よって、以下のようなことをつぶやいても効果はないと言うことです。

・来週の当直を代わってもらいたいんだけど、誰か当直代わってくれないかなあ?
・誰か今から薬局に行って薬をもらってきてくれないかなあ?
・誰か今日の夕方の会議代理で出てくれないかなあ?

 以下のように言いましょう。

・木村先生、いつもありがとうございます。来月のクリスマスイブの当直代わってもらえないかなあ?
・病棟一美人の白石麻衣さん、今から薬局に行って薬をもらってきて!
・病棟一の頑張り屋さんの渡辺麻友さん、今日の夕方の会議代理で出て欲しいの。あなたに期待しているから。

もし痴漢に襲われた時にはこう言いましょう。


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カテコラミンを何故ブドウ糖で溶かすのか? [研修医教育]

 最近ある方からメールが来ます。今お勤めの病院での色々なことが問題があると感じておられるようで、少しずつお返事しておりますが、それをついでに?こちらに載せておきます。他に役立つ人が一人でもいればと思いますし、折角書いたお返事なので、ブログに載せておくと自分にも役立つ(後で検索しやすいので)かなと思いました。

 また、このブログに書いてあったと言えば、結構な説得力がある可能性が少しあるので(^^)。近くの病院の看護師さんの勉強会の資料に使われたりしているようですから。

 今日はカテコラミンを何で薄めるか?と言うお話です。最近このテーマでブログを書いた気もするのですが、ブログは同じ事を何度でも書いて良いと誰かが言っていましたので、また書いてみます。大事なことは何度でも言えば良いとビリギャルの本に書いてありました。

 さて、皆さんの病院にあるドパミンのキットをご覧ください。カタボンとかプレドパとか、キャサリンとかです。キャサリンについては以前記事にしました(^^)。

 ほぼ間違いなくストレートでもウーロン茶割りでもなく、水割りになっているはずです。つまりブドウ糖で薄めてあります。生理食塩水で薄めてある製剤は見たことがありません。

 病院によっては、ドパミンのアンプルを点滴に入れて、何かで薄めて投与する場合があると思います。その時に生理食塩水ではダメなのですか?と聞かれたりします。

 先に結論から。

 カテコラミンを薄める時にはブドウ糖が良いです。
 でも、生理食塩水でも良いです。

 どっちか決めてや〜!と言う場合にはブドウ糖にしましょう。理由は以下に説明します。

理由を知りたい方はこちら。


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