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心静止か心室細動か迷ったら [CPRの基礎]

 心停止の患者さんの心電図を見た時に、心静止に見えるけど、心室細動かも、、、、、、、と思うことがあると思います。そう言う場合どうしたらいいのでしょうか?

 もし心静止だった場合、電気ショックを行えば、心拍再開率が低下しますから、電気ショックしてしまえば良いよ!と言うのも同意しにくいです。
 もし心室細動だった場合、すぐ電気ショックをしなければ、心筋のエネルギーが減ってしまい、2分後には本当に心静止になってしまうかも知れません。
 いや、心室細動に対して電気ショックをする前に、2分間の心肺蘇生を行った方がいいというデータもあるから、しっかり2分間蘇生してから考えるべきでしょう!

 などと色々意見が出てくると思います。

 一体どうしたらいいのでしょうか?

 ACLSの2015年度版のテキスト117ページには以下のようにあります。

「微細なVFであるのか心静止であるのか判然としない場合は、最初の処置として除細動は妥当である。」
「現時点では、除細動を遅らせて除細動の前にCPRを実施することの利点は不明確である。」

 「妥当である」とか「考慮しても良い」とかの表現が多いのですが、つまりはデータがないと言うことでしょう。

JRCやERCの意見は?


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心肺蘇生中のリズムチェックは何故二分ごとなのか? [CPRの基礎]

 心肺蘇生のアルゴリズムでは、2分ごとにリズムチェック(日本蘇生だと脈を触知することも含んでいます)をする事になっています。なんで2分なんだろう?と思ったことはありませんか?

 私が医者になった1992年に出たガイドライン(と言う名前だったか記憶がないですが)では、電気ショックをしたら直ぐにリズムチェック、1分後に再びリズムチェック、薬をやったら1分後にまたリズムチェック、、、、、、等とやっていた記憶があります。頻繁に胸骨圧迫を中断することは良くないということになり、とりあえず2分連続して行ったら良いんじゃないの?ぐらいの感覚で2分になったのだと思います、、、、、、、、、たぶん。

 しかし、心室細動が続いていれば、早く電気ショックを行った方がいいでしょうし、あまり頻繁にチェックしても胸骨圧迫の中断が増えてCPP(冠還流圧:これが低下すると蘇生率が低下するとされています)が低下するでしょうし。どないしたらええねん!という感じですよね。

 日本のガイドラインにはなんと、この事についての検討が載っています。こちらのP.62にあります。書籍ですとP.82です。

 が、やはり、曖昧な書き方です。

 「ECG を評価するために、2分毎に胸骨圧迫を一時中断することを提案する。(弱い推奨、低 いエビデンス)」と言う事で、その理由が「この推奨を行うにあたっては、従来の推奨との整合性、および、推奨を変えるべきことを示す根拠がないことに重点をおいた。また、胸骨圧迫の施行者を2分毎に交替させるという標準的な推奨に合わせたタイミングでECGと脈拍をチェックすることによって、蘇生の手順を単純化することの価値を尊重した。」

 って一体どう言う意味???という感じがします。私の日本語の読解力がないためでしょうが。

 胸骨圧迫の中断を出来るだけ避けることと、早くさらなる電気ショックを行うことと、どちらが大切なのか?検討が必要なのでしょうね。


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人工呼吸中の患者さんに電気ショックを行う時、回路は外すべきか? [CPRの基礎]

 心肺蘇生の講習会では、電気ショックを行う時に、安全確認を十分するように指導されます。特に高濃度酸素が流れていたために引火したと言う報告があったようで、酸素が流れている物は遠ざけると言う事が指導されます。ガイドライン的には1m以上離せばいいようですが、バッグバルブマスクなどを「背中に回して3m以上下がってください!」と言わないと不合格になると言う講習会もあるとかないとか。

 気管挿管されていて、気管挿管チューブと人工呼吸器の回路がなかなか外れない時があります。そういう時にはどうしたらいいのでしょうか???

 ヨーロッパ蘇生協議会のガイドライン2015のP.114に書かれています。

「Safe use of oxygen during defibrillation」
 In an oxygen-enriched atmosphere, sparking from poorly applied defibrillator paddles can cause a fire and significant burns to a patient. The absence of case reports of fires caused by sparking where defibrillation was delivered using self-adhesive defibrillation pads suggests that the latter minimise the risk of electrical arcing and should always be used when possible.
 The risk of fire during attempted defibrillation can be minimised by taking the following precautions:
 Take off any oxygen mask or nasal cannulae and place them at least 1m away from the patient's chest.
 Leave the ventilation bag connected to the tracheal tube or supraglottic airway, ensuring that there is no residual PEEP remaining in the circuit.
 If the patient is connected to a ventilator, for example in the operating room or critical care unit, leave the ventilator tubing (breathing circuit) connected to the tracheal tube unless chest compressions prevent the ventilator from delivering adequate tidal volumes. In this case, the ventilator is usually substituted by a ventilation bag, which can itself be left connected. If not in use, switch off the ventilator to prevent venting large volumes of oxygen into the room or alternatively connect it to a test lung. During normal use, when connected to a tracheal tube, oxygen from a ventilator in the critical care unit will be vented from the main ventilator housing well away from the defibrillation zone. Patients in the critical care unit may be dependent on positive end expiratory pressure (PEEP) to maintain adequate oxygenation; during cardioversion, when the spontaneous circulation potentially enables blood to remain well oxygenated, it is particularly appropriate to leave the critically ill patient connected to the ventilator during shock delivery.

日本語がいい方はこちらを。


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レーザーポインターに飽きたあなたに [Mac(パソコン)について]

 プレゼンをする機会が多い人は、レーザーポインターに凝っていませんか?私は二つ持っています。やっぱりグリーンレーザーでしょう!と言う事で二つともグリーンです。ももクロも緑の子が好きです(関係ないか)。ミートザペアレンツという映画では、緑は天才が好む色だと言っていました。どうでも良い話でした。

 iPhoneを持っている人は、iPhoneでマックのプレゼンを操作することが出来ますし、iPhoneやiPadだとそのものをプロジェクターに接続して、iOS機器のタッチパネルでプレゼンも出来ます。

 が、スティーブ・ジョブズさんのように舞台を移動しながらプレゼンしたいですよね。そうするとiPhoneでは少しやりにくいです。やっぱりペン型がいいです。

 今回私が購入した物は、ペン型なのに、レーザーポインターではないというものです。

 Logicoolの「Spotlight Presentation Remote」と言う製品です。アップルストアでも買えます(し、アップルストアの方がアマゾンより安い!)。詳細はメーカーの製品ホームページを見ていただければいいのですが、これは良いです!まずは動画をご覧ください。



 一番の驚きは充電です。専用のコード(USB-Cなら何でも良いかも知れません)を接続して1分待つだけ。それで3時間は使えるんだそうです。あー充電が!電池も買いに行く時間がない!!と言う時便利です(USB-Cは今後普及するでしょうし、私のMacはUSB-Cのやつです)。

 パソコンとの通信はBluetoothでも、USBアダプターを使っても行えます。あっ、つまりマック専用ではなく、Windowsでも使えます。今のMacはBluetooth完備ですから、こちらがスマートかと思います。

 ハイライトする機能はどうやってやっているのか、動画やホームページでは分からなかったのですが、プレゼンターの動きを感知しているようです。動画のように画面に向けて操作しなくても、上に動かせばハイライト部分が上に動きます。すごいです。

説明書は入っていません。


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ブログタイトルを変えました [雑談]

 先日参加させていただいた勉強会で、ブログを作ることと言う宿題がありました。私は以前からしていたのでこれは楽でしたが、ブログのタイトルが本当にこれで良いのか?非常に悩みました。

 かさこ様のアドバイス(がもらえるのです)をいただき、本名でやるのが良いのかなあと思い、ブログのタイトルを変えました。どうせ多くの人が、私が書いていると知っているようです(どの病院へ行っても、廊下などで先生のブログを見ていますと言う人がいますので(^^))から、色々で分かるのでしょう。

 医者は平成何年卒で犯罪を犯したかどうか?が簡単に分かる(興味ある人はこちら。同じ名前の医師が二人もいることが分かります。)のですし、病院のホームページにも個人情報が満載ですし、本名を出した方が、こんなこと書いて大丈夫だろうか?とより考えるでしょうから、名前出しします。

 これからもよろしくお願いいたします。


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電気ショックをする時に、パッドを貼るのか?パドルで行うのか? [CPRの基礎]

 電気ショック(同期電気ショックも含む)を行う場合、粘着パッドを貼って行うのか、パドルで行うべきなのか?と言う問題があります。私が関わっている講習会では、まだ日本ではパドルで行う施設が多いので、パドルで行う様に指導しています(パッドでの電気ショックも実習しますが)。
 ちなみに、2010年ガイドラインではどうなっていたか?については過去に書いたので、こちらをご覧ください。

 2015年ガイドラインにはどうあるのでしょうか?

 日本のガイドラインに基づいて作られている、救急蘇生法の指針2015医療従事者用には、どちらを推奨するという記載はありません。

 AHAはどうかというと、「粘着性のパッドのルーチン使用を推奨している。除細動の施行中に伝導素材(ジェルパッドまたは粘着性のパッド)を使用すると、経胸壁インピーダンス、または胸部構造の電流に対する抵抗が減少する。」とACLSのテキスト(2015年版)のP.99に記載があります。AHAは以前からパッドを推奨していました。


ACLSプロバイダーマニュアル  AHAガイドライン2015 準拠

ACLSプロバイダーマニュアル AHAガイドライン2015 準拠

  • 作者: American Heart Association(AHA:アメリカ心臓協会)
  • 出版社/メーカー: シナジー
  • 発売日: 2017/02/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



ヨーロッパやCoSTRはどうなのでしょうか?


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検査はあくまで判断材料の一つです [医学関連]

 インフルエンザが特にそうなっていますが、病気の診断に検査は必須ではありません。診断は医師が行う物で、採血やレントゲン、エコーなどは判断材料の一つでしかありません。インフルエンザの検査をしなければ、インフルエンザの治療をしてはならないという法律もありません。

 ちなみに、インフルエンザの検査は、インフルエンザウイルスの抗原を調べているだけで、「鼻粘膜(それも、あの棒が当たったところだけ)にインフルエンザウイルスがいた」と言う事を示すだけです。ウイルスがいた(それも形跡だけで、今もウイルスが活動しているかどうかも分かりません)だけでは感染したとは言えません。ウイルスが身体に侵入して増え、悪さをしたと言うことがあって初めて感染したと言えます。インフルエンザの検査は、そのどれも証明していません。言い換えれば、「お前はこの家の玄関に立っていた。この家で盗難の被害があったので、お前が犯人だ!」と言うのと同じなのです。インフルエンザと診断するためには、熱があって、全身倦怠感があって、インフルエンザの症状があるなあ、、、他の病気の可能性は低いし、家族がインフルエンザと診断されているらしい、、、、、、、と言うような情報が必要です。逆に言えば、その情報さえあれば、検査はいりません。

 本来はインフルエンザかも?と思えば家でじっとしているのが一番です。なのに、病院へ行って検査をしてもらえなんて、、、、、、、もしインフルエンザであれば、人にうつす可能性がありますし、インフルエンザでなければ、検査は意味がありませんし、病院でインフルエンザをもらうことになるかも知れません。

 検査をすべきかどうかは、非常に高度な判断なんだと言う事ご理解いただければ幸いです。

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将来の夢がない人へ [研修医教育]

 学生さんや研修医の先生に「将来は何科に進むの?」と聞くと、「すみません。まだ決めてないんです。」と言う人がいます。私はこう言っています。「すみませんという必要はないですよ。決まっていない方が普通だし、良いことだと思います。」

 今日はそういう事を書いてみます。

 まず、診療科とは何でしょう?我々が勝手に作ったものです。患者さんは、最初から外科で診てもらいたいとか、腎臓内科で診てもらいたいとかの希望はありません。自分の身体に起こっている問題を解決して欲しいだけです。例えば、頭をぶつけたから、これは脳外科が専門だと知っているので、脳外科を希望するだけです。頭部外傷に詳しい医師であれば、誰でも良いはずです。
 そして、患者さんの問題は、診療科一つでカバーできなくなっています。交通事故一つとっても、頭しか怪我しないと言う人は少なく、首も痛めて腹部も打撲したなんて人はざらです。じゃあ何科が担当するのか??と言う事でもめることがあります。
 進みたい診療科が決められないという人は、医療を真剣に見ている人だと言えるのではないでしょうか。

他にも良いことがあります。


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講習会受講料は高いのか? [講習会]

 私の周りには医療従事者しかいません。なので、医療従事者の話としてください。

 AHAのBLSプロバイダーコースは朝から夕方までで、人形1体につき3名まででみっちり実習ができます。日本では人形一体にインストラクターが一人つくことが多いと思いますが、それで1日約2万円です(やっている団体によって異なります)。テキストは数千円です。交通費とか、事前の色々で、まあ3万円かかると考えても良いでしょう。

 これを受けようというと、そんな高い講習会無理!と言う人がいます。高いかどうかは人によりますが、講習会の受講料が高すぎるという人に聞いてみたいです。高すぎるというのは何を根拠にでしょうか???

 すごく欲しい高級ブランドのバッグがあったとします。超有名デザイナーがデザインしていて、良い材料で作られていたら、何十万円もしても買いますよね。BLSの受講料が高いと言う人は、つまりはBLSを受けることに意義を感じていないからではないでしょうか?自分の技術で人が救えるのなら、あるいは知らなかったことで、人を死なせるかも知れないと思えば、数万円ぐらい安いのではないでしょうか?もちろん、それは仕事のスキルだから職場が出すべきだという思う人もいるでしょう。確かに出してくれる職場もありますので、そういう所へ転勤されると良いと思います。きっとすばらしい病院のはずです。

医療以外の講習会はどうなっているのでしょうか?


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電気ショックのエネルギーは上げていくべきか? [CPRの基礎]

 心肺停止の患者さんの心電図波形が心室細動だったり心室頻拍だったりした場合、電気ショックが適応となります。胸骨圧迫の中断を出来るだけしないようにして、でも出来るだけ早く電気ショックを行います。心室細動や心室頻拍は、心筋がエネルギーを無駄に使っており、放置すると心静止になって心拍再開率が低下するからです。

 以前のガイドラインでは、電気ショックのエネルギーはだんだん上げていく事になっていました。2000年のガイドラインまでです。二相性の除細動器が出来たりして、色々で2005年のガイドラインからは、最初から最大のエネルギーでショックするように変更となりました。2010年ガイドラインでは、大きな変更はありませんでしたが、現在作られている二相性の除細動器は、もっと高エネルギーが与えられるようになってきたので、二回目以降のショックのエネルギーは増やしても良いという風に変わりました。

 では、最新のガイドラインである2015ではどうなったのでしょうか???

 まず、世界の蘇生のガイドラインの基本となる文書であるCoSTRから見てみましょう。CoSTR2015には以下のようにあります。

Fixed versus escalating defibrillation energy levels (ALS 470)
 Among adults who are in VF or pVT in any setting (P), does any specific defibrillation strategy, such as fixed shock energy level (I), compared with standard management (or other defibrillation strategy), such as escalating shock energy level (C), change survival with favorable neurologic/functional outcome at discharge, 30 days, 60 days, 180 days, and/or 1 year; survival only at discharge, 30 days, 60 days, 180 days, and/or 1 year; ROSC; termination of arrhythmia (O)?

除細動のエネルギー量は固定すべきか?増やすべきか?
 様々な状況で心室細動や無脈性心室頻拍になっている成人患者において、ショックエネルギーの量を固定して行うような特定の治療戦略が、他の戦略と比較して生存率やアウトカムを変えるだろうか?

Introduction
 In 2010, we recommended that for second and subsequent biphasic shocks, the same initial energy level was acceptable, but that it was reasonable to increase the energy level when possible (i.e., with manual defibrillators).

イントロダクション
 2010年ガイドラインでは、二回目以降の二相性電気ショックでは、エネルギー量を固定して行うことが容認されると推奨した。しかし、可能であればエネルギー量を増やすことは合理的である。

Consensus on science
 For the critical outcome of survival with favorable neurologic outcome at hospital discharge, we identified very-low-quality evidence (downgraded for serious risk of bias, serious imprecision, and serious indirectness) from 1 RCT enrolling 221 OHCA patients showing no benefit of one strategy over the other (OR, 0.78; 95% CI, 0.34–1.78).
 For the critical outcome of survival to hospital discharge, we have identified very-low-quality evidence (downgraded for serious risk of bias, serious imprecision, and serious indirectness) from 1 RCT enrolling 221 OHCA patients showing no benefit of one strategy over the other (OR, 1.06; 95% CI, 0.52–2.16).
 For the critical outcome of ROSC, we have identified very- low-quality evidence (downgraded for serious risk of bias, serious imprecision, and serious indirectness) from 1 RCT enrolling 221 OHCA patients showing no benefit of one strategy over the other (OR, 1.095; 95% CI, 0.65–1.86).

科学に基づくコンセンサス
 221人の院外心肺停止患者を対象とした1つの無作為化試験によれば、非常に質の低いエビデンスではあるが、退院時の良好な神経学的アウトカムを伴う生存率、単なる生存率(寝たきりでもいいという事でしょう)、心拍再開率のに関して、どちらが優れているということは示されなかった。

Treatment recommendation
 We suggest if the first shock is not successful and the defibrillator is capable of delivering shocks of higher energy, it is reasonable to increase the energy for subsequent shocks (weak recommenda- tion, very-low-quality evidence).

推奨される治療
 初回ショックが成功しなかった場合、除細動器がより高いエネルギーを与える事が可能なのであれば、エネルギー量を増やすことは合理的である(弱い推奨、非常に質の低いエビデンス)。

各国のガイドラインはどうなっているのでしょうか?


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