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COPDの人にもちゃんと酸素を投与しましょう [医学関連]

 先日の講演会の内容の続きです。

 慢性閉塞性肺疾患と言う病気があります。英語ではchronic obstructive pulmonary diseaseですので、略してCOPD(シー・オー・ピー・ディー)と呼ばれています。死因の10位に入っているこわ〜い病気です。タバコが原因の一つですので、タバコを吸っている人は将来COPDになるかも知れません。

 この病気と酸素で有名な話があります。こう言った患者さんに気軽に酸素を投与すると呼吸が止まるので、酸素投与は控えるべきであると言うのです。CO2ナルコーシスになるから、、、、と言うのが理由です。

 しかし、救急の現場(特に病院外)では、こんなことを考える必要はありません!知らなかった、、、と言う方がおられたら、知らなくて良かったんです!
 説明すると長くなるのですが、人間の呼吸は、血液中の酸素濃度と二酸化炭素濃度、その他色々で調節されています。まず、例えば呼吸が止まると、二酸化炭素が高くなります(この辺はご存知の事として書きます)。すると呼吸の量(一回換気量や回数)を増やして二酸化炭素を正常にしようとします。

 COPDの人の中には二酸化炭素が常に高くなってしまう人がいます。その場合、脳が慣れてしまって、酸素濃度が低いと言う事だけが呼吸をする刺激となる事があります。よって、そういう人に酸素を投与してしまうと、呼吸をしようと言う刺激がなくなって、呼吸が止まってしまい、さらに二酸化炭素が上昇し、意識がなくなってしまう(CO2ナルコーシスと呼ばれます。ナルコーシスとは昏睡状態と言う意味です)と言う訳です。

 よって、COPDの人には酸素投与を出来るだけ控える、、、、と言う迷信が広く伝わっています。先日も「COPDでかかりつけの患者さんです。SpO2が80で、酸素1リットル投与していますが、、、、」と言う方が運ばれてきましたが、何故もっと酸素をやらないのか疑問に思いました。私の講義を聞いていなかったんでしょうね、、、、面白くなかったでしょうしね(*_*)。

 人間は酸素がなければ死んでしまいます。よって、COPDの人であろうがやはり酸素が低ければ酸素の投与が必要です。しかし、これがなかなか、、、、、医師によっても言うことが違います。

 私の意見などどうでも良いと言われてしまいそうですから、いくつかバイアスのかかった選び方ですが、、

「PaO2の低下は致死的なので、CO2の蓄積を認めても酸素化を優先するのが基本である」(内科学第7版、朝倉書店、P.719)
 林寛之先生の本(Step Beyond Resident 2、P.59-60)には、
・酸素投与を行っても呼吸が止まらない患者さんもいて、CO2ナルコーシスの本当の機序は不明
・本来はHCO3ナルコーシスとでも言うべき病態
・酸素投与をケチって患者を見殺しにしてはいけない
・困るのは抜管がなかなか出来なくて辛い思いをする呼吸器内科医だけである
「CO2 kills slowly, but no O2 kills quickly.」Trauma Rules P.13, BMJ
 ICUブック P.461-462(英語版です)(これは別記事にします)

 結論です。
・救急の現場では、COPDの人にも充分酸素を投与しましょう!
・呼吸が止まる可能性があるので、呼吸が止まらないかどうかちゃんと観察しましょう。
・呼吸が止まったら補助呼吸をしましょう(普通よりも換気量を少なく)。
・呼吸器内科の先生にはごめんなさいと言っておきましょう(今度おごりますから、、、、)。

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内科医

経験上、COPDの患者さんたちは
低酸素に慣れている人が多いので

何らかの理由で
いきなり低酸素になるはめになった人に比べ
耐性が高いです。

「ちょっと息苦しかったけど
最近特にひどい」とぜいぜい言いながらやってきて
PaO2 30~40なんてこともざらです。
しかも家族の車で来ているんですね。

いくら救急隊が気管挿管できるようになっても
やはり高酸素を投与して わざわざ呼吸停止にするのは
いただけないです。

それに呼吸器内科医は
COPDの末期の人に挿管しないで 
家族にICして、高酸素を流して
お見送りすることも多いです。
家族も本人も度重なる挿管でつかれていることが
多いです。「もういい・・」と言われます。


終末期医療・・ですから
急性期とは違う面もありますよ。







by 内科医 (2009-04-09 15:37) 

Kim

内科医さん、コメントありがとうございます。コメント頂けたらな、、、、と思いながら記事を書いたので嬉しいです!!

確かにおっしゃる通りで、何でもかんでも高濃度酸素をやるべきとは思いませんが、特に末期ではなく、本当にCOPDかどうかも分からなくて、苦しがっているのに、COPD疑いと言うだけで酸素を少ししかやらないと言うのはどうかな、、、と思います。
最近読んだ「呼吸と循環」の中に、何かのガイドラインはSpO2は90までは上げるべきであると書いているとありました。

SpO2が80%でも、本人が何ともないと言っていれば良いですが、苦しがっているのに、、、、酸素を少ししかやらないのは良くないと考えますがいかがでしょうか?

末期のCOPDの人は、そういう状態だと分かるでしょうから、現場の救急救命士さんも迷う事ないと思います。

by Kim (2009-04-09 16:01) 

内科医

いくらCOPDでも
さすがにSpo2が80台で
なんともないという人はいないです。

絶えず呼吸困難を訴えます。
SpO2が90台でも。

私が言いたかったのは 
高CO2血症で死亡することはあっても
低O2血症では死亡はなかなかしないということです。

あとは、痰が詰まって窒息でもしない限り。

病院までのアクセスによるかもしれないですが
搬送先が決まっていれば
苦しい時間はそんなに長い時間ではないと思います・・・

在宅で 結構ねばっていたはずなので
粘れると思います。
できれば低酸素で
我慢して連れてきてほしいな・・と思います。
途中で息が止まったらバック換気でなんとかいけます。

ちなみに末期のCOPDかどうかということが
はたして救急隊の人に判断できるのか・・が私には
よくわかりません。

挿管すれば助かるので・・・
末期かどうかは本人と家族が決めることかと思うのですが・・


by 内科医 (2009-04-09 19:53) 

内科医

追加ですが
喘息は急に起こった呼吸困難ですから
がんがん酸素を行っても大丈夫です。

救急車を呼んだ喘息の人に
ちょっとだけ酸素は
ハードだと思います。

要は
慢性の呼吸器疾患の人は酸素は少量で
その他急性疾患の人は多めに
というところが コメントの限界でしょう。。。?!

ブログはいつも楽しみにしています。
引き続き更新頑張ってください。
by 内科医 (2009-04-09 19:58) 

Kim

内科医さん、コメントありがとうございます。

追加で教えて頂いた事が最も言いたかった事です。喘息はCOPDには入らない時代が来ると学生時代(と言ってもうん十年前ですが(*_*))に習ったのですが、やはりお年寄りの喘息患者さんなどに酸素をあまり投与しないで連れて来る救急隊があります。理由を尋ねると、COPDには酸素は禁忌?みたいに言われているというのです。私は特にその事について言いたかったです。

在宅酸素療法をしていて、もう危ないとか医者に言われているような状態の人であれば、救急隊の方は分かるのではないでしょうか?

それから救急の現場では、オーバートリアージが原則です。救急隊の方も、やれる事は観察と酸素投与ぐらいです。気管挿管は心肺停止にならないと出来ませんから、、、、日本には病院への搬送に1時間ぐらいかかる地域はまだいくつもあります。そんな地域でもSpO2が80代のまま病院へ搬送するというのはいかがなものでしょうか??

よく分からなければ、重症と考え、過剰な治療をするべきと思います。COPDと言われていて、どんな状態か分からなかったら、やはり酸素を充分投与して、呼吸が止まりそうになれば補助呼吸をして病院へ連れてくるべきかと思います。先生がおっしゃっているように、癌とは違うので、助けられる可能性が充分ある疾患なのですから!

申し訳ありませんが、種々の書籍にはO2が低い事は許容されないとあります。先生何かエビデンスをお示し頂くと勉強になるので教えて下さい。

by Kim (2009-04-09 21:52) 

地方の研修委員長

以前在籍した病院のERドクターはCOPDの搬送で救急隊からの問い合わせがあった時は「SpO2:90%は維持して下さい。95%を越えるようであれば流量を落として下さい。」と返事をしておりました。
もちろん喘息の患者さんには全開で投与していました。

当地でも他院から気管支喘息重積発作が転送されてくる時にごく少量の酸素しか流されていない事を経験した事があります。SpO2:70%台だったので救急隊に確認したところ「転送元の先生がCO2ナルコーシスになるから流量を上げてはいけないと言われました」との事でした。その救急隊の方は十分流さないといけないと理解されておられましたが。

心不全や気管支喘息でCO2が高い時までO2を減量されている場面を目にする事があるので注意が必要ですね。

by 地方の研修委員長 (2009-04-09 22:51) 

youtyan

そうなんですかぁ・・・過呼吸になると、紙袋を口にあてて呼吸するっていうのは、そういうことだったんですか?
ん?酸素が増えちゃうから苦しい?
あれ?ぐるぐるしてきました・・・^^;
by youtyan (2009-04-09 23:02) 

内科医

内科医(循環器は除く)と
外科系医師の考え方の違いと思ってください。

内科医は一般的に
患者さんを自然経過で看取るのを好みます。

救急科のドクターは
救急車で来るからには助けねばと思います。

一般的に内科医は 高齢の方や判断能力のない方
末期の方に濃厚治療をするのを好みません。
末期癌の人に挿管して、挙句 人工呼吸器を止めるなんてことは
内科医ではありえない経過です。
COPDも挿管すると助かりますが 抜管できなくなる可能性があります。
これもある意味、延命だけを考えれば
挿管すればいいのでしょうが、QOLを考えると
どうなのか・・という問題があります。
先生たちや救急隊の方は患者さんと一期一会なので
難しいと思いますが、内科の主治医は長年のつきあいですから
ある時期から、患者さんのご家族に将来について
じわじわとお話しすることが多いので、いざというときも
ICが取れます。 

また慢性寝たきりとなった患者さんの家族に触れる機会の多い
内科医は 在宅で家族が疲弊していったり、療養施設に預けて
まったく家族は顔を見せなくなったり どうかするとネグレクト、
虐待等に発展してもおかしくない現実も 知っています。

先生のおっしゃるとおり
救命や延命のことだけ考えるのなら
酸素化したほうがいいのは当然です。

また書籍には載っていませんが
「急に起こった事には急に対処しないといけないが
慢性に起こった事には緩やかに対応するべきである。」
ということを 療養型の患者を並行して持ったり等、
急性期だけでない経験を相当積んだ内科医はみんな知っています。

慢性呼吸器疾患で低酸素でもしばらく(日単位、どうかすると週単位で)
生きている人が多いことも 本には載ってなくとも 呼吸器内科医なら 
誰でも知っていると思います。
救急と違って 看取るという状況がありますから(ここが最大の違いです。
助けようと思ってないので・・・酸素は最大量で投与してますけど・・)
挿管せず(せいぜいBiPAPどまり)に経過を見る機会が多いためですが。

また、小児の循環器のドクターが言ってましたが
先天性心疾患等でシャントがあり
酸素投与では酸素が上がらない子供さんは 慢性的に
低酸素の状態ですが(SpO2は70~80台はザラらしいのですが)
年単位で生存しているとのことです。

慢性期の患者さんには耐性がある。
そういうことはいろんな種類の病院で経験を積んだ
内科医にとって 常識のようなものなので
わざわざ論文になどはなっていないのではないでしょうか?






by 内科医 (2009-04-09 23:10) 

shiraisi

外国から出版されている医学書は、日本語に訳すと奇妙な言葉になるやつが多いですよね。
記事の中の、酸素をケチって患者を死なせてはならないと言うのも奇妙な文章ですよね。
ダイレクトに伝わって良いとは思いますけど…
by shiraisi (2009-04-09 23:17) 

oldDr

 気管挿管され人工呼吸器につながり離脱できなくなった人を見ている呼吸器内科医です。
 救急で酸素投与され救命しようとするのは当然ですから、酸素はどんどん投与してほしいです。
 長期人工呼吸管理も、意識がある慢性呼吸不全は、意識がない蘇生後脳症よりはるかにまし、です。医師にとっては。
 ただし患者さんにとっては意識がない方が楽でしょうが。
 家族などと事前に相談しておいてもいざとなると、つい人工呼吸器につないでしまい、あとあと困ることはよく経験しますが、標準的な基準はなく、ケースバイケースで判断するしかないですね。
by oldDr (2009-04-09 23:23) 

Kim

地方の研修委員長さん、コメントありがとうございます。

SpO2によって調節する考えはなかなか良いですね。

人によって言う事が違うので困りますよね。急性の呼吸不全には充分酸素をやるべきなのに、COPDと言われて投与されないというのが良くないんですよね。

by Kim (2009-04-09 23:29) 

Kim

コメントつけている間にこんなに他の方のご意見が合ったとは知りませんでした。意外な?盛り上がりにびっくりしています(^o^)。

youtyanさん、ごめんなさい。過換気の患者さんに紙袋は現在否定されています。二酸化炭素が下がっているので再び二酸化炭素を吸ってもらって正常化しようという考えですね。

今回の話題は専門家以外には入りにくいものになってしまい申し訳ありません。

by Kim (2009-04-09 23:50) 

Kim

内科医さん、再度コメントありがとうございます。

先生がおっしゃっている事に賛成です。私も癌の患者さんなどを診させて頂きますので、治療をしないという選択は大事だし、慢性的な異常を突然治すべきだと主張するつもりはありません。救急車で来院する患者さんは全て助けなければ!とも思いません(が、大きな事はしないという患者さんで、状況があらかじめ悪い事が分かっている場合には、救急車を本来は利用すべきではないですよね)。

救急の現場でCOPDの患者さんが運ばれてくると分かった時に、その人はCOPDの末期だから、家族とも話が付いているので、酸素はなしでよいですとか、伝えて頂くと言う体制(主治医がいない場合でも、すぐにそれが分かるような、、、)があると、救急医も救急隊の方も活動しやすいと思います。

どんな状況か分からない場合、医師の指示も得られない場合には、救急隊の方には「自信を持って酸素を投与して下さい。呼吸が止まるのがいけないだけです」と教えています。色々言い出すと救急隊の方は活動できなくなっちゃいます。現場は色々限られた情報、手段しかありません。そこで患者さんを少なくとも悪くしないよう努力している人たちに言えるのは、、、、、、シンプルな事だけだと思います。

また、色々言えるのは医者だけであり、可能であれば、救急隊の方に色々と指導して頂ければと思います。

これからもよろしくお願いいたします。

by Kim (2009-04-10 00:00) 

Kim

shiraisiさん、コメントありがとうございます。

引用の文章は林先生という福井県の有名な救急の先生の本に書かれている物で、英語ではありません。分かりにくくて済みません。

一部を引用して著者の主張はこうだと言うのは良くないので、是非一読を(研修医上がりの医師向けですので、医療関係者ならば何とか読めると思います)。医学書を売っている本屋さんに絶対置いてあります。この本がない病院もまずないと思います。誰かが持っています。

by Kim (2009-04-10 00:03) 

Kim

oldDrさん、援護射撃ありがとうございます。

そう言って頂けると自信がつきます。救急隊の方にはこれからも、指示がない限りは酸素を十分投与しましょう!とお伝えするつもりです。

こうするとこうなるからやりたくないな、、、、と言う事は救急の現場でも良くあり、辛い所です。特に施設からの患者さんや精神疾患の患者さんは、受け入れをすると誰も主治医になってくれなくて、自分が担当する事になり、なかなか転院先が見つからず、、、、看護師さんに冷たい目で見られ、院長にはベッドの回転が悪くなるから早く退院させて、、、と言われます(+_+)。

しかし、苦しんでいる救急患者さん(受け入れ先が見つからなければ救急隊の方も)たちのために働くのが我々の仕事なので、、、、平均在院日数が増えるのは仕方ないです。

COPDへの酸素投与も同じような物かと思っています(全然違うかもしれませんが(^o^))。

by Kim (2009-04-10 00:11) 

tobbyK

1日遅れのコメントでスミマセン。
いつもブログ拝見させてもらっています。
元救急、今呼吸器内科医です。救急車にもドクターカーのような形でよく同乗していましたので、救急隊のこともそこそこ分かるつもりです。

> 「CO2 kills slowly, but no O2 kills quickly.」Trauma Rules P.13, BMJ
これが正しいと思います。この点において、内科医さまがコメントされたことと私の認識は逆です。
PaCO2がいくら高くても、PaO2が保たれていればすぐ(少なくとも1日以内)には生命の危機はありません。この場合問題になるのはアシドーシスであり、どの程度の呼吸性アシドーシスでいつ頃生命の危機が生じるか、という点についてはまだ解明されていないのではないかと思います。数年前に「Permissive hypercapnea」について調べた際の記憶では、動動物実験で2~3日間は高度の呼吸性アシドーシスにおいても生存できたような・・・(AJRCCMの20年前くらいの論文。今手元になく適当でスミマセン)
逆に、PaCO2をいくらコントロールしても、PaO2が低ければ当然すぐに生命にかかわります。

救急隊に課せられた使命は患者のQOLや満足度の確保ではなく、あくまで救命だと思います。QOL・満足度は本当に難しい指標であり、救急の現場で適用すべき代物ではないと思います。まじめに診療している医師ですら訴えられる世の中ですので、危険すぎます。

>・困るのは抜管がなかなか出来なくて辛い思いをする呼吸器内科医だけである
こういう経験は確かに多いです。ただ、林先生の本や講習会ではたくさん勉強させていただいてますが、こういう言い方は救急医としては好ましくないと思います。「救急のDrはどうせ他科に振るだけだから」と専門科から言われそうな気が・・・何より、患者さんや家族だってそんな状況ではツライはずです。この点では内科医先生がおっしゃる事に賛成する部分があります。

いつも勉強になります。
また拝見させていただきます。

by tobbyK (2009-04-10 13:55) 

内科医

tobbyK先生

先生がおっしゃってるのは
急性呼吸不全の話では?
Trauma Rulesという論文名のようですし。

慢性呼吸不全の患者さんはPaO2が多少低くても
生存できている方が 無視できないくらい多いのが
現実ではないでしょうか?
(CO2がなかなか貯まってこない末期のIPの患者さんとか
典型的ですよね。)
何をもって低酸素というかによるでしょうけど。

極端な話をすれば
Pco2も慢性の方は100超えても 生存してますし
pHにしても 7.0を多少割っても 生きておられますよね。
でも そういう方はPaO2も安静時でも50台で
ちょっとでも動くとすぐに30~40ですよね。
それでも生存ということだけで考えれば
何とかなっているわけです。

私は救急車で病院に来るまでの間くらいは
慢性呼吸不全の患者さんは 耐性があるので
低流量酸素でもなんとか命は持ちこたえるんじゃないかという
お話をしたつもりです・・・
(搬送先が決まっておればの話ですけどね)
かえってそういうギリギリの方にSpO2を目安に
高流量酸素を救急車内で投与するほうが 命を守るという救急隊の
使命を考えるなら 危ないように思いますが・・・
いずれにせよ、途中で呼吸が止まったら COPDの人は
痩せている人が多いので 挿管せずとも
バック換気で行けるでしょうし・・・・

そのあとは病院について
考えればいいことですから
old Dr先生の言われるとおり
case by caseでしょうけど。

そもそも慢性呼吸不全の人は
SpO2があてにならないことも結構ありますよね。

いつもの流量プラス0.5~1リッター位で 病院までなら
なんとかなるんじゃないでしょうか?


by 内科医 (2009-04-10 19:21) 

Kim

tobbyKさん、コメントありがとうございます。

色々な考えがあり、私の考えも少し控えめに言わなければならないと反省しております。

救急の医者は他科にふるだけ、、、、確かにそうですね。私は救急専属になって1年経っていないのですが、まさにそう言った事を反省している所です。

これからも色々とご意見頂ければ幸いです。

by Kim (2009-04-10 20:14) 

Kim

内科医さん、コメントありがとうございます。

Trauma Rulesと言うのは本です。小さい本で、1ページに一つの格言が載っていて、解説も1ページにおさまっています。小さい本なので引用文献は載っていないのでした、、、

明らかにこういう治療を!と言うのはないので、ケースバイケースなのですが、そう言ってしまうと、、、、例えば一人で離島で当直しなければならなくなった不勉強な外科医(来週の私です(^.^))はCOPDの患者さんの救急対応ができません。専門医がいつでも近くにいるのであれば意見を求めれば良いですが、、、、

基本は酸素投与ですよ!で良いと私は思います。例外を認めない訳ではありませんし、、、、こう言った微妙な事もどんどん勉強して行かなければならないという事も分かっていれば、、、

by Kim (2009-04-10 20:19) 

Kim

ちなみに、Paul Mario先生の主張を後日アップしますのでお楽しみに!

by Kim (2009-04-10 20:20) 

tobbyK

コメントを頂きましたので、大変失礼ですが、Kim先生のブログというこの場を借りてお返事させていただく事をお許し下さい。

内科医先生

コメントありがとうございます。

今回のテーマは、私の今の専門分野の一つであるCOPDが題材ですので、それについてコメントさせて頂いたつもりです。「Trauma rule」の話も、呼吸不全が急性か慢性かに関係なく、「酸素が生命体にとって何より重要である」、というメッセージだと思います。慢性2型呼吸不全であれば、確かに高いPaCO2や低いPaO2に身体が順応していますが、やはり生体の機能維持にとっては酸素が第一だと考えます。

私も抜管困難なCOPD患者さんを受け持つことは多々あります。ご家族ともども、ゴールが見えなくなり疲れ果てる時もあります。ですので、「患者さんがCOPDでCO2貯留がある事を知っている医師の対応」、というお話であれば、今回の先生のお話は十分理解できます。

ただ、「救急隊やファーストコンタクトのDrに求める事」、としてはやはり難しいなぁ、と思います。
そして、先生のコメントに一つ理解できていない部分があります。

>高流量酸素を救急車内で投与するほうが 
>命を守るという救急隊の使命を考えるなら 
>危ないように思いますが・・・
>いずれにせよ、途中で呼吸が止まったら 
>COPDの人は痩せている人が多いので 
>挿管せずともバック換気で行けるでしょうし・・・・

同じ呼吸が止まるという現象でも、その原因が「CO2ナルコーシス」と「低酸素血症」では重大性が違うと思います。後者は脳幹の障害によるものであり、あわてて酸素化しても手遅れになる可能性があります。
先生のおっしゃられるように、酸素化がバギングや挿管でリカバーできるのならば、CO2ナルコーシスでの呼吸停止の方がベターだと思うのです。

救急隊が現場で呼吸不全の原因を診断する事は不可能ですし、ましてやCO2貯留の有無を知る事は出来ません。幅広い疾患の患者さん達に原因不明のまま対処せねばならないのですから、救急隊は「Airway, Breathing」の原則どおりの対応でよいと、現時点ではやはり考えてしまいます。彼らもきちんとトレーニングを受けていますし。

決してナルコーシスで呼吸停止して良いと言っているつもりはありませんし、その後を受け持つことを考えると正直気が重くもなります。。。それでも一つの指針がなければ救急は成り立たない、と考えています。

長文申し訳ありません。また、文章に失礼な点がございましたらご容赦下さい。まだまだ勉強中の未熟者であります。

大変失礼致しました。

by tobbyK (2009-04-10 22:11) 

内科医

え~と、
長々とすみません。

先生方も
しばらく様子をみる患者さんをご覧になる
機会が多くなれば
私の言いたいことが
少しは理解できるかもしれないですよ。
慢性の患者さんは結構強いです。経過を実際にずっと
見たことないと怖いと感じるかもしれないですけど。

私はCOPDの患者さんに
挿管し、抜管できなかったことは
1回しかありません。
挿管しても 次の日には
リハを開始し、肺炎や右心不全があればコントロール後
家族にICしてBiPAP。
それでもうまくいかない場合は肺機能の限界で
寿命とお話し、感謝されたことはあっても
もめたことはないです。私の上司がもともとCOPDの末期の人に
呼吸器をつけるのが大嫌いな人だったというのもありますが。

まあ、前にも書きましたけど
救急の現場では難しいですけどね。
オーバートリアージになるのはある程度
仕方ないです。
でも、救急隊が明らかなCOPDに高流量の酸素を
流すのは 一般的に禁忌とされていることを
彼らの判断で行うという意味で 反対です。
何もしなくて呼吸が止まるのは仕方ないですが
一般的に禁忌といわれることを(救急のドクターが言ったからという
理由で)あえて行い、呼吸が止まって
訴訟にでもなったらどうするのかなという思いはあります。
慢性の人は 呼吸さえしていれば
なかなか低酸素→脳幹障害にはならないです。
経験上ですから、中にはたまにおられるかもしれないですけど。
鍛えられてますからね。

全然違う話ですが
私は以前、外来でヘモグロビンが1.7という人を
見たことがあります。
胃癌でしたけど、病院嫌いで 無理やり家族が連れてきました。
血圧は100以上ありました。
さすがに輸血しましたがヘモグロビンが3になって
「いや~~~先生 すごく楽だ」と感謝されました。

慢性期の病棟を見てみてください。
たまたまレントゲンをとったら
縦隔が肺がんプラス胸水でずれてるけど
それでも慢性できているので 本人はけろっとしているとか
じわじわ大きくなった脳腫瘍でmidline shiftしてても、
まったく症状なしとか

結構ざらです。
そんなのを見ていると
「人間ってつよい」と実感します。
あくまでも「慢性」にきた人の話ですけどね。

また勉強させてください。では。
by 内科医 (2009-04-12 19:24) 

Kim

tobbyKさん、内科医さん、コメントありがとうございます。

同じ内科の先生ですらこうも考え方が違うのだな、、、、と非常に勉強になりました。

これからも色々とご指導頂ければ幸いです。

ちなみに、私は中小病院の医師ですので、救急ばかりしている訳ではなく、誰も診たがらない患者さん(先生が言われる慢性期の方がほとんどです)の主治医として働かせて頂いています。たぶん後者の仕事の方が多いです。ナトリウム100台と言う患者さんの診療もしております(正しく行えているかは分かりませんが)。

ご存知と思いますが、救急を熱心にやると、慢性期の受け持ち患者さんも増えます。ずっと主治医だった内科の先生が、救急車で来た(ずっと診ていた疾患の悪化でも)と言うだけで、入院後診てくれなかったりすることがあって辛いです(+_+)。

by Kim (2009-04-12 19:42) 

とおりがかりの内科医

興味深くコメントを読ませていただきました。

以下、私の印象です。

何回読み直しても、内科医さんのコメントは経験論のみで、議論のポイントも左右していて、分かりにくいです。それに少し感情的ですね。読んだあとの後味があまりよくないです。
とにかく、「慢性患者は強いので少しくらい大丈夫!」という主張でしょうか?日本の現状では、外科医・内科医どちらも必ず慢性疾患を経験していますので、みなさん似たような経験はしているとおもいますよ。今回はあくまで救急対応の現場で、の話でしょう。

で、COPDは、とりあえずSpO2を見ながらの酸素投与、そして血ガスでチェック、ですよね?「有無を言わさず高流量」ならちょっと困るかもしれませんけど、SpO2見ながらなら禁忌なわけがない・・・みなさんもこれを前提にお話しされていると思うのですが・・・
そもそも、「一般的に禁忌」と書いておられますが、良ければその裏づけも出してください(_ _)。そもそも、私の手持ちの資料にはどこにも禁忌と書いていない(GOLDのガイドラインも含め)、それどころか、ちゃんとO2投与しなさい!、と書いてある・・・

経験ももちろん大切ですが、理論や知識も同じように大切です。

ちなみに、私の施設の呼吸器内科では、抜管困難なCOPDの患者さんに気管切開を行い、時間をかけて栄養・リハビリして最終的に気管切開口閉鎖まで持って行っておられます。すごいな~と思っています~


by とおりがかりの内科医 (2009-04-12 21:20) 

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