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心静止に対するフラットラインプロトコールの行方 [CPRの基礎]

 心肺蘇生の講習会には、まだまだ不思議な呪文があります。今回はその一つを紹介しましょう。

 この患者さんは心静止です!えーっと、、、、心静止と決める前に「リード、感度、誘導」でした。
 胸骨圧迫は中断しないで!リードが外れていないか、、、、大丈夫です。
 感度を上げて、ちょっと胸骨圧迫を中断して下さい!やはりフラットです。あっ!すぐ再開して!!
 II誘導からIII誘導に変えて、もう一回圧迫中断!!やはりフラットです。やはり心静止です。
 心静止のアルゴリズムで治療しま〜す!!

 このような一連の作業はフラットラインプロトコールと呼ばれていました。今は何と呼ぶのか、やる必要があるのか??疑問に思いますよね。

 今回はこの事を考えてみましょう。問題点は3つあります。

・心電図でフラットライン=心静止としてはいけないのか?
・心電図でフラットラインだったが、実は心室細動だったと言うことはかなりあるのか?
・上記二つより、行う必要があるのか??

 まず「フラットラインプロトコール」と言う言葉は色々調べると今は言わないようですね。厳密に行う必要がないと考えられているのでしょう。

・心電図でフラット=心静止でないのか?
 心電図がまっすぐになっている状態をフラットとか、フラットラインとか、あるいは心電図を見てアレスト!と叫ぶ場合があります。心電図は電気の流れをベクトルとして、それを二次元のある座標だけを表示しています。普通に検査をすると12誘導(つまりは12の方向から)も心電図をとります(が、検査はほぼいっぺんにとれます)。心電図を撮る時に、両手足、胸に6つも電極を付けるのはそのためです。
 重症な患者さんの心電図を12誘導常に測定するのは困難なので、通常1つの誘導を観察します。よって、一つの心電図ではフラットになっているが、別の誘導で見るとちゃんと見えると言う事があります。ほそ〜い棒を横から見れば長いものだと分かりますが、本当に正面から見ると点となってしまい分からない場合があります。それと同じ理屈です。
 よって、心電図がフラットだったとしても、正面から見ているだけではないか??横からも見なければならない!と言う事です。
 心停止で助けられるのは心室細動のみと言っても過言ではありません。もしかしたら心室細動を焦面から見ているだけではないか確認するために、フラットラインプロトコールがあると言う訳です。
 が、心室細動のベクトルについては、G2000のACLSプロバイダーマニュアルのP.120に、VFにはベクトルがあるとする理論は、臨床的な研究では有意な確証は得られていないとあります。
 よってあまり気にしなくても良いのではないでしょうか。

・心室細動がフラットに見える事はどのぐらいあるのか?
 頻度については、細かい事を言い出すとキリがないのと、蘇生講習会は専門でない人のためにあるので、頻度の低いものは考えなくて良いとするのも一法かと思います。
 また、eMedicineには、2つの誘導で調べよとあります。しかし、3つの誘導で調べた研究が有り、心静止118例中3例(2.5%)しかVFと診断されなかったそうです。100例中3例程度にしかないものをルーチンに行うべきかどうか、、、、

・さあ、フラットラインを見たらどうしますか??
 結局はリーダーの判断となる訳ですが、大事な事は出来るだけ胸骨圧迫を中断しない事ですね。
 また、誘導を変えないと分からないような微妙なVfは、やはりCPRを2分間してからショックの方が良いと考えると、、、、、フラットラインプロトコールを厳密に行う必要はないのかな〜とも思います。

 またまたマニアックな記事でした。

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shiraisi

その会話のやり取りの意味が解った自分は、一昔前より進歩したのだと信じています。
ベクトルは、アイントーベンの三角形の事でしょうか?
by shiraisi (2009-05-25 23:23) 

Kim

shiraisiさん、コメント&nice!ありがとうございます!!

そうですね。今まで分からなかった事が分かるようになった、、、、進歩した証拠です!!

ベクトルはおっしゃる通りの事です。

by Kim (2009-05-26 00:14) 

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