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肺塞栓の予防(その3) [整形外科研修]

 一度始めると、とことん同じ事を追求し、あきるとすぐ忘れてしまいます(BLS-OPコースは忘れられていますね(^.^))。が、まあいいでしょう。

 肺塞栓の続きです。今回は薬剤を、、、、と思ったのですが、やっぱりもう少し薬剤以外を追求します。

 手術体位と言うのもありました。仰臥位が一番静脈還流の点では有利だそうです。が、整形外科では患者さんを横向けにしたりしなければならない場合もあります。脊椎の手術は最も危険の高い体位です(うつぶせになります)。手術は出来るだけ仰臥位で行うのが望ましいです。

 次は前回紹介した下肢の運動についてです。こちらは平井らが詳細に研究していて、以下のような事を行うと、総大腿静脈の血流が2倍以上になるそうです。

 足関節の自動背屈運動
 下腿のマッサージ
 足関節の底屈、背屈、底背屈
 足が輪を描くように動かす
 膝の裏をベッドに押し付ける

 下肢の挙上(15cm)では53%、深呼吸では38%、つま先を振るでは31%血流が増えるそうです。

 手術後はベッド上で足首を動かすだけでも良いと言う事ですね。飛行機の中でも同じです。

 文献 平井正文、岩田博英、温水吉仁ら:深部静脈血栓症予防における運動、弾性ストッキング、間欠的空気圧迫法の臨床応用. 静脈学15:59-66, 2004
 弾性ストッキングの効果については以前述べましたが、間欠的空気圧迫法と併用したら良いのではないかと当然思いますよね。これは議論の分かれる所のようで、良かったと言う報告もあれば、変わらなかったと言う報告もあるようです。が、弾性ストッキングにより下肢の血液量が減り、深部静脈の血流が低下するため併用すべきでないと言う意見もあります。
 また前述の文献によれば、弾性ストッキングは静脈内皮損傷を軽減する効果もあるので、両者の併用を禁止すべき根拠はないと言う事です。

 併用したために静脈血栓症の発生が増えたと言うデータが今のところ無いようで、両方使っても良いのでしょう。

 ちなみに、弾性ストッキングはしわの無いように履かせないといけません。しわがあるとその部分がターニケットの作用をし、血流障害を起こすからです。以前紹介した申し送りゲームでも、その点が評価され、早くてもしわがあると減点になっていました。宴会幹事の看護婦さん二人は元気なだけでなく勉強家でもあったのです(^.^)。

参考文献 整形外科術後肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症マニュアル ガイドラインに基づく予防・診断・治療の実際 富士武史編集、南光堂
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さうざんバー

肺塞栓は、怖いですね(--;)
私は実際には経験した事がありません(ただただラッキーです(^^))
知人に、帝王切開後に、羊水塞栓(肺)を起こし、亡くなるケースを経験していました。
弾性包帯をしていなかったそうです。

実習でも気をつけなければいけないと思います(^^)
by さうざんバー (2009-12-27 22:49) 

Kim

さうざんバーさん、コメント&nice!ありがとうございます。

大変でしたね。最近は深部静脈血栓症と肺塞栓は関係ないと言う説もあるようですね。それから羊水塞栓は弾性包帯とは関係ないですよ。

どちらにしても気をつけなければならないですね!

by Kim (2009-12-27 22:55) 

さうざんバー

勉強不足で、すいませんでしたm(--;)m
医療は日進月歩、精進を忘れる事無かれですね(^^;)
勉強、頑張ります(^^)
by さうざんバー (2009-12-28 00:53) 

Kim

サウザンバーさん、コメントありがとうございます。

こちらも間違っている事がありますから、どんどん教えて下さいね。

by Kim (2009-12-28 01:05) 

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