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食道挿管したらすぐにチューブを抜くべきか? [CPRの基礎]

 「食道挿管」と言う言葉があります。文字どうり食道に管を入れてしまったと言う事です。「しまった」と書いているのは、入れてはいけないのに入ってしまう事をさしています。

 気管挿管と言う非常に重要な処置があります。重症になった患者さんは、自分で呼吸が出来なかったり、気道を確保できなかったりしますので、体中に酸素を送るために気管に管を入れるのです。

 医師となって最初に覚えるべき重要な処置ですし、最近は救急救命士さんも行っています。

 その時に起こる最も怖い合併症の一つが食道挿管です。気管のすぐ後ろに食道の入り口がありますので、ある程度の確率で起こります。技術が向上すれば確率は下がって行きますが、ゼロにはなりません。気管の中に入れて空気を送りたいのですから、食道に入ってはいけません。

 食道に入ると胃へ空気が入り込み、換気や循環に悪影響が及びますし、胃液を吐いて肺に入ってしまう(胃酸が肺に入ると非常に厄介です)こともあり、絶対に避ける必要があります。

 心肺蘇生の講習会で気管挿管の手技を教えさせて頂く事がありますが、短時間でマスターして頂くのは無理です。入らなくてもいいので、入ったかどうかを確実かつ素早く確認できる事が重要ですとお伝えしています。

 食道挿管を発見する事については別記事を書きたいと思いますが、食道挿管は絶対に起こります。

 直ちに発見して対処しましょう。

 その時の対処は、直ちに食道に入ったチューブを抜き、バックバルブマスク換気をしばらくやってから再挿管すると言うものです。

 しかし、不勉強で知りませんでしたが、、、、、食道にチューブを入れたままマスク換気をしてやり直すのがベターの様です。こちらのビデオをご覧下さい(もちろん英語です)。

 確かに、食道閉鎖式エアウェイから気管挿管に入れ替える時には、「チューブを入れたまま気管挿管しましょう。食道にチューブが入っているので、誤嚥も予防できますし、食道挿管はかえって難しくなるでしょう。」などと教えています。

 食道挿管してしまった時にも応用できますね!

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はるかけこ

挿管はオペ以外は緊急が多いので、切迫感あるなかでの処置のため焦ってしまいがちな感じがします。

私は名徳にいた頃、何度か挿管の介助につきましたが食道挿管はなかったですよ。
by はるかけこ (2010-01-22 09:59) 

yoshi

私も、名徳OBです。

食道挿管は確立50%。
私は、いつも言います。
食道に入れば、「おっ、先生上手だね」
気管に入っても、「おっ、先生上手だね」
確認は、大事ですよね・・・。
後は、医者へのプレッシャーは最小限にですねぇ。
by yoshi (2010-01-22 10:45) 

Kim

はるかけこさん、コメントありがとうございます。

確かに病棟では気管挿管は緊急が多いので緊張しますね。看護師さんも緊張するでしょうが,医者はもっと緊張しています。はるかけこさんの笑顔はいつも癒されていましたよ〜。

食道挿管がなかったのは運がよい?だけです。あるいは当時の我々の腕が良かったんでしょう!後者にしておきましょうか(^_^)。

by Kim (2010-01-22 11:50) 

Kim

yoshiさん、コメントありがとうございます。

私の記憶が確かなら、、、、yoshiさんはこの場合の名徳には勤務されていないのでは、、、、ハブのいる島の事ではありませんがよ〜。

確かに上手だねと言われると気分がよいですし、治療がスムーズに行きますね!

by Kim (2010-01-22 11:53) 

yangt3

PTCDの時に最初の穿刺に失敗しても針を全部抜かずに置くとか
CTOの治療のアンテの治療の時に、最初のガイドワイヤーが
偽腔に入ってもそのままにして治療するとか(パラレルワイヤー)
似た考えの技術がありますね.
by yangt3 (2010-01-22 16:33) 

さうざんバー

お産のとき、小児科の先生立会いでの時は、新生児の挿管も難しく、よく入れなおしたりしていました。
その間に泣いて、声が聞こえると、”あっ(@@;)”と気まずい雰囲気が流れますが、ベテランの先生では、即座に入れなおして、挿管して、NICUに連れて帰ってくれます(^^)
それが食道挿管だったんですね(^^)勉強になりました(^^)
by さうざんバー (2010-01-22 18:36) 

Kim

yangt3さん、コメント&nice!(from Koria)ありがとうございます。

色々なテクニックがあるんですね。色々考えなければなりませんね!!

韓国海苔が私は好きです!!

by Kim (2010-01-22 23:52) 

Kim

さうざんバーさん、コメント&nice!ありがとうございます。

食道挿管は気付く事が重要です。すぐ気付いて、あるいは本当はちゃんと気管に入っていても、そう確信できなければ、すぐ再挿管が重要です。

子供の場合には気管に入っても抜けてしまう事も多いでしょうね。

by Kim (2010-01-22 23:53) 

エコピーマン

よく気管挿管のシーンは見ますが かなり難しい処置のようですね
誤嚥についても 人間は奇跡に近いタイミングで気管支/食道の開閉が
おこなわれているのですね 胃酸が逆流して気管支に入ると感染症・肺炎など引き起こすのですかね 手術などで口腔ケアが感染症予防に効果が
高いという認識も変わったきたようですね
by エコピーマン (2010-01-23 02:20) 

Kim

エコピーマンさん、コメント&nice!ありがとうございます。

気管挿管は簡単そうに見えますが、そう言うのが一番難しいです。ゆっくりやれれば良いのですが、急ぐ事も多くストレスがかかりますね。

人間の体はすごいです。

胃酸が肺に入るとやっかいです。大変予後が悪いです(治りにくい)。注意しないと行けません。

by Kim (2010-01-23 06:36) 

とりい

食道挿管の確率は思ったより高いようですね。

私の手元にある挿管直後のレントゲン写真がありますが、チューブは結構深いところまで入っているみたいで、気管か食道かはわかりませんが、診ていただけないのでしょうか。
by とりい (2011-08-13 22:52) 

Kim

とりいさん、コメントありがとうございます。

レントゲンを撮像したらすぐ見ますよ。

担当医師からレントゲンをもらっているということなんでしょうか?

by Kim (2011-08-13 23:22) 

とりい

Kimさん、ご返信ありがとうございます。

担当医師から、レントゲン写真の電子データをもらっています。
メールアドレスを教えていただければ送りします。
by とりい (2011-08-13 23:52) 

Kim

とりいさん、コメントありがとうございます。

今お元気なのですから、問題はないと思います。レントゲンの電子データを持っているというのは珍しいですね。

メールアドレスをお伝えする方法がないので、申し訳ありません。

by Kim (2011-08-14 10:59) 

Kim

とりいさん、コメントありがとうございます。

メールアドレスが書かれていたので、念のため削除して以下にコピーさせていただきました。


ご返信、ありがとうございます。

写真は産まれた1日目の赤ちゃんのもので、SpO2は挿管直前の77%から挿管直後の64%と上昇せず、その後SpO2測定不能となり数時間後に患児が亡くなりました。

写真はこちらからアクセスできます。少しコメントをいただければ幸いでございます。私のアドレス:

https://picasaweb.google.com/Mamoru.Torii/xyrXWK?authkey=Gv1sRgCPaVscWE7ML8Kw#5640647073882454338

by Kim (2011-08-14 20:17) 

Kim

写真見せていただきました。

確かに挿管が深いですし、その割に気管の分岐にそって横にそれていませんね。

食道挿管の可能性があると思います。が、挿管の確認法としてのレントゲンは勧められていません。挿管できたかどうかは診察などで確認すべきです。レントゲンは深さや位置を確認する方法です。

この場合には診察で気管に入っていると診断されているはずですから、、、、深いという判断になるでしょうね。


by Kim (2011-08-14 20:20) 

とりい

ご配慮およびご指摘、誠にありがとうございます。

おっしゃったとおりです。診察で確認すべきです。ただETCO2モニター等ような診察はカルテにはないですね。。。

挿管後にSpO2とHRが低下したため4回メイロンを投入されました。血液ガスは下記URLでアクセスできます。それぞれの測定時間は最右列から11:34、15:47、16:20です。挿管したのは16:05のことです。pCO2、HCO3、BEは短時間内に激変したのも見えます。

https://picasaweb.google.com/Mamoru.Torii/xyrXWK?authkey=Gv1sRgCPaVscWE7ML8Kw

また、もう一枚の写真は17:30頃に撮ったものですが、患児の右口元には胃に挿入されたチューブがあり、そこに血液が見えます。もし仮に食道挿管したとして、胃の出血との関係はありますか?

いろいろ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
by とりい (2011-08-14 21:02) 

Kim

とりいさん、コメントありがとうございます。

とりいさんのコメントの意図が私の想像するものであれば、申し訳ありませんが、お互い匿名のやりとりは避けるべきでしょう。

私は新生児を診ることがありませんので、詳しいことは分かりません。大変申し訳ありません。

by Kim (2011-08-14 22:31) 

とりい

Kimさん、いろいろありがとうございます。

赤ちゃんの死因はずっと謎でしたが、このブログを出会ってから1つの可能性を探り当てることができました。

弁護士経由で、一般の救命救急の観点からコメントをいただくことはできますか?

よろしくお願いいたします。
by とりい (2011-08-15 10:00) 

Kim

とりいさん、コメントありがとうございます。

大変申し訳ありませんが、私は重症な新生児を診たことがありません。気管挿管についてのことは分かるかもしれませんが、それ以外は分かりません。一つのことだけを取り上げてどうこう言うのは正しいことではないと考えています。新生児医療に関わっている先生でないと難しいと思います。

お役に立てずに申し訳ありません。

by Kim (2011-08-15 17:31) 

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