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破傷風の抗体が測れます(その2) [医学関連]

 昨日の続きです。

 破傷風の抗体を持っているか否かでテタガムの投与をするかどうかを決めましょうと言うお話でした。現在破傷風の抗体は外注検査で、1万円以上かかるそうです。

 が、TQSと言うキットを使えば、30分以内に結果が出る上、数百円ですむそうです。このキットは感度が低いようですが、特異度は高く、このキットが陽性であれば、テタガムの投与は必要ないと言う事になります。

 しかし、このキットはまだ日本で認められていませんので、普通の病院では使えません。早く認められると良いですね。

 講演で言われていましたが、テタガムを普通に投与する人は稀なんだそうです。私は稀な人間だったんですね、、、、知りませんでした。

 emergency medical journalと言う雑誌に載っていました。

「救急部での破傷風予防の改善、二重盲検法による費用対効果の研究」

背景:外傷患者に対する破傷風予防法の選択はワクチン接種歴を聴取する事により行われるが、これは信頼度が低い事が示されている。地域の破傷風の特徴などの知識とともに、迅速免疫アッセイ法(破傷風迅速スティック;TQS)を用いる事が、破傷風の免疫があるかを判定する方法を改善し、不要な予防投与を避け、費用を減少させる事に役立つかも知れない。

目的:破傷風予防法の選択においてTQSを用いる事を評価し、費用対効果の検討を行う。最終目的は救急部における破傷風免疫の評価を行うアルゴリズムを修正する場合にTQSをどこに位置させるかを決める事である。

研究方法:ベルギーにおける前向き二重盲検多施設試験である。611名の成人外傷患者である。498名(81.5%)のカルテが試験に用いるのに有効であると判断された。ワクチン接種歴を聴取する前に、看護師によりTQSテストが行われた。TQSテストの結果を知らない医師が、ベルギー高等保険院(Belgian Superior Health Council)で定められている正式なアルゴリズムにのっとって破傷風予防法を選択した。

結果:抗破傷風抗体が充分な血中濃度であった患者は74.1%であった。高齢者と女性では免疫能が低かった。TQSテストは、破傷風になりやすい傷があり、破傷風に対する免疫能がないと考えられる患者に対する費用対効果に優れた検査である。TQSテストを用いる事により不要な治療が避けられ、56.9%(95%信頼区間47.7%ー65.7%)の患者の治療の改善を認め、患者1人当りの費用が、TQSを用いると10.58ユーロ、用いないと11.34ユーロとなった。TQSテストは、61歳未満の患者において特に有用であり、不要な治療が76.9%(95%信頼区間65.8%−85.4%)の患者で避けられ、1人当りの費用が8.31ユーロ減少した。

結論:患者によっては、TQSテストは破傷風に対する免疫能を評価する費用対効果に優れた検査である。年齢とTQS検査結果によって評価する救急部でのアルゴリズムが提唱されて良い。


 TQSテストの結果でテタガムを打つかどうかを決め、トキソイドは5年経っていたら打っても良いのではないかと思います。保険診療で出来るのですから、、、、

 それから、何もなくても破傷風トキソイドを10年に一度ぐらい打っておくべきだと私は思います。


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Kim

最終接種から30年ぐらいは大丈夫だという説もあるようです。
by Kim (2012-05-30 10:05) 

fu-ra

はじめまして。
破傷風について調べていてこちらのブログにたどり着きました。

破傷風の抗体検査ってあるんですね。

高いですが、破傷風のワクチン接種を一回も
していない年代なので
予防接種をして安心したい気持ちがあり
また
薬剤アレルギーなので大丈夫なのかなと心配もあり
で悩んでいますので
抗体検査して、危ないとなったらふんぎりがつくのかな
と思いました。


by fu-ra (2014-02-18 16:50) 

Kim

fu-raさん、コメントありがとうございます。

予防接種をしていないのであれば、抗体はないと思って良いでしょう。薬剤アレルギーと言っても、全ての薬にアレルギーがある訳ではないでしょうから、大丈夫だと思いますよ。

私は破傷風トキソイドを何人もの人に接種していますが、一度もアレルギーを体験したことがありません。それだけで大丈夫とは言えませんが、頻度は非常にまれです。

安心して受けられて良いと思います。

しかし、破傷風の予防注射に興味を持たれているのはすごいと思います。周囲の人にも是非勧めてください。

by Kim (2014-02-18 22:54) 

fu-ra

お返事ありがとうございます。


検査するだけムダでしょうか。

四年ぐらい前から、普段使っているような
普通の薬が次々とアウトで思いがけず恐ろしい目にあい
疑心暗鬼になりすぎてて
本当は大丈夫なのに、心理的な問題でトラブルを起こす
可能性もありえるので情報収集してます。

それに、病気になってリスクを抱えながら
いろいろな薬剤を使うよりは、予防接種の方が良いと
いうこともあると思います。


破傷風については
中学の時の担任の先生のご友人が
靴擦れから破傷風であっという間に亡くなったそうで
学年中何度もその話をされ
「君たちは予防接種を受けていないから受けるように」
っておっしゃっていました。
その頃から気にはかけていたのですが
いまだに受けていないのです(汗)

怪我をするたびにこの話を思い出してはどきどきしているので
予防接種をさっさとすませたほうが
精神衛生上良さそうな気がして…


アウトドアが趣味で登山や沢登りに行ってる友達や
園芸好きな親戚もいるので話してみます。
大勢で連れ立って行けば怖くないかも…

専門医の方の「大勢」は桁が違うと思うので
ほぼ大丈夫と思って良いんでしょうね。
ありがとうございます。


とりとめもなく長文ですみません。


by fu-ra (2014-02-19 16:39) 

Kim

fu-raさん、ご心配ですよね。

抗体がもしあれば、接種は必要ないので行っても良いでしょう。
ただ、破傷風の抗体は自然に得られるものではないので、普通は抗体がありません。だから検査はしなくても、、、、、、と思いますが、採血するだけですので、それで安心するのであればやって良いと思います。

アレルギーが出るかどうかは、なかなか分かりませんので難しいところです。

by Kim (2014-02-19 17:57) 

fu-ra

kim先生、ありがとうございます。


こちらのサイトでは私の年代は25%ぐらいでした。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/y-graphs/2128-tetanus-yosoku-year2008.html
私はたぶんないですよね。
消防や自衛隊等、職業で接種しないといけない方や
事故等で接種した人も含まれての人数だと思います。

人口何十万人のうち患者が何人という
記述を見かけますが
予防接種を受けて抗体がある人を除外したら
「抗体がない人」の罹患率は高くなるのではないでしょうか。
そう考えると破傷風の罹患率は決して
低くないように思います。
厳密には「抗体がないと思われる人」に対しての
「患者数」だと思うのですが。


アレルギーは「なる前」には分からないので怖いですね。
副反応が出た人は二回目以降は接種をしないか
量を控えるそうですが、それでも全然しないよりは
良いのでしょうか?


主治医にも無駄って言われそうですが
とりあえずは
抗体検査を相談してみようと思っています。

by fu-ra (2014-02-22 14:10) 

Kim

fu-raさん、コメントありがとうございます。

まず抗体検査は自費になると思いますが、主治医の先生と相談されるのが一番です。ネットや本にあるのは一般論です。恋愛論と同じです。相手にどう対応するかは、やはり色々です。

それから、破傷風は報告されていないものもあるかも知れませんが、私は医者をしていて22年になりますが、一度も初診で診たことはありません。見逃しただけかも知れませんが、、、、、、非常に少ないです。毎年100人前後発症しているとの報告ですが、半分しか報告されていないと考えても、1億人に200人です。何%なのかよく分かりませんが非常に少ないです。破傷風の抗体を持っている人が何人なのか、、、、、もわかりませんが、どちらにしても非常に低いです。

何故予防をするかというと、破傷風のもつインパクトが激しく大きいからです。インパクトとはその事柄の与える影響の大きさです。富士山が噴火すると言う事に例えても良いでしょう。頻度は低いでしょうが、もし富士山が噴火したら、、、、、、いいんじゃない、いつあるかわからないし、、、、、と言う人もいるでしょうが、対策をしたくなる人の方が多いと思います。

破傷風はそんな感じです。

by Kim (2014-02-22 14:48) 

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