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PALSコースの紹介 [講習会]

 心肺蘇生の講習会と言えば、ACLSやICLSが有名です。前者はアメリカ心臓協会の、後者は日本救急医学会のものです。内容は基本的には同じです。元になった文献が同じなので、、、、、色々なバリエーションがもちろんありますが。

 これは大人の蘇生について学ぶ物で、小児や妊婦さんについての講習会もあります。アメリカ心臓協会(AHA)のPALSコースは、小児の二次救命処置について学びます。ACLSの小児版と思っていましたが、内容はだいぶ違います(もちろん小児のACLSも出てきます)。小児は(大人もなんですが)心停止になると助かる率が非常に低いために、心停止にしないようにと言う点にポイントがあります。

 グループによるディスカッションと実技で色々な患者さんへの対応を学びます。

 また、"Coping with death"と言うビデオを見ていただく場合があります。copeとは生協のことではなく上手く対応するみたいな意味です。死と上手く対応すると言う意味ですね。蘇生の勉強会で死を扱うって珍しいかも知れません。

 eMedicineと言う無料の教科書(英語ですが)があるのですが、そこにもありました。

 AHAのガイドライン2010を紹介します。

 「蘇生の現場に家族が立ち会うことについて」
 心肺蘇生の現場に家族が立ち会うことが増えている。多くの家族が自分の子どもの蘇生の現場に立ち会うことを希望する。いくつかの研究で、蘇生の現場に立ち会った家族は、他の者にもそれを勧めると述べていることが報告されている。慢性疾患をもつ患児の両親は、病院施設や緊急処置を見慣れているが、健康な家族は愛する者のそばにいて、最後の時間に別れを告げたいと考え、それが死に行く家族にとって意味があり、残される者にとっても有益であり、悲しみを回復する過程に役立つと報告されている。心理学的な実験では、蘇生現場に立ち会わないのと比較して、家族が蘇生に立ち会うことは、不安が少なく、鬱状態になるリスクも低く、より建設的な悲しみの行動へと繋がる事が示されている。家族はしばしば、質問することが出来ないが、医療従事者は、ことある毎にその機会を設けるべきである。可能であればいつでも、家族が小児や乳児の蘇生の現場に立ち会う機会を与えるべきである(Class I, LOE B)。

 一般的には、蘇生に家族が立ち会うことは、混乱の元ではないし、医療スタッフにストレスをもたらすものではないし、蘇生の質に悪く影響することはない。もし、家族の存在がスタッフに過度なストレスをかけたり、蘇生に悪影響を与えると考えられる場合には、その場を離れるように指示すべきである(Class IIa, LOE C)。全ての蘇生チームのメンバーが家族の存在に気を配るべきであるが、専属の担当者が家族の気持ちに配慮し、質問に答えたり、サポートしたりすべきである。

 日本でそのまま行って良いかと言えば、難しいです。日本のガイドラインには以下のようにあります。

「家族の立ち会いに関しては、わが国特有の文化、社会的背景、すなわち急性期医療の現場に市民が立ち会うことは決して一般的ではないことや、医療従事者と家族間に存在する知識の解離に関して配慮するべきである。また、家族の存在が適切な蘇生行為遂行の妨げになることのないような配慮も必要である。」

 その前にはAHAと同じような事が書かれており、クラスIとなっているんですが、、、、、一体どっちやねん!
 あっ、「小児/乳児の蘇生時の家族の立ち会いに関して、家族の希望を確認する機会を設けるべきである」となっていますね(JRC蘇生ガイドライン2010P.178)。

 ネットだと暫定版ですがほぼ同じです。P52にあります。

 皆さんは、もし愛する家族が亡くなりそうな時、蘇生の現場に立ち会いたいですか?いつか必ずその時が来ますので、考えておきましょう。


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医学生女子

先生、こんにちは!

毎日暑いですね・・・(汗)


私は家族の蘇生の現場に立ち会いたいです

できれば自分も現場の医師や看護師の方々とともに蘇生行為に参加したいと思います
これはもし自分が医師になったとき(医学生の今も)には、すごく重要なとこだと思います


それと先生に質問ですが、一般の方がACLSの講習を受講しても良いのでしょうか?

内容的にはかなり専門的になっているので、一般の方にはちょっとミスマッチの感じがしますが、ご本人が自分のスキルアップと自己啓発の一環として受講を希望される際は、可能なんでしょうか?

一応、ACLSの対象者は「医師、看護師、救急救命士、その他メディカルスタッフ」となっていますが・・・

もちろんBLSのコースを受講して合格していることが条件ですけどね

by 医学生女子 (2012-08-06 12:28) 

Kim

医学生女子さん、いつもありがとうございます。

まず先に質問の回答です。おっしゃるとおりで、BLSを受講されていれば、ACLSを受講することは誰でも可能です。ただ、医療従事者でない方には、薬とかなかなか大変かも知れません。医学生女子さんが事前勉強をしてあげれば大丈夫でしょう。なんなら私も参加させて頂きます。

私も同じようにせっかく医者になったのだから、家族が病気になった時は力になりたいです。今のところあまりそう言う機会はないのですが、、、、ただ、やはり家族の診断は難しいようで、よく言われるところですね。蘇生の手伝いは出来るかどうか、、、、分かりませんが、やらなければならないと思います。

毎日暑いですが、充実した毎日を送っておられるようで、夏ばてしないよう頑張ってくださいね!

by Kim (2012-08-07 10:11) 

医学生女子

先生、ありがとうございます(^^)

質問した一般の方というのは・・・実は私の父です

父も医学部を目指していましたが、国立大学に落ちて私立の医大しか受からなかったので、経済的理由で医学部は諦めたそうです・・・

でも理科系の頭で化学が得意なので、薬の成分をみると構造式が頭に浮かぶそうです(^^;)

父も先生のブログを見ていますが、恥ずかしいみたいで私に「Kim先生に質問しろ」って言います・・・


あと夏休みに豊中に行くのは・・・中止になりました(+_+)

豊中の親戚が私の家に来るそうです・・・
姉に子供が生まれて、里帰り中なので、赤ちゃんを見にこっちに来るみたいです・・・

せっかく切符まで用意したのに・・・

でも私は密かに11月頃に学校をサボって先生に会いに行こうかな、って思ってます(^^)


by 医学生女子 (2012-08-07 18:04) 

Kim

医学生女子さん、そうなんですね。素晴らしいです!

お父さんと一緒に受けられてはいかがでしょうか。きっと地域の担当者は喜ぶと思います!鉄道が好きなインストラクターもいますし。

11月お待ちしています!

by Kim (2012-08-07 19:42) 

医学生女子

先生、ありがとうございます


父は「お前と一緒に受講するのは嫌だ!」って言います

理由は・・・

私が合格して、父が落ちるのが嫌だそうです・・・

やっぱり男の人は、かっこつけたいんですね(^^)


私も父と一緒は、ちょっと恥ずかしいので・・・


それに自己負担だと受講料も二人で8万円以上(教科書は共同で使うとして)しますので・・・

今回は父に受講の権利を譲ろうと思います(^^)


by 医学生女子 (2012-08-08 19:28) 

Kim

医学生女子さん、コメントありがとうございます。

そうですね。誰でもそう言う気持ちはあると思いますよ。

お父さんに色々教えてあげてくださいね!

by Kim (2012-08-08 19:34) 

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