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過換気症候群に注意しましょう [研修医教育]

 今回は過換気症候群についてです。以下の救急科専門医筆記試験の問題を5秒で解けた方はこの記事を読む必要はありません。悩んだ方は是非お読みください。

平成22年度問題53
 22歳の女性。呼吸困難で来院した。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air)の結果を示す。過換気症候群以外の病態を疑う根拠となる所見はどれか。1つ選べ。
(a)pH 7.523
(b)PaO2 70.2Torr
(c)PaCO2 24.8Torr
(d)HCO3- 23.8mEq/l
(e)BE-1mEq/l

 答えは(b)です。A-aDO2を計算すると、(760ー47)×FiO2ーPaCO2÷呼吸商ーPaO2ですから、47程度になり、正常値は年齢の半分以下ですから、22歳の女性としては高いので酸素化能障害があります。過換気症候群ではA-aDO2は開大しないはずです。
 ちなみに、(a)と(c)ですが、PCO2が1下がるとpHが0.008上昇しますから、PaCO2が15.2低下したとすると予想されるpH=7.4+0.008×15.2=7.5126となり、ちょうど良いぐらいの値です。

 過換気症候群の患者さんが来院されたら、過換気は原因なのか結果なのか?を、きちんと考えなければなりません。低酸素によってPaO2が低下したのを少しでも改善しようとしてPaCO2を低下させているのか?PaCO2が低下しているだけなのか?です。酸素化能障害がなければ、PaO2は通常100を越えています。PaO2=150ーPaCO2÷呼吸商ーA-aDO2なわけですから。

 よって私は過換気症候群の患者さんが来られたら必ず血液ガスをとっています。異論があるとは思いますが、酸素化能障害を見落とさないためです。ある本には、SpO2が97%でも肺塞栓だったという症例が載っています。気をつけたいですね。


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