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救急隊員は研修医とは違います。 [研修医教育]

 よく間違えている人がいますが、救急救命士さんと研修医は違います。救急救命士さんは、質の高い搬送を目指しています。我々医師とは目差しているところが違います。もちろん、究極は患者さんの満足ですから、目差すところは同じなんですが、我々はお互いの役割が違います。救急救命士さんは研修医ではないので、あれやってない、これやってないは可哀想なんです。研修医の先生にもあれやってない、これやってないは可哀想なんですが。

 極論を言えば、救急救命士さんは搬送に必要のない情報は得るべきではないです。
 家族がいるかどうか、既往歴は、リスクファクターは、歩けるかどうかなど、病院の選定、病院までの搬送に絶対に必要な情報ではありません。胸痛を訴えているのに心筋梗塞が診られない病院へ搬送するのは良くないと思いますし、麻痺があって脳梗塞っぽいのにtPAが出来ない病院へ搬送するのもどうかと思います。医師は色々な情報を聞いて診断をして治療をするのが仕事ですが、救急救命士さんは、患者さんを適切な病院へ搬送するのが仕事です。脳梗塞疑いで発症から30分であれば、これはtPAの出来る病院へ運ぶ以外にありません。実は糖尿病性ケトアシドーシスだった、アルコール依存症で意識レベルが低下していてただ指示に従えなかっただけだったとしても、これは許容せざるを得ません。オーバートリアージと言いますが、重大で時間との勝負な問題を優先します。

 よって、病院で救急車を受ける医師は、ある程度の情報不足は仕方ないと思うしかないです。リスクファクターが必要であれば自分で聞けば良いです。心筋梗塞の疑いだって言ってたけど、気胸だったじゃないかって怒っても仕方ありません。

 救急隊の方々は一体どんな風に患者さんの現場へ行き、どうやって連れてきているか想像しましょう。冬の群馬は強風が吹き荒れます。交通事故などの事案では寒くて寒くて大変でしょう。夏の群馬は超暑いです。長袖を着てヘルメットをかぶってトイレも自由に行けず、コンビニによることも出来ず、、、、、、、、搬送時間は短くしなければいけませんから、急いで病院へ連絡し、家族や患者さんにも気を遣い、周囲の野次馬にも注意し、3人という少ない人数で超太った人でも車に搬入して処置しながら病院へ来るのです。
 聞いた話では、着いたとたん、酔っ払いの人に、来るのが遅いんだ!って絡まれたり、搬送中に目覚めた患者さんに殴られたり、色々大変なお仕事です。
 そんな時に、既往歴や内服歴、リスクファクターとか聞いてなくたって、今から聞いたら良いじゃないですか。現場でしか分からない情報がとれてなかったとしても、仕方ないじゃないですか。これからどうするかを考えませんか。

 救急隊の方は熱い方が多いです。病院スタッフと同じで、全ては患者さんのためにと思って頑張っているんです。病院で受け入れる仲間から怒られたりしたら、可哀想すぎます。大変でしたね、お疲れ様でした!ぐらいは言うようにしましょう。

 と言う私も出来ているかと言えば出来ていません。一番読ませたいのは自分です(^^)。



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