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急変したかなと思ったら舌を出してもらいましょう [研修医教育]

 こちらの記事の再掲載です。少し改変していますが。ブログは同じ事を何度書いても良いんだと伺ったことがありますし、9年前の記事なので再掲載です。

 私は救急車で来院された患者さんや、状態が悪そうな患者さんを見つけたら、「あっかんべー」をしてもらいます。私は舌フェチではないので、医師として科学的な根拠を持ってやってもらっています。理由について、ちょっと長くなるかもしれませんが、読んで頂ければと思います。

 結論から先に言えば、患者さんに「舌を出してください」とか「あっかんべ〜をしてください」と言って、やってくれたら、とりあえず安心できると言う事です。

 患者さんに「あっかんべー」をして下さいと言って、ちゃんと出来た場合、3つの事が同時に確認されます。

(1)自分で気道確保が出来る(呼吸が出来る)
(2)脳の大きな障害はない
(3)指南力が正常である

 おっと、もう一つありました。耳は聞こえている、、、でしたね。他にも当たり前ですが、日本語が理解できると言う事も確認できます。3つありますと答える理由は別に書きます(明日アップ予定、前にも書きました)。

 上記の事が直ちに確認できるので、緊急の現場では非常に有用です。舌をちゃんと前に出せれば一安心です。皆さんも是非実行してみて下さい。

 以下に一つずつ説明します。

(1)気道が確保されている
 意識がおかしい人は、舌が背中側に落ち込んで気道が閉塞します。本などで見て頂くと良いですが、舌はかなり大きな肉の塊です。脳の指令で色々な作業をさせている訳ですが、脳がちょっとでもおかしくなると舌の機能が障害されます。しかし、自分で舌を前に出せると言う人は、舌が落ち込んで気道を塞ぐと言う事はありません。よって気道閉塞に対する緊急処置は不要です。

(2)大きな脳障害はない
 舌を前に出す(あっかんべー)と言う動作はかなり複雑な動きです。何故かと言えば、筋肉は縮む事しか出来ないので、通常は前から引っ張らないと出てこないはずです。なのに前に出ると言うのは、細かい事は知りませんが、とにかくかなりすごい事で、脳の色々な指令を受けて行っているようです。よって、ちょっとでも脳が障害されると、舌を前に出せません。左右によってしまったりします。舌をちゃんとまっすぐ前に出せる人は、脳の機能がかなり機能していると言う事が分かります。

(3)指南力が保たれている
 例えば、私が今から皆さんに会いに行って(嫌ですよね(^.^))、「初めまして、木村です。挨拶代わりにあっかんべーをしてもらえませんか?」と言ったらやりますか?やらないですよね。やるとしても少しの時間迷います(そんな人いないか)。なのに、患者さんはやってくれます。それは、今自分が置かれている状況をきちんと理解しているからです。これを指南力と言います。時間と場所、人に対する指南力があるそうです。ここはどこ?私は誰?ってやつです。
 自分は患者であり、例えば救急車にさっき乗せられてここに来た。私が今いる所は病院であり、自分に舌を出せと言っている年齢不詳の(?)白衣を着た男性は医者であろう。医者が言うことは素直に聞かないとダメだろうな、、、と言う事です。

 よって、救急車でやってきた人に「あっかんべー」をさせる事はかなり有用ですので是非やって頂き、カルテに記載しておくと、それだけで上記の3つ(あるいは5つ)を確認したと言う証拠になります。

 合コンなどで有用かどうかは、エビデンスレベル未確定ですので、どなたか研究して頂くと嬉しいです。が、もし出してくれたら、かなり自分に好意を持ってくれているか、ただの変態か、かなり酔っぱらっているか、、、、どれでしょうかね。


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