So-net無料ブログ作成

死因はどう決まっているのか? [医学関連]

 最近亡くなられた芸能人の方が、急性心不全で亡くなったと言うことで、急性心不全って何だ?とか色々言われています。急性心不全とはどんな病気か?について議論することは、少なくとも一般の人には意味がないことだと思いますので、何故そんな死因を公表したのか?疑問に思いますが、その理由は以下のどれかだと思います。いつも3つです

・死亡の原因が分からなかった。
・詳細を公表したくない。
・死亡診断書を見た人が死亡診断書の見方が分からなかった。

 何故そうなったのか、死因はどう決まっているのか書いてみます。

 死亡診断書はどのような書式か、例えばこちらをご覧ください。医者(死産児であれば助産師も書けます)が右半分を書いて、患者さんの家族の方が左半分を書いて、お役所に提出します。

 注目して頂きたいのは、死亡の原因にIとIIがあると言うことです。そしてIはアーエの四つあります。

 先に結論を述べると、死因として統計に載るのは、通常Iの一番下です。死因は全部埋めなければならないという決まりはないので、Iが一つだったらIのアが死因として人口動態統計と言う統計に入ります。Iが4つであれば、Iのエが死因になります。詳細は厚生労働省の出しているこちらの資料のP.19をご覧ください。

 急性心不全と言う死因が発表された理由の一つ、読み方が分からなかったのでは?と言うのはここにあり、一番下を死因にするのに、一番上を死因と思ってしまった可能性があります。

 例えば、心筋梗塞で亡くなった場合は、ある先生は以下のように書きます。

 I(ア)急性心不全
  (イ)致死性不整脈
  (ウ)急性心筋梗塞

 統計上の死因、そしてたぶん有名人の方であれば、発表される死因は心筋梗塞でしょう。
 別の先生は以下のように書くかも知れません。

 I (ア) 急性心筋梗塞

 えっ!これだけ??そうなんです。それでも良いんです。統計上は同じですから。いや心筋梗塞だけじゃ死なない場合もあるからとか、色々議論はあると思いますが、どちらにしても普通に言われる死因は同じです。一番下が死因となることを覚えておきましょう。
 ちなみに、一番上の死因はたぶん、肺炎やそれによる呼吸不全が多いと思います。何らかの原因で体調が悪くなり、肺炎を起こして亡くなる方が多いですが、それは人口動態統計には入りません。以下のような場合もあります。この人の死因は脳梗塞になります。

 I(ア)急性呼吸不全
  (イ)急性肺炎
  (ウ)廃用症候群
  (エ)脳梗塞

 最近、石原さとみさんが法医学者役のドラマが流行っていて、私も見ていますが、あのように死因はそう簡単に分かるものではありません。そしてほとんどの人が、きちんと調べられないまま死亡診断書を書かれています。先進国中最悪の状態です。これを改善するには、人もお金も必要です。どうするべきか?是非考えて頂くこととして、、、、、、

 噂の急性心不全は、出来るだけつけるべきではない病名として厚生労働省から指導が入っています。老衰も同じです。しかし、そうとしか書きようがない場合が多いです。

 よって、芸能人の方の場合、他に何も見つからず、急性心不全と書くしかなかったと言う理由も考えられます。つまり以下のような記載です。

 I(ア) 急性心不全

 死因が不明な場合、監察医制度が整っている大都市(このような精度が整っているのは、東京23区と大阪市、神戸市ぐらいです)であれば、解剖されることになりますが、千葉だったようですし、解剖はされていないでしょう。

 以下のような風だったのですが、死因を公表したくないから、急性心不全という病名が発表された可能性もあります。

 I(ア) 急性心不全
  (イ) 致死性不整脈
  (ウ) 急性心筋梗塞
  (エ) 急性大動脈解離

 この場合だと、死因は急性大動脈解離になります。あくまで原則ですが。有名人の方の死因は、あまり追求しなくていいと思いますので、これ以上は書きません。死因はどのように書かれて、どのように統計に組み入れられ、どのように公表されるか、少しご理解頂ければ幸いです。

nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。