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心電図モニターをつける理由を考え直しましょう [医学関連]

 7年ほど前に書いた記事の更新です。

 心電図モニターは何のためにつけるのか、どんなことが分かって、どんなことが分からないのか、良く考えましょう!と言うのが今日の言いたいことです。決してモニターをつけてはいけないと言う事ではありません。

 以前の職場で、癌の末期で貧血が進行した人に入院してもらったところ、看護師さんが「重症貧血のため心電図モニターを装着」と書いていました。まあ、いいんですが、貧血の人に心電図モニターをつけると言う記載に疑問を抱かないのかなあと感じました。10時間ぐらいかけて車で移動する場合、ガス欠のランプがつくかどうかチェックするという感じです。それよりも、目的地までは何キロあって、この車はリッター何キロ走る、ガソリンは今満タンにして、A地点でガソリンを給油、、、、、、の方が的確です。ガス欠のランプがついた時には、もうエンジン停止直前かも知れません(JAFの雑誌に書いてありましたが、ガス欠ランプはつかないことも多いんだそうです)。

 心電図モニターは過去の記事にも書きましたが、不整脈しか分かりません。血圧がどうかは分かりませんし、貧血がどのぐらいかも分かりません。SpO2を一緒につければ酸素飽和度が分かりますが、酸素飽和度も一部のデータです。患者さんは重症になれば、必ず不整脈が出るというのであればいいですが、無脈性電気活動と言うのがあるように、心電図は問題なくても心停止している人だっています。モニターは患者さんのデータの一部でしかありません。
 以前の記事に対して、現場を分かっていないとか、色々意見を戴きましたが、それが危ないと言いたいのです。人手が足りないから重症な患者さんの観察を怠って良いことはないですし、モニターをつけたら患者さんを診る回数を減らしていいということはないのです。もちろん人手が足りない現場はたくさんあって、大変なのは分かります。でも、それで仕事の質を落として良いと思うのは良くないと思います。

 心電図モニターを装着するような人は重症な人であり、頻繁に診に行く必要があります。が、心電図モニターのアラームが鳴っても対応しない場合があります。それほど少なくはありません。何しろ私が頻繁に目撃するのですから。
 アラームが鳴っても対応しないのであれば、モニターの意味はありませんよね。何しろ重症な人につけており、アラームは危険を教えてくれる(それも相当な危険の可能性)のですから。それを診ないならつけない方がいいと思います。検査は、それによって行動が変わるから検査するのです。ただ記録するための検査は必要ありません。アラームが鳴ったら直ぐに患者さんの所に出向く。これをしないのであれば、モニターは必要ありません。

 ACLSで以前よく講義に出てきた言葉を紹介して、この記事を終わりたいと思います。

Treat a patient, not the monitor!(モニターではなく、患者さんを治療しましょう!)

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