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1号液を救急外来で使うのは有用か? [研修医教育]

 点滴は色々な種類があってどう使い分けるのか?難しいですよね。それをややこしくしている原因の一つは1号液などがあるソリタです。病院によってソルデムとかでしょうね。これは日本にしかない薬剤だって知っていましたか???そうなんです、この何号液というのがくせ者なのです。極論を言えばこれらは使わなくて良いです。点滴をスムーズにしたい方は、生理食塩水とブドウ糖液だけにしても良いと思います。必要な成分は追加すれば良いのです。

 しかし、小児科の先生に多いようですが、とりあえず1号液をと言う場合があります。今回はこの事について考えてみましょう。ポイントは二つです。

・カリウムフリーである。
 この輸液の一番のウリはカリウムが入っていないと言うことです。カリウムが高い人にカリウムを投与したらまずいと言う事です。カリウムが入っていない輸液は生理食塩水もブドウ糖もあります。カリウムを入れたくないという理由だけで1号液を使う理由はありません。
 例えば、生理食塩水のデータですが、かえってカリウムが高くなったという報告もあります。1号液には乳酸が含まれていて、pHは3.5〜6.5です。血液が酸性になると、それを最小限にしようと細胞内に水素イオンが取り込まれ、その代わりにカリウムが放出されます。カリウムを高くしたくないから1号液を選んだのに、カリウムが上昇しないのか?良く考える必要があります。

・浸透圧が低めである。
 この輸液は、ナトリウムが90mEq入っています。生理食塩水は154mEqのためにやや薄くなっています。言い換えれば、生理食塩水にブドウ糖が混ぜてあると言う事です。来院された患者さんが循環血液量減少であれば生理食塩水などが必要で、水分の不足であればブドウ糖が必要だから、一度に両方を入れちゃえ!みたいな感覚なのでしょうか?何故両方を別に入れてはいけないのでしょうか?患者さんが循環血液量減少と水分の不足の割合がいつも一定なのでしょうか?

 救急外来に来られる患者さんの多くは循環血液量減少ではないでしょうか。だから生理食塩水や乳酸リンゲル液が、開始液として適切ではないかと感じますが、いかがでしょうか?

 以下の本のP.185にも書かれています。是非お読みください。


ER・ICU 100のdon'ts-明日からやめる医療ケア

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  • 出版社/メーカー: 中外医学社
  • 発売日: 2016/12/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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