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言い訳をきいてください [医学関連]

 言い訳と言えばこれです。ひらがなで「いいわけ」のようですね。



 さて、混雑した救急外来を受診して、誤診をされたという患者さんがおられるでしょう。今日はそれに対する言い訳をさせてください。が、最初に言っておきますが、それでも我々救急医はプロですから、間違いを犯さないように注意をしています。が、、、、、、、、と言う言い訳です。

 先日の救急科専門医セミナーで、ある先生が、救急外来はウォーリーを探せ!のような物だと言っていました。とても的確な例えだと思ったので今日の言い訳に使わせてください。

 救急外来では、たくさん来院される患者さんを一人一人診療させていただきながら、重大な疾患を見落とさないようにと言う事が大切です。申し訳ありませんが、風邪の患者さんに丁寧に対応するとか、癌などを見逃さないようにと言う様な事は二の次です(もちろん軽視しているわけではありません)。つまりは重大な疾患をウォーリーに例えて、ウォーリーを探している訳です。
 ウォーリーを探せ!と違う所は、救急外来ではウォーリーはいるかも知れないし、いないかも知れないと言う事です。絵本では必ずウォーリーがいるのですが、救急外来ではだいだい200人に一人と言われています(明らかな重症疾患が無いと判断された患者さんの中に、実は重大な疾患があったと言う頻度が0.5%程度と言われています)。

 つまり、こういう事です。ウォーリーを探せ!を2000枚作って、その中に10枚だけウォーリーがいて、後の1990枚にはウォーリーがいないようにします。そして、それらをランダムに1枚ずつ見ていって、ウォーリーがいる、いないと判断していくような作業が救急外来です。

 例えばこうしましょう。今17時です。今から3時間は10分ごとに1枚、20時から24時までは30分ごとに1枚、5時までに1時間で1枚、8時までにまた30分に1枚、ウォーリーがいるかどうか分からないウォーリーを探せ!をやるように担当者に指示されます。時間は適当であり、担当者の気まぐれですが、だいたいこのぐらいはやるべきだと指示されます。あなたはウォーリーを探せ!をしていない時間は何をしても自由です。もしかしたら担当者が忘れて、次の作業は2時間後かも知れません。
 たぶん40枚近くのウォーリーを探せをやります。その中に1枚もウォーリーがいないかもしれませんし、もしかしたら全部にいるかも知れません。

 これが救急外来なのです。ウォーリーがいれば、いたと言う事で簡単ですが(本当は病気は一つとは限らないので、見つけたら終わりではないのですが)、いないと判断するのはとても難しいです。宇宙人やサンタクロースがいないという事を証明するのは論理学的に不可能だと聞いたことがありますが、同じように患者さんに重大な病気はないという事はとても難しいです。
 そして夜中に定期的に起こされて、難しい判断をする事はとても大変です。最初に言ったように、もちろん我々はプロですから、メガネをかけている人がいないかチェックするとか(ウォーリーはメガネをかけていますよね)、縞模様をチェックするとか、やり方は学んでいますが。

 ミスをしないように努力を続けていますが、ミスをしたとしても、少しは許容していただけたら幸いです。

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