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心肺停止の原因の覚え方(更新) [CPRの基礎]

 こちらの記事の更新です。

 心肺停止の原因を突き止めることが要求されます。2015年のACLSテキストにもHとTは載っています。以前数が少し減った記憶がありますが、5つずつ10個あります。以前覚えた覚え方が完成しましたので紹介します(^^)。

A アシドーシス
K 薬、薬物中毒
B Bleeding、循環血液量減少

S 酸素、低酸素
K 緊張性気胸
E embolism、肺塞栓、心筋梗塞
 
H hypothermia、低体温
K 高、低カリウム血症
T Tamponade、心タンポナーデ

 NMB、NGT、STUが入っていないので心苦しいですが、考えつきませんでした[わーい(嬉しい顔)]


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今日は平和だと良いねと言っても良いです。 [研修医教育]

 病院あるあるに以下のような物があります。

「今日は平和だね。」と言うと、直ぐに救急車がたくさん来る様になる。
「最近緊急手術がないね。」というと緊急手術の連絡がある。
暇だなあと思ってカップ麺にお湯を注ぐと緊急の電話が入る。

 これどこに言ってもあるので、やはりエビデンスがあるのではないかと思ったことはありますが、きちんと調べようなんて思ったことはありませんでした。
 しかし、世の中には立派な人がいるもので、それについてきちんと調べた研究を見つけました。

 こちらの論文を是非お読みください。

 結論として、「今日は平和でありますように!」などと言うと、転送患者さんが増えただけだったのですが、差は非常に少なく、上司の方は、部下を励ます目的で「今日は平和でありますように!」と言っても良いと言うことでした(^^)。

 今日も頑張って患者さんのために闘っている方々へ。「平和でありますように!」

 そして「フォースと共にあれ!」


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初期輸液は晶質液にしましょう [研修医教育]

 私が学生の時(平成が始まった頃です)、講義で名物教授が言っていました。

「5分で死ぬよ。5%の500」

 脳外科の教授でしたので、脳出血の時に、脳血液関門がやられているような状態なので、低張輸液を入れると脳浮腫が来て死んでしまうから、絶対に使ってはいけないというお話しでした。

 当時4年生の私は、患者さんが来た時に、どんな点滴を使うのかも知らなかったので、そうか、ブドウ糖は使ってはいけないんだなと強く思った記憶があります。

 が、実際に医師になって、救急外来はもちろん、5%ブドウ糖を使うことはそんなにないです。救急外来では乳酸リンゲル液ばかり使っています。しかし、透析患者さんだからソリタT4号とかやっているといつか患者さんを殺すかも知れないと再認識しておきたいですね。

 以下はUpToDateからの引用です。"Spontaneous intracerebral hemorrhage: Treatment and prognosis"と言う文献にあります。

 Normal saline initially should be used for maintenance and replacement fluids; hypotonic fluids are contraindicated as they may exacerbate cerebral edema and intracranial pressure.

 維持輸液や補充輸液(脳出血患者において)は、まず生理食塩水を使うべきである。低張輸液は禁忌である。なぜなら脳浮腫や脳圧亢進を悪化させる可能性があるからである。

 英語の文献には生理食塩水とあることが多いのですが、値段がだいぶ違うようなので、乳酸リンゲル液は出てきません。が、日本では10円ぐらいしか値段が違いませんから、どちらでも大丈夫です、、、、、、、、、たぶん。


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第一印象を鍛えましょう [研修医教育]

 救急の分野にはACLSとかPEARSとか、英語の略語の勉強会がたくさんあります。全部受けて勉強したいところですが、なかなかお金も時間もありません。極論を言ってしまいますが、基本は全て同じです。どれか一つ受ければ、後は自分で勉強すれば何とかなるはず、、、、、、、です(が、時間を作って受講しましょう!)。

 その中で教えてもらえることの一つは、第一印象と言われるようなものです。初期評価とかPATとか、色々な言い方になっていますが、パッと見た瞬間、あるいは数秒で判断するものです。

 例えば、合コンに例えるとよく分かるでしょう。自分が後で会場入りしたとして、先に座っている女性が5人いたとします。一番左の人から詳細にチェックしませんよね。全員をさっと見て、おっ!右から二番目の子可愛いなとか、真ん中の子はタイプじゃないなって簡単に判断しますよね。その後お話しして、詳細に判断します。最初の判断とは違って、タイプじゃないと思ったけど、いや逆にいいじゃん!と思うことだってあります。

 可愛いとかタイプとかってどうやって判断するんでしょう??

 救急医療の勉強会も同じです。パッと患者さんを診ると言っても何を見るんでしょうか?そこを勉強するのが大切です。

 私が研修医の時、受け持たせていただいたある肺炎の患者さんは、入院した日に亡くなってしまいました。一緒についてくれた指導医の先生は、患者さんの顔を見るなり、「この人はヤバいよ、今日死んじゃうかも」と言っていました。私はぽかーんと口を開けてみているだけでした。きっと、今その日にタイムスリップできたら、私もヤバいと思えるはずです。何を見るべきか?学んだからだと思います。

 講習会によって違いますが、ABCDの順で診ていくことになるでしょう。

 声をかけて反応を見ることで、AとDが分かります。呼吸の状態をみることでB、脈を触れながら声をかけることでCが分かります。顔色を見たり、表情を見たり、患者さんの服装や着いてきた家族を見れば、この人の社会的地位みたいな物も分かります。

 そんな感じで何を見るべきか、少しずつ進歩していけば良いと思います。

 ちなみに、私はその一つの方法として、患者さんに「舌を出してください」と言うようにしています。大学の授業で習ったことです。舌を出せたら以下のことが一度に確認できます。たぶんですが、AとDはクリア!と言えるでしょう(あくまで初期評価として)。

(1)指南力が良好である。
(2)気道確保が自分で出来る。
(3)脳は大きく損傷されていない。

解説します。


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女性の救急外来について勉強しましょう [興味ある本]

 今日は本の紹介です。女性のER型救急のための本ですが、コンサルトの仕方、研修の心構え、その他色々女性の患者さんを診る時、産婦人科研修中以外にも役立つこと満載です。

 24歳の女性が下腹部痛を訴えていますと言われて、苦手意識を持つ医師は多いです。場合によっては、それは診られないと言って受け入れを断ってしまう場合もあります。しかし、そんなんでいいのか?と辛い毎日を送っている先生を救ってくれる本です。

 女性の1割弱は妊娠に気付いていないとか、月経にまつわる苦痛がある人には産婦人科医でなくても治療に関わりましょうとか、救急外来に来た時こそ、直接関係ない健康問題について解決するきっかけを持ちましょうとか、非常に勉強になります。災害時の事も書いてあり、幅広くてビックリです。絶対に産婦人科には行かないし、女性は診ない!と心に決めている初期研修医(そんな人はいるのか?)は必読の本だと思います。

 研修医の先生はもちろん、指導医の先生、それから看護師さんや救急救命士さんにも役立つ内容です。超お勧めです!!

 また、4400円と少し高いです(医学書はこんな感じなのですが)が、患者さんや今は何も問題ない女性の方は、読んでいただけば、産婦人科に行きやすくなるかも知れません。こういった事を気をつけるべきだというメッセージ(この本では産婦人科や女性の医療に詳しくない医師へのメッセージですが)は患者さんにもちゃんと受け取りやすく書かれています。


女性の救急外来 ただいま診断中!

女性の救急外来 ただいま診断中!

  • 作者: 柴田 綾子
  • 出版社/メーカー: 中外医学社
  • 発売日: 2017/05/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




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緊急内視鏡時に鎮静は必要です。 [医学関連]

 吐血や下血をして緊急胃カメラが必要になることがあります。私もごくまれに胃カメラをさせていただきますが、鎮静をしようとすると、反対されることがあります。医療スタッフに。

 理由としては、血圧が低いのに鎮静剤を使ってより下げたら危ない、呼吸が止まったら危ないと言うものです。

 しかし、私は救急医ですので、血圧低下、呼吸停止は慣れています。それから、起こりそうだと分かっていて、胃カメラ中は目の前にいますし(注意は別の所に向いているかも知れませんが)、何でダメなんだろうか?と思います。

 逆に緊急胃カメラなどは特に苦しむ人が多いです(私が下手だからでしょうか?)。何度も嘔吐してマロリーワイスになってもいけませんし、食道静脈瘤なら破裂させるかも知れません。血圧が急上昇して解離や脳出血を起こすかも知れません。だから鎮静した方が良いと思います。

 何よりも患者さんの苦痛軽減のためです。

 私の意見では意味がないので、、、、、、、、、日本消化器内視鏡学会による「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン」と言うのがあります。こちらのCQ10にあります。以下引用です。

 緊急内視鏡時に鎮静は必要か?
 ステートメント 10(エビデンスレベルII,推奨度 B)

 緊急内視鏡時には、安全性と確実性の観点から、鎮静下での処置が必要となることが多い。また、鎮静実施の有無に関わらず、安全性確保の観点から生体監視モニター使用が望ましい。

是非是非鎮静しましょう!


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モニターに反応するのは無駄なことが多いです。でも、、、、、、 [医学関連]

 以前心電図モニターを装着するのを辞めませんか?と言う記事を書きました。今回はそれと関連したモニターの話です。

 こちらの文献をご覧戴くと、モニターが鳴ったとしても、本当に介入が必要だった事例は6%程度しかなかったそうです。

 つまり、様々なモニターが病棟や救急外来で鳴り響きますが、9割以上は放置して良い物だと言う事です。なので、モニターには反応する必要がないという意見も出てくると思います。

 が、それはあくまで対応して何もなかったから分かったことで、対応する前には何かある可能性が高いと考えて対応すべきです。何しろ問題が発生する可能性が高いからモニターをつけるわけですよね。9割は無駄骨と分かっていても、毎回必ず対応するようにしましょう。

 飛行機事故、ストーカー殺人、その他色々、事故が起こってから、実はこれこれがあったと言う報道が出てきます。何故その時に対応しなかったのか!?と思いますが、事故が起こる前は、そうはいっても忙しいし、そう言うのってほとんど誤報なんだよね、、、、、、、、、と対応しないから事故になるのではないでしょうか?

 色々調べたけど何もなかったから、心配ないよ!!よかったね!!と言える雰囲気を作っていく事が大切なんだと思います。


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転院前に検査や治療をどこまで行うべきか? [研修医教育]

 病院は役割が色々あり、一つの病院で全てを行うことは不可能です。私が勤める病院は2.5次救急ぐらいまでの病院なので、例えば重症熱傷などは治療できません。よって、当院で治療できない場合には転院となります。他にも入院治療が出来ない病院であれば、入院となる患者さんはそれ以上の加療が出来ません。

 さて、その場合、検査や治療をどこまで行うべきか悩むところです。例えば、検査の多くは患者さんを受け入れた病院では再度行われます。そうすると、送り先の病院で検査をすることは無駄ではないか?と言う考えも出てきます。また、検査は色々なやり方があり、こう言う病気を疑っているから、こう言うやり方でと言う医師の指示が大切です。よって、専門でない医師がオーダーした検査は、専門医が検査を見てもよく分からない場合もあります。

 よって、専門の医師に診療を依頼するか、転院するかのばあい、緊急を要しない検査や治療は原則しないのが良いと思われます。しかし、何で検査やってないと言われることが多いです。

 それでも検査をしなくて良いと言う風に思いたいです。こちらのホームページにある文章も是非お読みください。

 以下引用です。

 したがって軽症のSAHを発症後すみやかに診断するためには病歴が頼りとなる。SAHの訴えの中で一番感度が高いのは頭痛だから、具体的には、突然発症の頭痛を訴える意識清明の患者さんが来院したら、CTもとらず、腰椎穿刺も行わず、そのまま脳神経外科に紹介するのが上策となる。紹介元としては、もしSAHでなかった場合を考えると、単に突然発症の頭痛というだけで、CTも撮らずに脳神経外科に紹介するのは気が引けるという向きもあるかもしれないが、診立て違いを恥じたり、紹介先に遠慮する必要は全くない。純粋な医療原則よりも、むしろこういった遠慮が軽症SAHの紹介を遅らせる主な原因になっていることを強調しておきたい。紹介先のあなたも、患者さんも、そして紹介先の脳神経外科医も、SAHの診断がはずれれば万々歳であることをあらかじめ納得して、以後の診療に臨めば、“こんな軽症で大げさな”という気持ちや、診立て違いを恥じる気持ちには決してならないはずだ。
 紹介元であるあなたの施設でCTを撮影したとしても、その結果如何にかかわらず、紹介先の脳神経外科では、SAHをより鋭敏に捉えるために、造影CTも含めて撮影条件を工夫してCT取り直すことはわかりきっている。なのにあなたが余計な手間隙をかけている間に再出血でもされたら、それこそ元も子もなくなってしまう。真っ当な脳神経外科医であれば、たとえ腰椎穿刺までやってSAHが否定されたとしても、患者さんとともにSAHでなかったことを喜ぶとともに、どんな軽症のSAHも見逃さないとするあなたの熱意を、患者さんの目の前で誉めてくれるはずだ。

 引用以上。

 と言う事ですが、このような医師に出会ったことありませんね。自分で自分を褒めておきます(^^)。
 先日は単純レントゲンで明らかに診断できた患者さんを、諸事情により某病院へ転送したら、CTも撮ってないんですか?と言われました。どうせそっちで撮ると思ったから撮らなかったんです、、、それから診断は明らかですし、転院に必要な情報だけあれば良いんじゃないの?と言う独り言です、、、たぶん。


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高血圧を伴ったアナフィラキシーでアドレナリンを使ってよいのか? [医学関連]

 昨日の記事へのコメントを戴き、調べて勉強になったので記事にします。コメントありがとうございました。

 アナフィラキシーとは、過剰なアレルギー反応で、血圧が下がったり、喉が腫れて気道が狭窄あるいは閉塞したり、喘息のように呼吸が困難になったりします。死亡してしまう場合もあって救急医療では避けて通れない疾患です。

 幸い、早期発見し、早期治療をすれば助けることが可能です。治療の一つはアドレナリンです。エピネフリンとも言いますが、アドレナリンと呼びましょう(理由はこちら)。

 アドレナリンは血圧を上げる作用があります。私の少ない経験ではアナフィラキシーの人は血圧が低いことが多いです。血圧がもし高かったら、アドレナリンを使って良いのでしょうか??と言う疑問が出てきますよね。

 今回はそれについて考えてみましょう。

 anaphylaxisとhypertensionでググってみたら、この論文がヒットしました。結論の部分に良い言葉が書いてあります。

 In conclusion, even though a hypertensive attack may occur in few of anaphylaxis patients, there must be no hesitation for using epinephrine during the potential life-threatening manifestations of anaphylaxis, such as upper airway obstruction. Anaphylaxis and hypertension can be recovered by epinephrine injection when required.

 アナフィラキシーの患者で高血圧を伴うことは少ないが、上気道閉塞のような、アナフィラキシーによる生命の危険がある症状があれば、アドレナリンを用いることに躊躇してはならない。アナフィラキシーと高血圧はアドレナリンの投与により回復するはずである。

 是非、躊躇することなくアナフィラキシーにはアドレナリンを使いましょう!!!


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人工呼吸器は従量式か?従圧式か? [医学関連]

 以前この事書いた気もしますが、検索でヒットしなかったので、再度書いても良いと思い、書きます。

 救急医療でよく使う器械の一つに人工呼吸器があります。正確には人工換気というべきなのかも知れません。が、細かいことは別として、人工呼吸器のモードの一つに従圧式と従量式というのがあります。

 人工呼吸器が患者さんに空気を送り始めるきっかけを、器械が決めるのが調節呼吸(control ventilation)と言います。患者さんが決めるのを補助呼吸(assist ventilation)と言います。

 またどのような方法で送り終わるのを決めるのか?で、補助呼吸では患者さんが決めますから特に名前はなく、調節呼吸のみで名前があります。一定の量のガスを送り終わったら終了(呼気になる)と言うのが従量式(volume-control)で、気道内圧がある一定の高さになれば終了するのが従圧式(pressure-control)です。が、現在はちょっと違って、吸気時間というのを決めて、例えば1秒と決めたら、従圧式であれば、1秒で一回換気量を500mlと決めたら、500ml/秒と言う速度(平均で)でガスを送ります。従圧式であれば(最近のはpressure-limited controlと言う様です)気道内圧を20cmH2Oと決めたら、出来るだけ早くその圧に上げ、1秒で呼気になるようですね。不勉強でした。

 どちらが良いのかについては色々議論があって、以前は従圧式の方が良いと言われていました。UpToDateの"Modes of mechanical ventilation"と言う文献から引用してみます。

VOLUME-LIMITED VERSUS PRESSURE-LIMITED — Pressure-limited ventilation was compared to volume-limited ventilation in a randomized trial and several observational studies [9-11]:

●There were no statistically significant differences in mortality, oxygenation, or work of breathing
●Favoring pressure-limited ventilation, it was associated with lower peak airway pressures, a more homogeneous gas distribution (less regional alveolar overdistension), improved patient-ventilator synchrony, and earlier liberation from mechanical ventilation than volume-limited ventilation
●Favoring volume-limited ventilation, only it can guarantee a constant tidal volume, ensuring a minimum minute ventilation

 Most studies comparing pressure-limited and volume-limited ventilation used a square wave (constant flow) pattern for both modes. When volume-limited mechanical ventilation with a ramp wave (decelerating flow) pattern was compared to pressure-limited ventilation, lower peak airway pressures were no longer an advantage of pressure-limited ventilation [12].

日本語がいい方はこちらをご覧ください。


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