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2017年06月| 2017年07月 |- ブログトップ

成人用の点滴回路は20滴で1mlです [研修医教育]

 ええっ!!?!知らなかったシリーズ!!です。

 病院では点滴が頻繁に行われます。こちらのリンクのようなチャンバーと呼ばれるところで水滴がポタポタと落ちますよね。チャンバー内をどのぐらいの早さで点滴薬が落ちるかで、患者さんにどのぐらいの早さで薬剤が投与されるのかを調節しています。

 点滴の回路には小児用と成人用(他にも色々ありますが)があります。小児用は成人用に比べてゆっくり点滴を落とすために使います。決して小児にのみ使うわけではありません。小児用では、1分間にチャンバー内で落ちる水滴の数ml/時の速度で点滴が投与されます。例えば1秒に一滴落ちるように看護師さんが調節したら、1時間に60mlの点滴が落ちるという訳です。
 どうしてそうなるかと言えば、計算すれば分かるのですが、この小児用の回路では、60滴が1mlになるように作られているからです。

 成人用は15滴で1mlだったり、20滴で1mlだったりしていたようです。私が研修医の時に働いた病院では、15滴で1mlのものだっだようです。点滴の落ちる速度は、チャンバーで1分間に落ちる水滴の数×4ml/分だと思っていました。しかし、こちらのリンクによれば、平成21年に20滴で1mlに統一されたようです。点滴の滴下数を合わせることをしないので知らなかったとは言え、いけませんでした。

 現在は、成人用の点滴回路は、1分間の滴下数×3ml/時になると言うことです。医療職は日々勉強しなければいけませんね。だんだん歳をとってくると勉強するのが辛いですが(^^)。

 FBにこの事を書いたら、知らなかったと言う人が結構いたので、ブログの記事にしてみました。


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当直時はミスをするものだと考えて仕事をしましょう [研修医教育]

 研修医(研修医がもう20年以上前の私でも)の先生の大事な仕事の一つは当直です。当直は本来寝る時間に仕事をしていますから、疲れたり、判断が鈍ったり、その他色々でミスをしやすいです。

 救急外来を受診され、医師が入院の必要はないだろうと判断した患者さんの200人に一人ぐらいは入院が必要だったそうです。つまり0.5%の確率で誤診をすると言うことです。

 誤診の頻度については色々言われています。昔東大の有名な先生が退官する時に、私の誤診率は30%程度だと言ったのを、一般の人はそんなに誤診するのか!?と思ったが、医師は、やはり名医だなと思ったというお話があります。

 よって、この0.5%が高いのか低いのかは分かりませんが、もし、この様な比率でミスが発生すると仮定した場合、当直を何回かして、患者さんを延べ200人診た場合、ミスをする可能性はどのぐらいなのでしょうか??

 計算については、こちらのサイトをご覧ください。簡単に言えば、ミスを一度もしない確率は1−0.005の200乗(指摘を受けて訂正しました)ということです。それを100%からひけば良いです。

答えを知りたい方は、、、、、、、、


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急性腹症の患者さんに痛み止めを使ってもよいのか? [研修医教育]

 急性腹症は、激しい腹痛により救急車で来院するような病気の総称です。原因は色々なので、早期の診断が大切です。

 しかし、私が研修医の頃は、腹痛があるからと言って、鎮痛剤を使ってしまうと所見が軽くなったりして診断に影響するから、診断がつくまで痛み止めは使ってはいけないと言われていました。例えば手術が必要なほどの患者さんはお腹が板のように硬くなることがありますが、痛み止めを使うとそれが消えてしまって、手術の開始が遅れて患者さんに不利益が及ぶというのです。しかし、自分が激しい腹痛を感じた時、それに同意できるのでしょうか???そして、以下のように、鎮痛剤を使っても診断に影響はないという文献もあるようですから、是非鎮痛剤は使って欲しいですね。

「成人の急性腹症を対象とした、オピオイドによる鎮痛薬の影響を検討した8つのRCTのシステマティックレビューによれば、成人の急性腹症症例において鎮痛薬(オピオイド)を使用しても、診断、治療に影響を与えず、有意に患者の腹痛、苦痛をやわらげる(レベル 1)。」(急性腹症診療ガイドライン2015、P.164

 私の指導医は、こう言ったガイドラインが出る前から、「痛いのは可哀想だから、早く痛み止めを使ってあげて!」と言う先生でした。「診断に影響が出るのでは?」と聞いたら、「痛いものは痛み止めを打っても痛いでしょう!」って言ってました。

 以下はガイドラインの項目です。参考までに抜粋します。

急性腹症の腹痛にはどのような鎮痛薬を使用すべきか?

原因にかかわらず診断前の早期の鎮痛薬使用を推奨する。
痛みの強さによらずアセトアミノフェン 1,000 mg *静脈投与が推奨される(レベル 1,推奨度 A)。
痛みの強さにより麻薬性鎮痛薬の静脈投与を追加する。またブチルスコポラミンのような鎮痙薬は腹痛の 第 1 選択薬というよりは疝痛に対して補助療法として使用される(レベル 1,推奨度 A を参照)。
急性腹症ではモルヒネ,フェンタニルのようなオピオイド(レベル 1,推奨度 A)やペンタゾシン,ブプレ ノルフィンのような拮抗性鎮痛薬(レベル 2,推奨度 A)を使用することもできる(CQ92)。
NSAIDs は胆道疾患の疝痛に対しオピオイド類と同等の効果があり第 1 選択薬となりうる(レベル 1,推奨度 B)。
尿管結石の疝痛には NSAIDs を用いる。NSAIDs が使用できない場合にオピオイド類の使用を勧める(レ ベル 1,推奨度 A)。

 尿管結石の時には第一選択でNSAIDsとは知りませんでした(^^)。

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心拍再開後の血圧低下には何が良いのか? [CPRの基礎]

 心肺蘇生が上手く行って心拍が再開すると、本当にほっとします。講習会でもそう思うのですから、現場ではなおさらです。が、安心してはいけません。呼吸や循環をまず安定させなければなりません。

 今回は循環のお話しです。数が多いという意味では、ドパミンを使うことが普通です。が、色々な反論が提唱されています。じゃあ、一体何を使ったらええねん!と言うお箸です。

 ヨーロッパのガイドラインには以下のようにあります。

Based on experimental data, dobutamine is the most established treatment in this setting, but the systematic inflammatory response that occurs frequently in post-cardiac arrest patients may also cause vasoplegia and severe vasodilation. Thus, noradrenaline, with or without dobutamine, and fluid is usually the most effective treatment. Infusion of relatively large volumes of fluid is tolerated remarkably well by patients with post-cardiac arrest syndrome.

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二回目のアミオダロンはいつ投与するのか? [CPRの基礎]

 日本人はまじめなので、決まりはありませんと言うのは嫌いなようです。先日もアミオダロンの二回目はいつ投与するのでしょうか?と言う質問を受けました。

 日本のガイドラインを調べてみたのですが、どこにも書かれていません。困ったものです。なぜなら、「日本のガイドラインには二回目のアミオダロンをいつ投与するのかについて記載がありません」とお応えして、「そうなんですね!!」と笑顔になる人はいないからです(^^)。

 よって調べてみました。

 結論を先に書きます。アミオダロンの2回目は1回目の投与から4分後以降に投与しましょう。

 理由は多数決&私の意見です。
・日本のガイドライン 記載がありません。
・アメリカのガイドライン 初回のアミオダロンから3〜5分後に2回目を投与とあります。
・ヨーロッパのガイドライン 初回のアミオダロン投与は3回目(5回目と最初間違えて書いてしまいました)の電気ショック後、2回目は5回目(7回目と間違えて書いてしまいました)の電気ショック後とあります。電気ショックは二分ごとに行うことになりますので、だいたい4分後ぐらいでしょうか。
・上記の多数決によりだいたい4分後以降と私が考えました(^^)。

 以下は解説です。

 まず、アメリカ心臓協会は、初回のアミオダロン投与から3から5分後に一回だけ150mgを投与すると記載しています。英語版ではありますが、2015年度版のACLSプロバイダーマニュアルのP.106に以下のようにあります。

 During cardiac arrest, consider amiodarone 300mg IV/IO push for the first dose. If VF/pulseless VT persists, consider giving a second dose of 150mg IV/IO in 3 to 5minutes.
 心停止中には、アミオダロン300mgの初回投与(静脈注射あるいは骨髄内投与)を考慮する。それにもかかわらず心室細動や無脈性心室頻拍が継続する場合には、2回目のアミオダロン投与(150mg)を3から5分後に行う事を考慮する。

 こちらの記事も参照ください

ヨーロッパのガイドラインはちょっと違います。


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アドレナリンの初回投与は2回目の電気ショック後にしましょう。 [CPRの基礎]

 心室細動と無脈性心室頻拍のアルゴリズムでは、電気ショックと心肺蘇生が重要だという事は異論がないと思います。

 そして、アドレナリンの初回投与は、二回目の電気ショック後と言う事が書かれています。
 アドレナリンは電気ショックが無効だった場合に使われるので、電気ショックを行い、その初回電気ショックが有効だったかどうかは二分間の心肺蘇生後に心電図モニターをチェックしてからしか分かりませんし、その時にまた心室細動だった場合にアドレナリンが使われるわけですが、それよりも電気ショックが優先されますから、アドレナリンの初回投与は二回目の電気ショック後と言う事になります。

 しかし、心肺蘇生の講習会では、点滴ルートが簡単に確保できるのもあって、初回の電気ショック後にアドレナリン投与を指示する人も多いです。絶対にしてはならないと書かれていないので許容していますが、以下のような論文が出ています。

 BMJのこちらの文献です(英語ですが)。

要約の結論だけ日本語にしてみます。


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このブログの記事は自由に使ってください [医学関連]

 先日ある看護師さんからメッセージを戴きました。

 病棟の勉強会で、以下の記事を印刷した物が配られたんだそうです。実名入れていますから、私のだと分かったようです。

 酸素マスクを使う場合には5リットル/分以上の流量を流しましょう
 口呼吸の人でも経鼻カニュラは有用です

 勉強会で使って頂けるなんてとても嬉しいです。著作権の問題などがあるのかも知れませんが、勉強会で使って頂けるよう、今後も努力を続けたいと思います。医学にも人生にも終わりはないと考えて。


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抗精神病薬を飲んでいる人にアドレナリンは禁忌か? [CPRの基礎]

 心肺停止時にはアドレナリン(アメリカでは今でもエピネフリンと呼んでいます)を投与します。社会復帰率を高めるというエビデンスはありませんが、心拍再開率を高めるため使われています。

 精神科の先生に聞かれたのですが、抗精神病薬の添付文書にはアドレナリンが禁忌と書かれているそうです。では、精神科の患者さんが心肺停止になったりアナフィラキシーになったりした場合、どうしたら良いのでしょうか???

 結論を先に書きます。

 抗精神病薬を飲んでいてもアドレナリンを使いましょう。心肺停止やアナフィラキシーの時には細かいことを行っている余裕はありません。

 まず禁忌となっている理由を書きます。

 アドレナリン反転という現象があります。アドレナリンを注射すると最初は血圧が上がりますが、少し時間が経つ(アドレナリンが低濃度になる)と血圧が逆に下がります。血圧が上がるのはα1受容体、血圧が下がるのはβ2受容体のせいだと言われています。よって、β遮断薬をあらかじめ投与しておくと、血圧が下がることがなくなります。
 また、抗精神病薬もそうですが、α1受容体の拮抗作用がある薬を投与されていると、アドレナリンを投与しても血圧は上がらず、β2受容体の作用が強くなり、アドレナリンを投与したのに血圧が下がってしまうそうです。このために、抗精神病薬はアドレナリンとの併用が禁忌となっています。


アナフィラキシーや心肺停止の時にアドレナリン使えないの??


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臨床研修は人が少ないところの方がお勧めです [研修医教育]

 突然ですが、TVerと言うサービスをご存じでしょうか?

 最近テレビでも、「もう一度見たい方はTVerで!!」等と言っていますから、ご存じの方も多いでしょう。過去に放送されたテレビ番組は、その放送局のサイトからじゃないと見られない(それも有料の会員登録が必要)ことが多かったのですが、最近TVerと言うサイトに行くと、過去に放映されたテレビ番組が無料で見られます(がCMが多い気がします(^^))。もちろん見られない番組もありますが。

 そのTVerでコードブルー第一話を見ました。もうすぐシーズン2が始まりますから。

 その第一話は、ドクターヘリの研修生が4人登場して、色々エピソードが語られるわけですが、たぶん病院の方針で、研修生をたくさん受け入れようとしているのに、現場は嫌がっているのでしょう。4人も来るの?とか、また使い物にならないんでしょうねとか、何人持つのか、、、、、、、そんなシーンがたくさん描かれています。

 はっきり言いましょう。こんな職場での研修は辞めた方が良いです。いや〜よく来てくれたね!一緒に頑張りましょう!と言う雰囲気の所がいいです。いや、そんな甘っちょろい現場じゃないと言う意見があるかも知れませんが、研修生が来るなんて面倒だと思っている人の下で勉強して上達するはずがありません。自分で勉強して何とかなるんだって思っている人は、それこそ、この場合だとドクターヘリをなめているという事になると思います。色々現場で教わってこそ上達するはずです。

 よって、学生の皆さん、研修病院は研修医が少ないところを選びましょう。色々問題があって研修医が少ないところでも、良い指導者がいるところなら良い研修が出来るはずです。多くの研修医がいるところでは、一人一人を大切にしてくれないことがあると思います。研修医の中の一人ではなく、私という研修医として扱ってくれる病院を是非選びましょう。


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