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検査はあくまで判断材料の一つです [医学関連]

 インフルエンザが特にそうなっていますが、病気の診断に検査は必須ではありません。診断は医師が行う物で、採血やレントゲン、エコーなどは判断材料の一つでしかありません。インフルエンザの検査をしなければ、インフルエンザの治療をしてはならないという法律もありません。

 ちなみに、インフルエンザの検査は、インフルエンザウイルスの抗原を調べているだけで、「鼻粘膜(それも、あの棒が当たったところだけ)にインフルエンザウイルスがいた」と言う事を示すだけです。ウイルスがいた(それも形跡だけで、今もウイルスが活動しているかどうかも分かりません)だけでは感染したとは言えません。ウイルスが身体に侵入して増え、悪さをしたと言うことがあって初めて感染したと言えます。インフルエンザの検査は、そのどれも証明していません。言い換えれば、「お前はこの家の玄関に立っていた。この家で盗難の被害があったので、お前が犯人だ!」と言うのと同じなのです。インフルエンザと診断するためには、熱があって、全身倦怠感があって、インフルエンザの症状があるなあ、、、他の病気の可能性は低いし、家族がインフルエンザと診断されているらしい、、、、、、、と言うような情報が必要です。逆に言えば、その情報さえあれば、検査はいりません。

 本来はインフルエンザかも?と思えば家でじっとしているのが一番です。なのに、病院へ行って検査をしてもらえなんて、、、、、、、もしインフルエンザであれば、人にうつす可能性がありますし、インフルエンザでなければ、検査は意味がありませんし、病院でインフルエンザをもらうことになるかも知れません。

 検査をすべきかどうかは、非常に高度な判断なんだと言う事ご理解いただければ幸いです。

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気管挿管チューブの深さはどうやって決めるか? [医学関連]

 今日は手抜きです。気管挿管は医者になって一番やりたい手技の一つでしょう。患者さんを救っている!と言う感じもありますしね。

 チューブを気管に入れるわけですが、どのぐらいの深さまで入れたら良いのか?色々な意見があって困りますよね。入れ過ぎれば、片肺挿管になってしまいますから、入れ過ぎてもいけません。浅すぎると患者さんの体動で抜けてしまうかもしれません。

 どうしたら良いのか?色々な基準があります。レントゲンで気管分岐部より5cm口側とか、身長÷10+5cmとかあります。

 こちらのリンクによれば、声帯を超えて15mm以上先にカフの口側が来るように入れるべきと書かれています。たぶん、チューブのカフより手前に線が書かれていますが、これが声帯を超えるぐらいの位置にすれば、ちょうど良いのでしょう。

日本語がいい方はこちらをご覧ください。


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ヨード造影剤はMRIに影響するか? [医学関連]

 先日造影CTと頭のMRIを撮像したいことがあり、両方オーダーしたところ、放射線技師さんが、「ヨード造影剤はMRIに影響するから、先にMRIを撮像したい」と言われました。影響するとは知らなかったので調べてみました。

 Google先生に聞いたら一発で良い論文がヒットしました。こちらの文献を読んでいただければ私の記事など必要ありません。

簡単にまとめてみます。


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救急車をあきらめるか?それとも税金をもっと払うか? [医学関連]

 久しぶりの更新です。今回は、救急車について考えてみましょう。

 最初に日経メディカルの記事をご覧ください。会員の方は読んでいただければ、私の以下の文は読まなくて良いです。会員になれなくて記事が読めない方は、私の駄文を。

救急車は空気とは違います。誰かが維持しているのです。


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破傷風は増える傾向にあります。 [医学関連]

 何度も書いていますが、破傷風はいつ誰がなってもおかしくない病気です。そして、非常に重症な疾患です。2割の人は死んでしまいます。最近は1割弱にへってはいますが。2015年は120人の人が破傷風を発症しました。少ないと言えば少ないのかも知れませんが、欧米諸国からしたら一桁多いです。是非予防注射を受けましょう。

 今回は2006年から2015年までの10年間、県別の数をグラフにしてみました。

 県別のデータはこちらに載っています。1999年から2013年までです。2014年と2015年はこちらからデータを取りました。2016年も一週間ほど前までのデータが載っていますが、まだ破傷風の発症はゼロです。

 北海道、愛知県、宮崎県、鹿児島県が多いですね。東京、千葉、神奈川は人口が多いからでしょうか。理由は色々考えられそうですが。

tetanus10.jpg

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破傷風の発症者は年間100人を越えています。 [医学関連]

 このブログでは、破傷風の予防注射を推奨しています。今までも何度か記事を書いています。

 コメントや質問が一番多いのは破傷風についてです。それだけ、興味深いことなのに、記載をしている者が少ないからでしょう。

 こちらのサイトのデータ(CSVなので、エクセルで開けます)によれば、12月13日までに、群馬県で5人、全国で114人の方が発症しています。

破傷風勉強会.jpg

 1999年には70人弱だったので、かなり増えていると思われます。増えた原因はよく分かりませんが、以前は原因不明の痙攣と診断されていたのに、破傷風と診断できる医師が増えたためかも知れませんし、本当に破傷風になる人が増えているのかも知れません。

が、先進国中最高の発症率です。


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薬をボーラス投与するのか、持続投与か? [医学関連]

 以前の記事にコメント頂きましたので、こちらに記載させて頂きます。

 プロポフォールを持続投与で開始するのか、早送り(ボーラス投与になるでしょう)するのか?と言うご質問です。

 結論から言えば、早く眠らせたいなら早送りすべきです。が、血圧低下や呼吸停止などの副作用が発生しやすいです。

 以下は薬の一般的なことです。非常におおざっぱですので、簡単にと言う事でご理解ください。

 薬はお風呂にお湯を足しているような状態だと思ってください。そしてお風呂からあふれたり、排水栓が開いた状態だという風に。本当はもっと複雑ですが。

 大きなお風呂にちょろちょろとお湯を入れ、排水も同じようにちょろちょろ、、、、、、、だと、濃いバスクリンを入れたとしても、全体に行き渡るのには時間がかかります。
 お風呂がコップみたいに小さいとか、入れるお湯(+バスクリン)の量が半端なく多ければ、全体に行き渡るには時間はかかりません。

 薬も同じように、その薬がどれだけの浴槽に行き渡るのか(分布容量と言うらしいです)と言うことと、血液から消えていく速度(消失半減期と言います)を考える必要があります。

 で、薬の濃度が一定になる時間は、維持量の持続投与で始めれば、消失半減期の5倍(最低でも3倍)かかるそうです。半減期が5分という薬があれば、それを持続投与で開始すれば、一定の濃度(鎮静剤であれば有効な鎮静が得られる濃度)になるまでに15分、できれば25分かかると言うことです。

 プロポフォールは、消失半減期が1時間ぐらいのようです。よって、維持量で開始すると効くまでに3時間はかかりますので、処置のための鎮静剤としては意味がないですよね。

 よって、最初にどばっと入れて効かせます。経皮ペーシングで使うのであれば、暫く鎮静を継続する必要がありますので、どばっと入れた後維持量を開始すると言うことになるのでしょう。

 私は血圧低下などが怖いので、1mlぐらいずつ血圧を測りながら入れてます。

 分かりにくい説明だったかも知れませんが、薬がどのぐらいで効いてくるのか?その薬の効果はどのぐらい緊急性があるのか?によって投与法や投与量が変わってくると言うことですね。

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抗がん剤は有効です(極論) [医学関連]

 ヒット数を稼ぐため?あえて極論を。抗がん剤は有効です。反論、暴言、ご叱責大歓迎です。

 抗がん剤拒否して最後まで、、、、、、、と言う記事が最近ありましたが、私は好きではありません。直接関係ありませんよね。「最後まで舞台に立っていた」だけで何故ダメなのでしょうか?抗がん剤に対するマイナスイメージを受け付けるような印象があります。

 「抗がん剤は効かない」と言うのは、「お金は人をダメにする」と言うのと同じです。お金を上手く使って幸せになったり、大きな仕事をなしたり、困っている人を助けたりする人はたくさんいます。確かにダメになる人もいます。一方的な報道は避けて頂きたいですし、我々も鵜呑みにしないようにしたいです。
 それから、効く、効かないと言うのは何に?が大切です。「癌が治る」と言う事とすれば、抗がん剤は無効なものが多いでしょう。しかし、有効というのは色々です。生存期間を延長するものもありますが、生存と言っても心臓が動いていたと言うだけの場合もあるでしょう。生存率は変わらないがQOL(生きている間に元気で過ごせたなど)が向上したとか、苦痛が少なくなったとか、色々なエンドポイントと言いますが、そう言う点で有効です。
 どのエンドポイントが大切かは人によります。1日でも長く生きていてくれればそれでいい、存在そのものが家族にとって心の支えだという場合もあるでしょう(この場合には患者さん自身より家族にとっての有用性になりますが)。元気なままで生きていなければ意味がないという人であれば、体力を落とすような薬は避けるべきかも知れません。髪の毛が抜けるのは絶対に嫌だと言う事だけで抗がん剤は使わないという生き方もあるでしょう。そう言う意味では抗がん剤は使いたくないという生き方も尊重されていいのですが。
 よって、ひとくくりで「抗がん剤は効かない」と言って欲しくないです。「効く場合もあるし、効かない場合もある」と言う事です。

もう少しお時間のある方はこちら。


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輸血時にカルシウムの補充は必要か?(その2) [医学関連]

 以前の記事のアップデートです。

 UpToDate "Massive blood transfusion(大量出血)"という文献からです。英語が読みたい方は原文を読んでください。以下は私の訳です。

 遊離カルシウムの低値
 イオン化カルシウムと結合するクエン酸は血清の遊離カルシウムを著明に低下させる可能性がある。よって、患者によっては感覚障害や不整脈を引き起こす可能性がある。

 カルシウム投与に関する推奨
 動物実験から推測すれば、肝臓が過剰なクエン酸を代謝する速度から輸血の最大投与速度が予想でき、それにより低カルシウム血症が予防できると思われる。クエン酸の最大代謝速度より、クエン酸の最大投与速度は0.02mmol/kg/分で、全血のクエン酸濃度は15mmol/Lである。
 クエン酸の最大投与速度(mmol/kg/分)は
=血液中のクエン酸濃度×輸血される血液の速度÷体重なので、
輸血できる血液の速度=(0.02 ÷ 0.015)×体重=1.33 x 体重 (kg)となる。
 肝機能が正常で循環も保たれている体重50kgの患者では、低カルシウム血症を予防するための輸血の最大投与速度は、66.5mL/minであり、1時間あたり全血8.9単位、赤血球輸血26.7単位である。よって、特別な状況以外では著明な低カルシウム血症は起こらない。しかし、肝機能障害があるとか、虚血により肝障害が発生した場合などはリスクが高くなる。このような患者ではイオン化カルシウム濃度を測定し、低下があれば、塩化カルシウムかグルコン酸カルシウムを投与すべきである。

●10%グルコン酸カルシウムであれば、血液500ml投与につき10〜20ml静注する(別ルートで)。
●10%塩化カルシウムならば、血液500ml投与につき2〜5mlでよい。

 クエン酸の代謝が低下するために、肝機能障害がある場合には、グルコン酸カルシウムよりも塩化カルシウムが推奨される。イオン化カルシウムの放出が遅くなるためである。過剰にカルシウムを投与し、高カルシウム血症を起こさないように、イオン化カルシウムの血中濃度をモニターしながら投与すべきである。

 よって、腎機能障害がない場合、ショック状態だったり、超大量輸血でなければ、カルシウムの投与は必要ないと言うことですね。


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若い女性にCTを撮像していいか? [医学関連]

 CTは発明した人がノーベル賞をもらったぐらい素晴らしい発明で、病気の診断には欠かせないものとなっています。救急外来に来られた人もCTを良く撮影されています。しかし、CTは放射線を使って画像を作りますので、放射線被曝という問題があります。救急外来には若い女性も時々来られますので、不妊にならないか?もし妊娠していたらどうするのか?と言うのは患者さんはもちろん、医師にとっても大切な問題です。今回はこれについて考えてみましょう。

 最初に結論です。必要だったら誰にでもCTを撮像して構いません。

 理由は以下の通りです。
・例えば、腹部CTならば、一気に100回撮像しないと不妊になりません。他の部位のCTならばもっと安心です。
・妊娠していたとしても、ほとんど問題になりません。
・CTを撮って不妊になったり胎児に影響が出る可能性もゼロではありませんが、診断がちゃんと出来なくて、腹膜炎などで癒着を起こした場合、それも不妊の原因になります。重大な病気を見逃せば、不妊どころか命の危険もあります。

 もちろんですが、腹部エコーやMRI、その他の放射線を用いない検査で診断できないか検討することは必要です。

以下に根拠となる資料を。


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