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脊椎麻酔をすると最初に足が温かくなるのは何故か? [医学関連]

 昨日の記事の続きです。

 おさらいですが、局所麻酔薬は細くて無髄の神経から麻酔されます。

 そして細い順にC線維、B線維、A線維でした。C線維だけ無髄だったのですね。

 さて、昨日とは矛盾するのですが、本当は局所麻酔薬が最初に効いてくるのは、有髄のB線維なのです!!何故かは分かりません(不勉強ですみません)。

 脊椎麻酔を行うと、最初にB線維がやられます。B線維は交感神経の節前線維で、簡単に言えば交感神経がブロックされます。人間は通常交感神経優位になっていますので、交感神経が抑制されると容易に副交感神経優位となります。交感神経は血管を締めて血圧を上げる作用がありますので、脊椎麻酔をすると血管が広がります。血流が増えた足は温かくなります。しかし、まだ温痛覚は保たれています(痛みを感じる神経と温度を感じる神経は同じと考えられています)ので、足が温かくなったと感じます。

 次に痛みの神経が麻酔されますので、温かさも痛みも感じなくなります。

 なので、脊椎麻酔をすると最初に足が温かく感じるのです。

 記事を稼ぐために正座はまた明日にします(^_^)v。


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局所麻酔をしても触っているのが分かるのは何故か? [医学関連]

 救急外来では、怪我をした人に局所麻酔をする事がよくあります。麻酔薬を傷に直接注射してから処置を始めますが、よくあることで、患者さんが「先生!!麻酔効いてないですよ!」と言うことがあります。

 患者さんは、傷を触っているのが分かるから、麻酔が効いていないというのです。患者さんは詳しいことを知りませんから仕方がないとして、医療者は理屈を知っておきましょう。

 「痛みは麻酔されていても、触覚は麻酔されていないことがある」と言うことを。

 理屈はそう難しくないです。いつもの通り簡単に書けば、3つです。

 局所麻酔薬は、細くて無髄の神経から麻酔される。
 痛みを伝える神経は細いが、触覚を伝える神経は太い。
 よって、痛みは麻酔されていても、触覚は麻酔が効いていないことがある。

 と言うことです。これが分かれば、脊椎麻酔を行った時に、足が最初温かくなり、その後感じなくなる理由や正座した時に足がしびれる順番も分かります。後者については明日また記事を書きます。

詳しく知りたい方はこちら。


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早くて浅い呼吸は何故良くないのか? [医学関連]

 蘇生の講習会などでは、患者さんの呼吸の観察をしっかりするように教えられます。呼吸の状態はとても大事なバイタルサインの一つだからです。

 「呼吸は浅く、早いです!」

 と言うのは、患者さんの状態が悪いことの代名詞でもあります。そして、ほぼ間違いなく講習会では患者さんの呼吸は浅くて早いです。

 ところで、何故呼吸は浅くてはいけないのでしょうか?何事も過ぎたるは及ばざるがごとしなので、浅めの呼吸を頻繁に行っても良いのではないかと思いますが。

 結論から言えば、浅くて早い呼吸は充分な呼吸になっていないので、効率が悪く、疲れるだけなのでよくありません。

 死腔、死腔換気率と言う言葉を知っていれば簡単なことです。

浅くて早いのは良くないのです!!


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ソルコーテフは改良されています。 [医学関連]

 医療でよく使う薬の一つとしてステロイド剤というのがあります。これは副腎皮質ホルモンの薬で、色々な病気に使われています。

 救急ではアレルギーの患者さんに使うことが多いです。アレルギーを起こした人に副腎皮質ステロイドを使用すると症状が改善されたり、再発を予防できたりします。

 その時によく使う薬として、ソルコーテフというのがあります。これは注射薬そのものが粉になっていて、それを溶解する液が入った部分とセットになっていて、簡単に、迅速に溶解して患者さんに投与することが出来ます。

 しかし、私は研修医の頃に、この溶解液に防腐剤が入っていて(パラベンという物質のようです)、それに対してアレルギーを起こす人がいるので、防腐剤の入っていないサクシゾンを使いなさいと習い、そうしてきました。

 しかし、今の病院にはサクシゾンは採用されておらず、ソルコーテフしかないようです。研修医の先生に質問された時に、ソルコーテフよりサクシゾンが良いんじゃない?とお伝えしたところ、当院には採用されていないことが判明しました。サクシゾンは、以前サクシンと言う筋弛緩薬と間違えてオーダーされて、実際に患者さんに注射されてしまい、患者さんが死亡する事故が起こっていますので、きっと採用されなくなったのでしょう。「サクシ」まで同じ名前ですから、、、、、、

 それで調べてみたら、なんと!ソルコーテフは改良されていて、2014年からは防腐剤のパラベンが入っていない製剤が売られているようです。知りませんでした。

しかし、それでもソルコーテフは避けた方が良いかも。


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亜鉛を測りましょう [医学関連]

 私は高齢の患者さんを受け持つことが多いので、ルチンで亜鉛を測っています。ルチンとは、こうだったらこうするという様な自動的に行う行動のことです。

 こちらの文献を読んでいただけば良いのですが、亜鉛を是非測りましょう。

 要約すると以下の通りです。

・亜鉛は300以上の酵素反応に必要な微量元素です。
・主に蛋白合成が盛んな部位で必要になります。
・日本人、特に高齢者は亜鉛が不足しやすいです。
・診断は容易で、亜鉛不足が疑われる症状があり、血清亜鉛濃度が低ければ(正常値以上であっても80以下は潜在性不足として治療します)治療の適応です。
・治療も容易で、亜鉛の製剤がありますので、それを飲んでもらうだけです。
・色々な疾患の合併症の予防になったり、疾患の状態を良くする場合もあるようです。

 今まで一人だけですが、全然関係ないことで入院して、亜鉛が低値だったので亜鉛の薬(当院はポラプレジンク)を処方したところ、入院する前より元気になったと喜ばれたことがあります。亜鉛の治療のおかげかどうかは分かりませんが、そう言う症例は確実にあるとのことです。

 採血には専用の容器が必要なので、入院後落ち着いてからの採血になりますが、救急外来で採血しても良いかなあと思っています。

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アミオダロンを救急外来で使っても良いのか?その2 [医学関連]

 昨日にひきづつきアンカロンのお話です。アンカロンはアミオダロンの商品名です。

 アンカロンは入院生存率を高めるエビデンスのある有用な薬です。が、退院生存率は高めません。救急外来に心肺停止で来院した場合、心拍が再開してICUなどに入る率が高まる薬です。逆に言えば、救急外来で死亡宣告と言うことが少なくなる薬です。しかし、元気に退院できる率が高まるかと言えば、そうではありません。しかし、救急外来で亡くなるより、入院中に亡くなる方がいい場合はあるのではないでしょうか?

 よって心室細動が継続していれば、アミオダロンを気軽に使うべきではないかと思いますが、そうでもありません。ガイドラインや添付文書には、血管収縮薬を使っても持続するような難治性心室細動や難治性無脈性心室頻拍の場合に使用するとなっています。血管収縮薬よりも不利益があるのでしょう。

 その不利益の一つは、半減期が長いことです。アミオダロンは半減期が非常に長く、静注の場合14.6日と添付文書に書かれています。薬が消えてなくなるには、半減期の約5倍かかると考えると、約2ヶ月かかります。たった一回使っただけでです。

 もし副作用が出現した場合、患者さんは長い期間副作用に苦しむことになります。その患者さんを担当する医師は、循環器内科の先生が多いでしょう。

 よって、アミオダロンを使う場合には、循環器の先生に相談する、あるいは常日頃からこの事について話し合っておくのが良いと思います。

 私が勤めている病院の循環器内科の先生は、救命が第一だから、必要なら使って良いと言ってくれますが、やはり私は循環器内科の先生に電話で相談してから使おうと思います。そう、私は自分の指示でアミオダロンを使ったことが一度もありません。

 もし、厳密にアルゴリズムに従って、きちんとアルゴリズム通りに蘇生が行えても、電気ショックを3回かけてからのアミオダロン投与になります。急変です!と言われてから約6分後です。初回の電気ショックが院内の目標3分と言われていますから、3分後に初回ショックをかけたとすると、7分後になります。
 当院では、心室細動の患者さんが来れば、循環器内科の先生がその頃には救急外来に来てくれています。時には、すでにもうカテ室に向かってしまっています。なのでアミオダロンを投与した方が良いか悩むことは少ないです(^^)。

 また、残念ですが、心室細動が7分以上継続することは、経験していません。蘇生の質が悪いのかも知れませんが、一生懸命蘇生をしているつもりです。

 よって、アミオダロンを救急外来で使う時には、循環器内科の先生に相談するのがベターだと思います。循環器内科の先生が常勤でおられない病院であれば、心拍再開後に発生すると思われる副作用はとりあえず置いておいて、アミオダロンが適応であれば使うべきだと思います。心拍再開したからこその副作用ですから。
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緊急時に生理食塩水を数本入れてもアシドーシスにはなりません [医学関連]

 世の中には色々な迷信が存在します。こうすべきだと習ったので、と言う理由以外に理由が見つからない行動です。果たして、それが効果があるのか誰も調べていなかったり、、、、、、

 今回はその中の一つである。「生理食塩水を点滴すると高CL性アシドーシスになる」と言うことについて考えてみましょう。

 昔読んだ輸液の本で、著者のお二人が言っていました。二人とも生理食塩水を入れて酸性になると言う体験をしたことがないと。バケツにHCO3が24mEq/Lと言う液体を作ったとして、そこに液体を入れて半分の濃度にしたら、液体がただの水だろうと、乳酸リンゲルだろうと生理食塩水だろうとHCO3は12mEq/Lとなってアシドーシスになります。だから、生理食塩水を入れたから酸性になるのではないと。以下の本のP.41-45に書かれています。古い本ですが、基本は変わっていないと信じています。

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 塩素がたくさん入ってもアシドーシスにならないとしても、じゃあ希釈性アシドーシスはどうなんだという意見があると思います。UpToDateを読んでみます。後で原文を紹介しますが、色々な緩衝作用により、希釈性アシドーシス単独で著明な代謝性アシドーシスにはならないと書かれています。

 また、こちらのスライドをご覧ください。糖尿病性ケトアシドーシスの時の輸液として、生理食塩水と乳酸リンゲル液を比較した研究を紹介しています。どちらも大きな差は認めず、生理食塩水の方が安いから生理食塩水にしましょうみたいな感じの論文を紹介しています。

 あれ?生理食塩水を入れるとアシドーシスになるという先生方、糖尿病性ケトアシドーシスの時には乳酸リンゲル液使っていますか?生理食塩水ではないですか?糖尿病性ケトアシドーシスの時には、アニオンギャップが増加しているので、塩素を入れない方が良いのではないですか?糖尿病性ケトアシドーシスには生理食塩水をお使いではないですか???

 何故普段は「生理食塩水を使うとアシドーシスになる」と言いながら、糖尿病性ケトアシドーシスの時には生理食塩水を使うのですか?

 教えてください。



希釈性アシドーシスは起こりにくいという根拠です。


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鉄剤を出すのならちゃんと評価をしましょう。よく分からないなら専門医に紹介しましょう。 [医学関連]

これはあるあるのお話しです。

患者さんに採血をし貧血があると鉄剤を反射的に処方する先生がおられます。あまり良いことでは無いと思いますが、まあここまでは許容するとして、、、、、、

治療は、測定可能な指標を利用して、その指標が改善しているかどうかをチェックしながら行なうものです。これは一般の方でも分かることです。

例えば、痛みがあって、その治療をするのであれば、痛みを起こしている疾患がよくなっているか、痛みは改善しているか?を評価して、改善がなければ治療をより強化するか、変更します。当たり前の事ですよね。

しかし、特に貧血に関して、それをしない先生がいます。なぜかよく分からないのですが、まあ適当に治療をしておけば良いだろうと言うことで貧血を甘く見ているのではないかと感じてしまいます。

貧血は恐いです。


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心電図検定を受けませんか? [医学関連]

 心電図検定というのがあります。日本不整脈心電図学会というところがやっている資格です。詳細はこちらをご覧戴くとして、1年に一回試験があるようです。今年は8月20日にあったようです。医師、看護師、臨床検査技師、臨床工学士などが受けられるようです。

 来年受けようかなと思っています。

 資格は持っていることより、それを取得するために勉強することが大切です。救急外来には色々な方が来られ、たぶん、ほぼ90%以上心電図が行われると思います。たまたま何か重大な所見(重大だけどなかなか分かりにくい)あったのだけど、見逃して重大な不利益を与えてはいけません。

 救急外来は受診のきっかけとなった疾患以外に、たまたま病気を早期に見つけて治療介入の入り口となるべきだと思っています。例えば、怪我をして来院され、採血してみたら貧血があった。胃カメラしましょうとお勧めして早期の胃がんが見つかるとか。胃カメラしてなかったら進行癌になってから見つかるかも知れません。

 当院の救急外来のスタッフは全て心電図検定2級以上です!なんてなったら良いなと思っています。この前皆で受けようとお話ししていたら、私は1級以外の受験を許されなかったです(T_T)。確かに、一緒に二級を受けて、私だけ落ちたら恥ずかしいのかも知れません(私は全然気にしないのですが、確かにきっと落ち込むでしょう)。

 以下の本で勉強します!!


改訂2版 心電図検定公式問題集&ガイド: 受検者必携! 2級/3級

改訂2版 心電図検定公式問題集&ガイド: 受検者必携! 2級/3級

  • 作者: 心電図検定ワーキンググループ
  • 出版社/メーカー: メディカ出版
  • 発売日: 2016/03/24
  • メディア: 大型本



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パルスオキシメーターについてもっと知りましょう [医学関連]

 昨日はSpO2かSPO2か?と言う記事を書きました。

 今日はそのSpO2を測定するパルスオキシメーターについてです。指などに装着するだけで、SaO2(動脈血酸素飽和度)が測定できます。すばらしい器械ですし、病院で使わない日はありません。救急外来では特に、血圧や脈拍数と同じ扱いです。

 このパルスオキシメーターは日本人が原理を発明し、アメリカで実用化された物です。逆の事がほとんどなので、とても珍しいですが、日本が誇れる発明です。青柳博士の事を是非覚えておいて下さい。

 さて、パルスオキシメーターなどのモニターが備えるべき条件と言うのを学生の時に麻酔科で習いました。

(1)非侵襲的である 測定するのに患者さんに大きな苦痛を与えない。
(2)リアルタイムである 値がすぐ分かる。
(3)解釈が容易である 数字を読むだけなど。
(4)キャリブレーションが不要である。

 以上の4つです。キャリブレーションとは、測定を開始する前に、設定を自ら行うことで、楽器を演奏する前に、基準となる楽器の音に合わせるみたいな動作です。

 例えば心電図モニターやエコーは(1)と(2)、(4)を満たしますが、(3)がダメです。私はチンプンカンプンです。Aラインで動脈圧を測定するものは(1)と(4)がダメです。

 しかし、パルスオキシメーターは全て満たします。値が90%を切るとまずいと言う事ですから、、94%以上あれば取りあえず大丈夫、、、、(とPALSのテキストに書いてありました。本当??)

 よって、パルスオキシメーターは理想的なモニターであると言う事です。私の知る範囲では他にこのような理想的なモニターは存在しません。こんな素晴らしいものを発明したのが日本人だと言う事を誇りに思います。

 しかし、パルスオキシメーターには注意点もあります。知りたい方は是非この本を読んでみてください!





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