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AEDを迷わず使いましょう [CPRの基礎]

 講習会を受講すると、色々なことを教えてもらいますが、大切なことは以下の言葉をしっかり考えることです。

 学習とは、行動が変わること。

 講習会を受講しても、昨日までの行動が変わらなければ、講習会で学んだことになりません。厳しい言葉でもありますが、教える側も、学ぶ側も良く考えるようにしたいです。

 さて、蘇生の講習会でAEDの使い方を学ぶ場合、色々なことを教えてもらいますが、はたしてそれは必要なのか?これを良く考えてみたいです。

 例えば、AHAの一般市民向けのコースでは、「AEDの使い方は、スイッチを入れて、指示に従ってください」と言うことしか教えていないようです。AEDを使う実技もないようです。それ以外のことは余計な知識だと言うことです。スイッチを入れて指示に従う、これだけで使えるように作られているのがAEDなのです。すばらしい発明です!!

 なのに、日本でのAEDの使用率は外国に比べて非常に低いです。こちらのサイトによれば、日本では心肺停止の人にAEDが使われたのは5%弱しかありません。ヨーロッパなどでは20%を超えているのにもかかわらずです。

 その原因の一つは、やり方がよく分からない、やり方を学んだけれど、怖くて使えないと言うことだと思います。

 やり方が分からないのは仕方ないです。多くの人にAEDの使い方を知って頂けるように講習を行っていくしかありません。が、AEDの使い方は簡単です。電源を入れて、AEDに言われたとおりにする。たったこれだけです。良かったら覚えておいてください。

 怖くて使えないという事ですが、これは講習のやり方に問題があると思っています。先ほども紹介しましたが、行動が変わらなければ学んだことになりません。AEDの使い方を覚えたけれど怖くて使えない、、、、、、、となったら、学んだ意味がありません。AEDはこんなに簡単なんだよ!!怖くないよ!と言う事を伝えなければならないと思います。
 しかし、どうしても日本人はまじめなので、こう言った場合にはどうするのか?こう言った場合にもし使ってしまったら不利益が起こるのではないか?と言う事に注意が行ってしまいます。

 でも大丈夫!AEDは大きな問題を起こすことはほとんどありません。あなたが心肺停止の人に遭遇する確率よりも低いでしょう。倒れている人を見つけたら、反応と呼吸を確認し、おかしいと思ったらAEDを使って構いません。脈があったらどうするんだ?等と言い出すと怖くて使えません。そばにいた人が、この人おかしい!と思えば、すぐにAEDを使って良いです。是非お願いします。

 また、119番通報しかしないと10%弱しか助かりませんが、心肺蘇生を行い、その上でAEDを使うと50%強の人が助かるそうです。是非、必要な人には使って頂けたら嬉しいです。

 こちらのサイトの言葉をかみしめていただけたらと思います。

 「あなたが行なう心肺蘇生は完璧ではないかもしれません。 しかし、それでも医療者が関わってから行われる治療よりも、効果が大きいのです。 勇気を持って一歩を踏み出すことで、救われる命が多くあります。」

 そうなんです。心肺蘇生の講習会で最も大事なことは、倒れた人を見つけたら行動を起こす勇気を持つことです。勇気は勉強しただけでは身につきません。みなさんの気持ち以外にありません。インストラクターはそれを手助けするだけです。

教育用語を少し知りたい方は以下を。


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濡れた床の上などで電気ショックをしても大丈夫です。 [CPRの基礎]

 心肺蘇生の講習会でよく聞かれることの一つに、金属の床の上とか、氷の上、雪の上、濡れた床の上などで患者さんを蘇生している時に、AEDを使ったら感電しませんか?と言うのがあります。

 そう言う質問は出来るだけ出ないように、大切なことだけ伝えられるようにしなければならないのですが、質問が出る時は出ます。

 質問される方はまじめな方なのでしょうが、金属の床って最近見た記憶がありません。氷の上ってスケートでもやっているのでしょうか?それとも釣り?でも、裸足でやりませんよね。雪国の人なら雪は普通にあるでしょうが、やっぱり裸足で歩くのでしょうか(^^)。
 最も普通にあるとすれば、水泳をしている時でしょうね。でも、きっとそういう所には訓練を受けた人がいるでしょうから、安心ですね。

 結論から先に言います。普通にAEDを使っていれば、床がどんなところだろうと、全く問題ありません。ただ、患者さんの胸が濡れていると、患者さんの心臓に流れる電流が減る恐れがあるので、タオルなどで拭いておきましょう。

 さて、まず常識的なことです。電線に止まっている鳥は感電しませんよね。こちらのサイトなどに説明があります。よって、地面に電流が流れていたとしても、他のどこにも触れていなければ電流は流れません。ましてや履き物を履いていれば全く問題ありません。

 それから、こちらの文献をご覧ください。英語ですが、写真が載っていますので、どんな実験か、ある程度想像がつくと思います。

 コンクリートの床を、テープでいくつかの区域に区切って、海水やプールの水などで、コンクリートの床を塗らしておきます。
 真ん中の区域に七面鳥を置いて、その胸に電気ショックのパッドを貼ります。AEDを近くに置いて、七面鳥に電気ショックをかけた場合の、各区域の電圧を特定しています。
 七面鳥の近くの区域では、最大3ボルトの電圧がかかっていますが、実際は問題となるような電圧ではないし、人間の身体の抵抗値は、測定に使った電極よりも大きいので、気にしなくても良いでしょう。
 そして、再度考えてみたいですが、濡れた床や地面の上にいて、あなたは裸足で、倒れた人にAEDを使うというような状況はどのぐらいあるでしょうか?医療施設では患者さんをお風呂に入れることがあるでしょうが、長靴履いてませんか?感染防御のためにも裸足はいけないですよね。まさか院内を裸足で歩いてます?

 よって、電気ショックをかける場合には、床がどうかと言うことを気にする必要はありません。

 お気に入りの看護師さんの由香さんのことは気にする必要があるでしょうが、、、、、、、、たぶん。以下の動画にも由香さんが出ていますので探してみてください(^^)。


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電気ショックで感電するのか? [CPRの基礎]

 こちらの記事でご質問頂いたので記事にします。

 最初にお断りですが、この記事は学術的なものではありません。この事について調べて詳細が分かったら、また記事に書いてみます。

 非常に曖昧ですが、以前スカパーを契約していた時に見た番組の記憶です。「危ない実験」みたいなタイトルの番組でした(英語だったのでアメリカの番組でしょうか?)。

 人形を二体作ります。どちらも表面は皮膚と似た電気性能を持つ物質で作られています。一つの人形Aに電気ショックをかけ、もうひとつの人形Bは人形Aの腕に触れているだけです。

 人形Aに通常のやり方で電気ショックをかけます。人形Bの皮膚(だったと思いますが)にどのぐらいの電気が流れてくるのか?と言う実験でした。

 結果は、かなりの電気が直接電気ショックを当てていない人形Bまで来ていました。詳細は記憶によるしかないので、ほとんど分かりませんが、心室細動になってもいいぐらいの値でした。

 よって、「少し体に触れているぐらいだから、電気ショックの電流は大したことないだろう」と思うのは間違いだと思います。手袋をしていても小さな穴が空いているかも知れませんし、患者さんに触っていないことを充分確認すべきです。

 Wikipediaの「感電」という文献に寄れば、「人体の器官のうち心臓は特に電流に敏感であり、100 μA(0.1 mA)を超える電流が心臓を通過すると心室細動、心停止を起こし死に至る危険性があるとされている」とあります。

 また、こちらの業者さんのホームページには、AEDの電圧は1200から2000ボルトで、電流は30から50アンペアとあります。

 皮膚に例えば30アンペアの電流が流れたとして、心臓にどのぐらいの電気が流れるのかは分かりませんが、感覚的に致死量の30万倍以上(最初300と書いていたのですが、訂正しました)の電流が皮膚に流れるわけですから、致死量の0.1mA以上の電気が心臓に流れるような気がしますよね。それによって心停止する可能性が高いです。

 よって、電気ショックは素早く(最後の胸骨圧迫から電気ショックまでの時間を1秒でも短くする方が電気ショックの成功率が高いそうです)やらなければいけないのですが、安全も確保しなければなりません。

 こんな歌を見つけましたが、内容は学術的なものではありませんでした(^^)。


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クイズです! [CPRの基礎]

 突然ですが、あるなしクイズです!

東京ディズニーランドにはあるが、ユニバーサルスタジオジャパンにはない。
東京ディズニーシーにはあるが、ハウステンボスにはない。
東京ドームシティーにはあるが、東京ドーム内にはない。
甲子園球場の二階と三階にはあるが、一階にはない。
東京タワーの地下にはあるが、東京スカイツリーの地下にはない。

さて何でしょう?

答えを知りたい方はこちらをご覧ください。


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背板は必要か? [CPRの基礎]

 以前の記事のアップデートです。

 病院の中で患者さんが心停止するのは、病室が意外に多いそうです。文献によれば、一般病床が54%と一番多かったそうです。蘇生のトレーニングは、床とか硬いベッドの上で行います。きっと硬いところで心肺蘇生をするのがいいのでしょう。

 では、普通のベッドの上で患者さんが心停止した場合、背中に板を入れて硬くした方が良いのではないか?と言う疑問が出てきますね。

 以下の本の45ページにも出てきます。





 今回はこの事について考えてみましょう。

 日本蘇生協議会のガイドライン2015の43ページには、以下のようにあります。

 「ベッド上の胸骨圧迫はしばしば浅くなりすぎることが報告されている。柔らかいベッドの上でCPRを行う場合は、胸骨圧迫の効果を最大限に発揮させるために、可能ならば背板を用いてCPRを行うことは理にかなっている。背板は患者の頭部から骨盤部までを保持する大きさであると胸骨圧迫の深さが増す。背板を使用する場合は、胸骨圧迫の開始の遅れや胸骨圧迫の中断を最小にすべきで、背板を敷くときにカテーテルやチューブが外れないように注意する。脱気できるマットレスであればCPR中は脱気すべきである。 CPR を行うために患者をベッドから床に下ろすことの危険性と利点を検討した研究はない。」

 よって背板を入れるのは良いのでしょう。

外国のガイドラインはどうなっているのでしょうか?


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AEDと君の瞳、どっちが強力? [CPRの基礎]

 先日、群馬県高崎市にあります高崎ブラジャーホテルで開かれました、第48回日本合コン医学会総会の発表を紹介します。

 最初に書いておきますが、もちろんこんなホテルはありませんし、こんな学会もありません。冗談ですのでお間違えなく。

 以下の曲はオリコン一位をとった名曲です。よく1万ボルトではなく、100万ボルトと間違えられるようです。どっちでもいいのですが、10000ボルトが正しいです。



 さて、AEDを含めて心室細動の患者さんに電気ショックを行う場合、150Jとか200Jとかのエネルギーを与えます。どうやってそのエネルギーを作り出すのかは知りませんが、なんと2000ボルトぐらいかかっているようです。例えば、こちらのページをご覧ください。

 で、どちらにしても君の瞳の方が強力であることが分かります。

 合コンや愛の告白をする場合、「君の瞳は人の命を助けるAEDの少なくとも5倍の力があるよ」と耳元でささやけば、成功する可能性は46%以上であるという発表がありました。nは4648人と言うことでかなりの大規模な研究です。

 よって、日本合コン医学会では、愛の告白をする場合に、AEDと比較した言葉を使うことを強く推奨することになりました。学会員の皆様、周知の程よろしくお願いいたします。

 コード・ブルーに出てくる藤川先生は、冴島さんの瞳にやられるより先にAEDにやられてしまいましたので、そうならないようご注意を。



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電気ショック=除細動? [CPRの基礎]

 勉強のため、以下の本を買いました。あえてマニアックなことを書いてあると前書きにあります。確かにオタク心をくすぐる良い本です!皆さんも是非購入を!!





 この本にありましたが、用語を正確に使いましょうと書かれていました。激しく同意します。略語を使っているのに、それって何の略?と聞いても、フルスペルなどを答えられなかったりすると、なんとなく不勉強な感じを受けます。ちゃんと用語は正確に使いましょう!現場では時間がありませんから、もちろん多少の違いは良いと思いますが、後できちんと時間を取って確認する必要はあると思います。

 やっと本題ですが、蘇生の講習会では以「前除細動を行います!」と言っていたので、今でもそうおっしゃる人がいますが、正確には違うそうです。

 電気ショックは器械を使って心室細動を止める行動のことです。そして、除細動は電気ショックによって心室細動が止まったことを指すそうです。除細動器は、電気ショックを行うことで除細動をもたらす器械という事ですね。よって、今から電気ショックを行います!と言うのが正しいようです。

 ただ、英語の文献で調べてみましたが、英語の文献はdefibrillationとelecrical shockを使い分けているようには感じませんでした。引き続き調べます!

 今から除細動をします!と言うのは、お湯を沸かします!と言うのと似ているのかも知れませんね。水を沸かせてお湯にするわけですから、本当は。

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心拍再開後の血圧低下には何が良いのか? [CPRの基礎]

 心肺蘇生が上手く行って心拍が再開すると、本当にほっとします。講習会でもそう思うのですから、現場ではなおさらです。が、安心してはいけません。呼吸や循環をまず安定させなければなりません。

 今回は循環のお話しです。数が多いという意味では、ドパミンを使うことが普通です。が、色々な反論が提唱されています。じゃあ、一体何を使ったらええねん!と言うお箸です。

 ヨーロッパのガイドラインには以下のようにあります。

Based on experimental data, dobutamine is the most established treatment in this setting, but the systematic inflammatory response that occurs frequently in post-cardiac arrest patients may also cause vasoplegia and severe vasodilation. Thus, noradrenaline, with or without dobutamine, and fluid is usually the most effective treatment. Infusion of relatively large volumes of fluid is tolerated remarkably well by patients with post-cardiac arrest syndrome.

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二回目のアミオダロンはいつ投与するのか? [CPRの基礎]

 日本人はまじめなので、決まりはありませんと言うのは嫌いなようです。先日もアミオダロンの二回目はいつ投与するのでしょうか?と言う質問を受けました。

 日本のガイドラインを調べてみたのですが、どこにも書かれていません。困ったものです。なぜなら、「日本のガイドラインには二回目のアミオダロンをいつ投与するのかについて記載がありません」とお応えして、「そうなんですね!!」と笑顔になる人はいないからです(^^)。

 よって調べてみました。

 結論を先に書きます。アミオダロンの2回目は1回目の投与から4分後以降に投与しましょう。

 理由は多数決&私の意見です。
・日本のガイドライン 記載がありません。
・アメリカのガイドライン 初回のアミオダロンから3〜5分後に2回目を投与とあります。
・ヨーロッパのガイドライン 初回のアミオダロン投与は3回目(5回目と最初間違えて書いてしまいました)の電気ショック後、2回目は5回目(7回目と間違えて書いてしまいました)の電気ショック後とあります。電気ショックは二分ごとに行うことになりますので、だいたい4分後ぐらいでしょうか。
・上記の多数決によりだいたい4分後以降と私が考えました(^^)。

 以下は解説です。

 まず、アメリカ心臓協会は、初回のアミオダロン投与から3から5分後に一回だけ150mgを投与すると記載しています。英語版ではありますが、2015年度版のACLSプロバイダーマニュアルのP.106に以下のようにあります。

 During cardiac arrest, consider amiodarone 300mg IV/IO push for the first dose. If VF/pulseless VT persists, consider giving a second dose of 150mg IV/IO in 3 to 5minutes.
 心停止中には、アミオダロン300mgの初回投与(静脈注射あるいは骨髄内投与)を考慮する。それにもかかわらず心室細動や無脈性心室頻拍が継続する場合には、2回目のアミオダロン投与(150mg)を3から5分後に行う事を考慮する。

 こちらの記事も参照ください

ヨーロッパのガイドラインはちょっと違います。


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アドレナリンの初回投与は2回目の電気ショック後にしましょう。 [CPRの基礎]

 心室細動と無脈性心室頻拍のアルゴリズムでは、電気ショックと心肺蘇生が重要だという事は異論がないと思います。

 そして、アドレナリンの初回投与は、二回目の電気ショック後と言う事が書かれています。
 アドレナリンは電気ショックが無効だった場合に使われるので、電気ショックを行い、その初回電気ショックが有効だったかどうかは二分間の心肺蘇生後に心電図モニターをチェックしてからしか分かりませんし、その時にまた心室細動だった場合にアドレナリンが使われるわけですが、それよりも電気ショックが優先されますから、アドレナリンの初回投与は二回目の電気ショック後と言う事になります。

 しかし、心肺蘇生の講習会では、点滴ルートが簡単に確保できるのもあって、初回の電気ショック後にアドレナリン投与を指示する人も多いです。絶対にしてはならないと書かれていないので許容していますが、以下のような論文が出ています。

 BMJのこちらの文献です(英語ですが)。

要約の結論だけ日本語にしてみます。


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