So-net無料ブログ作成
検索選択
研修医教育 ブログトップ
前の10件 | -

外傷はない? [研修医教育]

 外傷 traumaと創 woundの違いについて学びましょう。

 「交通事故で全身打撲の患者さんです。歩行は可能だそうです。外傷はありません。」と言う連絡が、救急隊からあったとします。この文章で間違いはどれでしょう?と言われたら答えられますか?答えられたら、この記事は読まなくて良いです。

 答えは「外傷はない」→「創はない」です。

 たぶん法医学では、この表現は正しいのでしょうが、外傷 traumaと言う言葉は、患者さんの反応の有無は問いません。打撲も外傷です。お湯がかかれば、それだけで熱傷です。創は、皆さんが思う傷になります。皮膚の連続性が絶たれた状態とでも言うのでしょうか。

 個人的には、患者さんに創があるかどうかというのは、そんな大きな情報ではないと思うのですが、必ず外傷はありませんと報告があります。厳密に言ったのであれば、交通事故で車がぐちゃぐちゃになったのに、スタントマンか何かで、どこも打っていないと言う事になります。が、きっと創がないという事なんだろうなと分かるから良いんですがね。

 何故そう言う考えをするかというと、熱傷は数日経ってから水疱になったりすることがありますし、皮膚に異常がなくても内臓に損傷がある場合もあります。体表面だけを見て異常があるなしと判断してはいけないのです。「外傷がない」と言う風に言う事で軽症なんじゃないかと感じてしまうのがいけないのです。

 高エネルギー外傷という言葉があります。外傷を診た場合、創の派手さに目を奪われてはいけません。この人にどのぐらいのエネルギーが加わったのかを考え、相当なエネルギーであると考えれば患者さんがピンピンしていても重症だと考えるということです。外傷ではそう言う考え方をしましょう。

 正確な用語かどうかは分かりませんが、精神的なトラウマというのも、トラウマという言葉からしたら間違っていないと感じます。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

脱水という言葉に注意しましょう [研修医教育]

 脱水とは何か?と言われたら答えられますか?下痢がひどい人が来られて、血圧が80/60mmHg、脈拍数が125/分だったら、「これは脱水だね!輸液をしよう!」と言っていませんか?実はこれは正しくありません。

 えー!そうなの?と言う方は以下をお読みください。知ってるよ、そんなこと常識じゃん!!と言う人は、ここまでお付き合い頂きありがとうございます。脱水を間違えている人は多いんだと言うことを再認識して頂けたと思います。

 先ほどの血圧が低くて脈が早い人は、volume depletionです。日本語だと循環血液量減少です。ナトリウムと水が欠乏している状態です。UpToDate "General principles of disorders of water balance (hyponatremia and hypernatremia) and sodium balance (hypovolemia and edema)"によれば、以下の通りです。日本語だと「水分(低ナトリウム血症と高ナトリウム血症)、塩分(循環血液量減少と浮腫)バランスの異常の一般原則」

 Hypovolemia refers to any condition in which the ECF volume is reduced and, when severe, can lead to hypotension or shock. Hypovolemia is usually induced by salt and water losses that are not replaced (eg, vomiting, diarrhea, diuretic therapy, bleeding, or third-space sequestration). By contrast, unreplaced primary water loss, due to insensible loss by evaporation from the skin and respiratory tract or to increased urinary water loss due to diabetes insipidus, does not usually lead to hypovolemia, because water is lost disproportionately from the intracellular fluid compartment which contains approximately two-thirds of the total body water.

日本語が読みたい方はこちらを。


nice!(6)  コメント(2) 
共通テーマ:学問

貧血=鉄剤投与はやめましょう。 [研修医教育]

 私が受け持った患者さんで、初めて亡くなった患者さんは赤芽球癆という病気の患者さんでした。

 この病気は、赤血球だけが上手く作られなくて、貧血(ふらっとすることではなく、血液が薄いことです)になってしまう病気です。貧血に対して輸血が行われるのですが、輸血された血液は、そんなに長く体の中で生きていないので、頻繁に輸血されていました。血液中には鉄がたくさん含まれています。赤血球が壊れると同時に、鉄も体の外に出ればいいのですが、そうはいかず、鉄が体の中にどんどんたまっていきます。そのため、ヘモクロマトーシスという体に鉄が過剰にたまってしまったために起こる病気になってしまいました。私が担当させて頂いたのはこの頃です。

 デスフェラールという薬を注射して、鉄分を外に出します。鉄とくっついておしっこから外に出る薬です。今は飲み薬もあるのですが、私が研修医の頃は注射薬しかなく、患者さんに筋肉注射を毎日するのが大変でした(看護師さんが(^^))。

 この患者さんはいつもオシャレなパジャマを着ていました。カラオケで「もう恋なんてしない」を歌うと、この患者さんと似たパジャマを着た人が映像に出てきて、この曲を歌ったり、他の方が歌われると、いつも患者さんのことを思い出します。

 私はこの人に教わったために、鉄の過剰に非常に敏感です。貧血だと言うだけで鉄剤を投与する医師がたまにいますが、私はどうしても出来ません。鉄欠乏性貧血かどうか、フェリチンの結果が出るまで内服をするというのであれば構わないと思いますが、フェリチンを測定せず、実は鉄欠乏性貧血ではないのに鉄剤をずっと投与されている患者さんを診るととても残念に思います。国家試験に小球性貧血の原因として慢性消耗性疾患に伴う貧血というのが出てくるのに、忘れてしまうのでしょうか?

 鉄の過剰は作ってはいけません。Sさん、私はあなたのことを忘れず、あなたのように苦しんで死ぬ人を出さないようにしていますよ!!私が死んだら、天国で一緒に「もう恋なんてしない」を歌いましょう!!



nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

研修医が担当したからこそ救う命があります [研修医教育]

 私が医師になって初めて受け持たせていただいた患者さんの話です。

 その方は直腸癌が後で見つかって、肝転移して、私が医師になって3年目で亡くなりました。私が直腸診さえしていれば、もっとがんこな医者だったら、、、、、、、と言うタラレバ話です。他山の石としていただければ幸いです。

 私が研修医の頃は、4月の第一土日に医師国家試験(プロ野球の開幕と同じでした)があり、5月に発表、6月から研修開始でした。私はローテーション研修がしたくて、研修病院を選びました。同期はおらず、私一人の研修でしたので、まず基礎は内科からと思い、内科研修6ヶ月から始まりました。

 1992年6月1日、初出勤して血液ガスを6人採血させていただいたのですが、全て失敗して落ち込んでいたところに、尿路感染症の70歳ぐらいの女性が入院してきました。私が担当するようにと言われ、初めての受持患者さんですから、結構たくさんお話を聞かせていただきました。抗生物質は何を選ぶのか、他にどんな検査をするのか、何に気をつけて患者さんを診ていけば良いのか?今のように良い本やインターネットがなかったので、色々試行錯誤でした。

 アメリカでは、どんな病気で入院しても、頭から足の先まで全身の診察をしっかりするのが研修医の仕事(直腸診も含めて)と聞いていましたので、私も真似しようと思っていましたが、女性ですし、尿路感染症だから、まあ良いかと言う事で直腸診はしなかったのです。便潜血も陰性でしたし、患者さんも訴えはなかった(本当は症状があったのかも知れませんが)ですので、仕方がないのですが、その患者さんは半年後に直腸癌が見つかり、外科で手術をしたのですが、私が1年後に外科を研修している時に多発肝転移で入院してこられました。

 私が直腸診をしていたら見つかったかどうかは分かりませんが、今でも直腸診さえしていれば、、、、、、、と思います。指導医の先生に、私は何でも勉強したいので直腸診を教えてください!と言えば良かった、、、、、、、

逆によかったこともあります。


nice!(8)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

見学に来た学生さんの消化管はきれいにして帰ってもらいましょう [研修医教育]

 私が以前勤めていた徳洲会病院では、学生さんが見学に来られると、必ず何人かの医師で飲みに行っていました。病院から飲み代も出ていました。今もそうだと思います。

 なので、学生さんが来たら飲みに行く。反射的にやっていました。

 しかし、今の病院はそう言う雰囲気がないようで、もちろんお金も出ません。が、自分が飲みたいだけですが、個人的に飲みに行っています。将来どんな医者になりたいのか、実習はどんな感想を持ったのか、その他雑談など、学生さんから学ぶこともたくさんあります。もちろん、こちらの本音とか、裏話とかもお話ししますが(^^)。

 嫌だったと言う話はなかなか届かないのかも知れませんが、飲みに連れて行ってもらえてうれしかったと病院のアンケートに感想を書いてくれるみたいで、病院側にそれが知れ渡り、今回飲み会代を病院が出してくれることになりました。

 良かったです(笑)。これからも頑張ります!

nice!(8)  コメント(4) 
共通テーマ:学問

将来の夢がない人へ [研修医教育]

 学生さんや研修医の先生に「将来は何科に進むの?」と聞くと、「すみません。まだ決めてないんです。」と言う人がいます。私はこう言っています。「すみませんという必要はないですよ。決まっていない方が普通だし、良いことだと思います。」

 今日はそういう事を書いてみます。

 まず、診療科とは何でしょう?我々が勝手に作ったものです。患者さんは、最初から外科で診てもらいたいとか、腎臓内科で診てもらいたいとかの希望はありません。自分の身体に起こっている問題を解決して欲しいだけです。例えば、頭をぶつけたから、これは脳外科が専門だと知っているので、脳外科を希望するだけです。頭部外傷に詳しい医師であれば、誰でも良いはずです。
 そして、患者さんの問題は、診療科一つでカバーできなくなっています。交通事故一つとっても、頭しか怪我しないと言う人は少なく、首も痛めて腹部も打撲したなんて人はざらです。じゃあ何科が担当するのか??と言う事でもめることがあります。
 進みたい診療科が決められないという人は、医療を真剣に見ている人だと言えるのではないでしょうか。

他にも良いことがあります。


nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

高ナトリウム血症の対応 [研修医教育]

 高ナトリウム血症という病気があります。ナトリウムはつまり塩です。ナトリウム濃度が高くなった状態が高ナトリウム血症であり、血液がしょっぱくなった状態と言う事です。

 間違えている人がいますが、ナトリウム濃度はあくまで濃度ですので、絶対量ではありません。しょっぱい飲み物を一口飲んだだけで、その入れ物の中にどのぐらい入っているのかは分かりませんから、血液データだけで身体にナトリウムが足りているのか不足しているのかは分かりません。ナトリウム濃度は、ナトリウムと水の比率を示すだけです。ナトリウムが足りない高ナトリウム血症もあります。その場合には、ナトリウムを点滴しなければなりません。

 ナトリウムが足りているかどうかを教えてくれるのは、血液検査ではなく、診察所見だったり、病歴だったり、画像だったりします。浮腫があって頸静脈も怒張していて、胸水があって、、、、、、、と言う人のナトリウムは当然過剰です。が、2日ほど何も食べられなくて、夏の暑い時期で、おしっこも全然出ていません、、、、、、、、となればナトリウムは足りません。

 細かいことは私も知りませんので省略して、救急外来での取りあえずの対応です。

勉強したい方はこちらを。


nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

コンサルトを受けた時、、、、、、相手の気持ちを考えましょう [研修医教育]

 私は元外科医です。研修医の時に指導医に言われたことを紹介します。

 内科の先生から相談された場合の返事は一つしかない!外科で診ます!

 と言うものでした。例えば、内科の先生に、「すみません、腹痛の患者さんがいるのですが」と言われた場合、いくつかの対応が考えられます。

A 「うーん、お腹も柔らかいし、採血も大きな異常はないですね。CTも異常がありませんから、内科で管理をお願いします。」
B 「そうですね、、、、、、異常はありませんが、確かに痛がっていますね、、、、、、、どうしましょうか?」

 みたいな感じです。が、私は以下のような答え意外にないと厳しく言われました。

C 「コンサルトありがとうございます。では以後はこちらでやっておきます。」

 内科の先生は手術が出来ません。手術をするのが外科です。手術をするかどうかを決めるのは外科医です。内科の先生は、外科に手術しなくていいと言われたとしても、患者さんが痛がっていれば不安です。外科医は同じ患者さんを診ていても、いざとなれば手術すればいいから、気持ちが違います。内科の先生だって外科にコンサルトすれば良いじゃないかと思うかも知れませんが、一度大丈夫でしょ!!と言われたら、もう一度相談しても、さっき大丈夫だって言ったじゃないか!とか言われるんじゃないかとか、色々微妙な感情が出てきます。そんな感じで二度目のコンサルトが遅れて、手遅れになった患者さんの経験もあります。
 内科の先生がコンサルトしやすいようにするには、いつも交流を持つのももちろんですが、気軽に転科を受け入れることが大切だと思います。
 大事な症例を的確に対応するためには、なんでこれを外科で、、、、、、、と思うような症例でも、外科で受け入れる必要があると思います。本当に手術適応の患者だけ診たいなんて、おごりでしかないと思います。これは外来でも同じです。

 俺は手術で忙しいんだ!と言うのはもちろんあるのでしょうが、忙しいのはみんな一緒です。

 今は救急医をしていますので、お願いすることばかりですが、気軽に引き受けていただけたら嬉しいです。受け入れていただけなければ、自分で管理していますが、、、、、、、

 私が救急患者さんを引き継ぐ時がありますが、「分かりました!!後は任せてください!」と言って、詳細な情報は要求しないようにしています。必要なら患者さんから聞けば良いことです。当直明けの先生方は疲れていて、直ぐ手術や外来しなきゃいけないんですから。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

もしもあなたがおじいちゃんになったら [研修医教育]

 私はアメブロで替え歌を作っています。

 今回は愛知県出身の現役ナースである長友梨沙さんの「もしもしもあなたがおじいちゃんになったら」と言う曲です。とても良い曲ですので是非聞いてください。

 替え歌も良かったらご覧ください!現在228曲アップしています。おかしなのも多いんですが(^^)/。

 最近こちらは更新していないので、一応元気だと言うことを示そうと思いました。


nice!(1)  コメント(2) 
共通テーマ:音楽

低体温時に血液ガスデータは補正すべきか? [研修医教育]

 ずいぶん久しぶりの更新です。

 今日は救急外来でミニ勉強会をしました。これから毎週やっていきます。今日のテーマは血液ガスで、1年目の研修医の先生に丸投げしたのに(^^)、ちゃんとやってくれました。そこで看護師さんから出てきた質問の一つで、血液ガスデータは体温で補正すべきか?と言うのがありました。しなくて良いですよと応えたのですが、不安になったので調べてみました(^^)。

 UpToDateに参考文献としてこちらの文献があげられています。20年近く前の文献ですが。以下は私の下手な訳です。原文を是非チェックしてください。

「血液ガスデータの体温補正」

 患者の体温が著しく高かったり低かったりした場合には、血液ガス分析データの大きな変化があるという観察に基づき、患者の体温が著しく高かったり低かったりした場合に血液ガスデータ(pH、PCO2、PO2)を体温で補正することがルチンに行われている。補正しない血液ガスデータは誤りであるという噂にすぎない考えに臨床医を導く危険がある。この短絡的な考えにより、体温補正した血液ガスデータのみが正しいという風に考えてしまう。真実は単純である。患者の体温が著明に変化していたとして、我々は代謝や血管の機能、呼吸などの複雑さについて完全に理解していないということである。よって、著明に体温が上昇、あるいは低下した患者において、補正したデータが有用なのか、補正しない方が良いのかは不明である。37度で測定されたデータよりも体温補正したデータの方が良いという仮説を証明する論理的、科学的データは存在しない。事実、そのようなデータが存在する。ほぼ全ての環境において、補正したデータを利用することの有用性を示した文献はない。さらに、ルーチンに体温補正をすることはいくつかの不利益がある。一つ目は、補正したデータの解析は、我々が普段なれている方法とは異なることである。二つ目は、体温補正に用いられる体温は、患者から採血した時の体温であるということである。私の経験では、患者の正しい体温が検査室に報告されることは少なく、間違って報告されることもある。3つめは、得られたデータが補正されたものか、補正されていないものか混乱する場合があると言うことである。これまで得られたデータに寄れば、体温補正しない血液ガスデータをルチンに報告するべきだと考える。特別に依頼があった場合にのみ体温補正を行い、そのデータを臨床に用いる責任は、そのオーダーを出した医師にのみある。

 関係ないですが、こちらの動画是非ご覧ください。


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:学問
前の10件 | - 研修医教育 ブログトップ