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明日の朝は病院にまた来てもらいましょう。 [研修医教育]

 当直の時に、患者さんは入院する様な状態ではなく、帰宅可能だという場合も多いです。帰宅していただく場合には、こういう風になったら再度受診してくださいとお話しします。直ちに救急車を呼ぶべき場合もありますが、そうでない場合には、明日の朝受診をお願いしますというのが原則だと私は習いました。

 以下はその理由です。

・夜中は判断力が低下しています。
・ミスがあっても何とかなります。
・病院の外来患者数を増やすのも意味があります。

・夜中は判断力が低下しています。
 私が最初に習った小児科の先生に言われたことです。その先生は必ず朝外来に来るようにお話ししていたそうです。例え自分が外来担当であってもです。そして、朝来院した患者さんが結構ぐったりしていて、カルテを見直しても何故夜中に即入院にしなかったのかとぞっとすることがあると言っていました。
 やはり夜は精神状態が普通ではありません。夕方病院へ来て働き始めるわけではありませんので、結構疲れていますし、何故他の人が寝ている時間に働らかないといけないんだ?と言う気持ちもあります。だから夜中の判断は正常ではありません。間違いを犯す率も高いです。

・ミスがあっても何とかなります。
 ミスがいくつも重なって重大な事故が起こると言われています。夜中に帰れるぐらいの状況の人です。何とかしましょう。そして、前日の夜に自分の病院にかかっていれば、外来担当医は通常何とかしようとしてくれます。これが別の病院へ行ってしまうと、悪口を言われたりすることがありますから、大変です。私もその経験があります。

・病院の外来患者数を増やすのも意味があります。
 病院は色々ありますが、一応商売ですから利益を上げなければなりません。利益がないのに看護師さんやスタッフの給料は出せませんし、良い器械も買えません。利益をあげなければ、患者さんに良い医療を提供できません。
 よって、当直中に来た患者さんを全員翌日受診とすれば、外来患者さんが増えて病院が儲かるかも知れません。

 と言う事で、当直中に患者さんが来て、帰宅してもらう時には、明日ここに来てくださいと伝えるのが良いと思います、、、、、、、、、たぶん。


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治療はジレンマとの闘いです。 [研修医教育]

 若い先生やこれから医師を目指そうと思っている方、そして患者さんにも知っていただきたいことです。

 どんな行動も利点と欠点があります。欠点がない行動はあまりないはずです。一説にはナンパは自分のプライドが傷つく以外に欠点はないそうですので、自分のプライドを捨ててしまえば、不利益はありませんが(^^)。

 医療では、利点と欠点が激しくぶつかりあうような事がとても多いです。例えば、呼吸状態が悪い患者さんが運ばれてきます。頻度は分かりませんが、結構な人が血圧が低いです。重症な場合、人工呼吸器をつながなければなりません。人工呼吸器をつなごうとすると、少なくとも二つの介入が血圧を下げやすいです。が、この二つの介入をしないと呼吸状態の改善を得られません。でも血圧が下がっても患者さんには不利益です。

 一つは鎮静剤です。人工呼吸をする場合、一般的には気管挿管と言って気管に管を入れなければなりません。これを入れる処置、あるいは入れた状態はつらいので、意識を落とす必要があります。この意識を落とすために使う鎮静剤が血圧を下げるものが多いです。じゃあ、この鎮静剤を使わないで、患者さんに我慢してもらうべきなのか?と言う事を考えなければなりません。ケタラールという注射があって、これは血圧が上がるようですが、麻薬なので使うための手続きが少し面倒です。

 もうひとつは、人工呼吸そのものです。無理矢理ガスを肺に送り込むという事が血圧を下げます。じゃあ、人工呼吸をしないのか?と言えば、呼吸状態が悪かったらしないわけにはいきません。

 野球でも、ノーアウト一塁なら必ず送りバントかと言えば、今のランナーは足が遅く、バッターはバントが苦手、どちらも選手交代するには早すぎるし、今は1ー0で負けているから、どうしてもランナーを塁に進めたい、送りバントか?それとも打ちに行くか?あるいは四球を待つか?とても難しい判断だと思います。

 教科書には書かれていないことも結構あり、医療の判断はとても難しい場合があると言う事をご理解いただければ幸いです。ネットでこう書いてあったからと言う事で医療が出来れば医師はいりませんから。

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敷居は低くしましょう。大変だけど。 [研修医教育]

 私が学生の時にある病院の先生に伺ったお話です。

 例えば、あなたが脳外科医だったとして、脳腫瘍の治療を一生懸命やりたいと考えたとします。病院内はもちろん、院外にも、脳腫瘍を診ますから、疑われる患者さんは紹介してくださいとお願いします。

 通常それだけでは脳腫瘍の患者さんは増えません。確か、脳腫瘍は1年で人口1万人に1人ぐらいの発生率です。高崎市の人口は37万人ぐらいですので、年間37人の患者さんが発生するはずですが、全部があなたの所には来ません。

 なぜなら、多くの医者は脳腫瘍に興味がないからです。よって、頭痛があると言って病院に来ても、積極的にCTやMRIを撮ったりはしません。よって、手術も出来ないような手遅れの状態になって見つかることもあるでしょう。何でこんなになるまで放置しておいたんだ!と怒っても仕方がありません。脳外科医であるあなたが、貧血や便潜血陽性に興味がないのと同じです。

 だから、脳腫瘍をたくさん診たいと考えたら、頭痛外来というのを始めます。そして、鼻水が出て頭痛があると言うような、明らかに風邪の患者さんでもちゃんと診ます。そのうち脳腫瘍が見つかるでしょうし、あの先生は何でもちゃんと診てくれるからと紹介も来るでしょうし、患者さんの評判も広がり、脳腫瘍ならあの先生となるかも知れません。が、本当に脳外科医が診なければいけない患者さんではない人もたくさん担当しなければなりません。でも、それをしなくて、専門しかしないというのであれば、多くの患者さんは来ないでしょう。

 しかし、専門家と言われる人たちは、なかなかそうしません。もちろんお忙しいんだとは思いますが、だいたいの専門家は敷居が高いです。頭が痛いと訴えているのですが、CTもMRIも異常がないんですと相談すると、それこそが専門家の出番ではないかと思いますが、それはうちじゃないよね、、、、、、、と興味を示してくれない人がいます。お腹を痛がっていて、強い鎮痛剤も使ったのに改善しない、画像も異常がない、、、、、、、、内視鏡をした方が良いと思うのですが状態が悪い、、、、、、、、今から緊急手術をしたいのですが、血圧がメッチャ低くて肺も悪い、、、、、、、これらは全て専門家の出番だと私は思います。が、そんなの何も出来るはずがないと言って関わってくれない医師がいます。それは出来ないでも良いですが、じゃあ後は私が担当しますと何故言えないのでしょうか?

 私は元外科医で、最初の指導医に言われた言葉があります。内科の先生にコンサルトされたら「分かりました。後はこちらでやっておきます。」と言う答え以外はないと言うのです。手術が必要ならば、当然手術をして、その後外科で担当します。手術適応でなければ、そのままの治療を継続すればいい訳で、1日数回回診に行ってカルテを書くだけです。慣れた医者なら(そして手術が必要ないので落ち着いているわけですから)その患者さんにかかる時間は10分程度でしょう。その10分がイヤだから内科で管理をお願いする、、、、、、、、お前はいつからそんな偉い人間になったんだ!?と言う事です。

 そんなの手術できない、そんなの麻酔かけられない、そんなの内視鏡出来るわけがない、そんなの透析回せない。言うのは簡単です。私でも言えますよ。私は何も出来ない救急医ですが、手術できない、麻酔かけられない、内視鏡出来ない、透析回せない、、、、、、、、専門家であるあなたが、私と同じ事言っていて、専門家を名乗って良いのですか???専門的な知識や技術は一体何のために身につけたのですか?死ぬ気で頑張って勉強して、色々な病院でひどい目に遭いながら学んで、休むことに後ろめたさを感じながら学会に行ったり、家族サービスをないがしろにして家族に怒られ、、、、、、そうやって身につけたのは何のためですか?「こんな患者さんには、その技術は使えない」と言うためですか?私でも言えるような言葉を発するために、、、、、、、、難しいけどやってみましょうとは言えないのでしょうか?言えなくても、では、私が担当になりますと言えないのでしょうか?

 そして、そう言う風に敷居を高くしてしまうことで、コンサルトしにくくなり、患者さんへの早期介入が遅れるというリスクを考えていただきたいです。もちろん、必要なのにコンサルトをしない医者にも責任はありますが、コンサルトをする方はすごく気を遣っていると言う事、忘れないようにして欲しいです。

 研修医の先生方は、是非、専門的な知識を身につけると言う事はどういうことか?良く考えていただければ幸いです。


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救急隊員は研修医とは違います。 [研修医教育]

 よく間違えている人がいますが、救急救命士さんと研修医は違います。救急救命士さんは、質の高い搬送を目指しています。我々医師とは目差しているところが違います。もちろん、究極は患者さんの満足ですから、目差すところは同じなんですが、我々はお互いの役割が違います。救急救命士さんは研修医ではないので、あれやってない、これやってないは可哀想なんです。研修医の先生にもあれやってない、これやってないは可哀想なんですが。

 極論を言えば、救急救命士さんは搬送に必要のない情報は得るべきではないです。
 家族がいるかどうか、既往歴は、リスクファクターは、歩けるかどうかなど、病院の選定、病院までの搬送に絶対に必要な情報ではありません。胸痛を訴えているのに心筋梗塞が診られない病院へ搬送するのは良くないと思いますし、麻痺があって脳梗塞っぽいのにtPAが出来ない病院へ搬送するのもどうかと思います。医師は色々な情報を聞いて診断をして治療をするのが仕事ですが、救急救命士さんは、患者さんを適切な病院へ搬送するのが仕事です。脳梗塞疑いで発症から30分であれば、これはtPAの出来る病院へ運ぶ以外にありません。実は糖尿病性ケトアシドーシスだった、アルコール依存症で意識レベルが低下していてただ指示に従えなかっただけだったとしても、これは許容せざるを得ません。オーバートリアージと言いますが、重大で時間との勝負な問題を優先します。

 よって、病院で救急車を受ける医師は、ある程度の情報不足は仕方ないと思うしかないです。リスクファクターが必要であれば自分で聞けば良いです。心筋梗塞の疑いだって言ってたけど、気胸だったじゃないかって怒っても仕方ありません。

 救急隊の方々は一体どんな風に患者さんの現場へ行き、どうやって連れてきているか想像しましょう。冬の群馬は強風が吹き荒れます。交通事故などの事案では寒くて寒くて大変でしょう。夏の群馬は超暑いです。長袖を着てヘルメットをかぶってトイレも自由に行けず、コンビニによることも出来ず、、、、、、、、搬送時間は短くしなければいけませんから、急いで病院へ連絡し、家族や患者さんにも気を遣い、周囲の野次馬にも注意し、3人という少ない人数で超太った人でも車に搬入して処置しながら病院へ来るのです。
 聞いた話では、着いたとたん、酔っ払いの人に、来るのが遅いんだ!って絡まれたり、搬送中に目覚めた患者さんに殴られたり、色々大変なお仕事です。
 そんな時に、既往歴や内服歴、リスクファクターとか聞いてなくたって、今から聞いたら良いじゃないですか。現場でしか分からない情報がとれてなかったとしても、仕方ないじゃないですか。これからどうするかを考えませんか。

 救急隊の方は熱い方が多いです。病院スタッフと同じで、全ては患者さんのためにと思って頑張っているんです。病院で受け入れる仲間から怒られたりしたら、可哀想すぎます。大変でしたね、お疲れ様でした!ぐらいは言うようにしましょう。

 と言う私も出来ているかと言えば出来ていません。一番読ませたいのは自分です(^^)。



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1号液を救急外来で使うのは有用か? [研修医教育]

 点滴は色々な種類があってどう使い分けるのか?難しいですよね。それをややこしくしている原因の一つは1号液などがあるソリタです。病院によってソルデムとかでしょうね。これは日本にしかない薬剤だって知っていましたか???そうなんです、この何号液というのがくせ者なのです。極論を言えばこれらは使わなくて良いです。点滴をスムーズにしたい方は、生理食塩水とブドウ糖液だけにしても良いと思います。必要な成分は追加すれば良いのです。

 しかし、小児科の先生に多いようですが、とりあえず1号液をと言う場合があります。今回はこの事について考えてみましょう。ポイントは二つです。

・カリウムフリーである。
 この輸液の一番のウリはカリウムが入っていないと言うことです。カリウムが高い人にカリウムを投与したらまずいと言う事です。カリウムが入っていない輸液は生理食塩水もブドウ糖もあります。カリウムを入れたくないという理由だけで1号液を使う理由はありません。
 例えば、生理食塩水のデータですが、かえってカリウムが高くなったという報告もあります。1号液には乳酸が含まれていて、pHは3.5〜6.5です。血液が酸性になると、それを最小限にしようと細胞内に水素イオンが取り込まれ、その代わりにカリウムが放出されます。カリウムを高くしたくないから1号液を選んだのに、カリウムが上昇しないのか?良く考える必要があります。

・浸透圧が低めである。
 この輸液は、ナトリウムが90mEq入っています。生理食塩水は154mEqのためにやや薄くなっています。言い換えれば、生理食塩水にブドウ糖が混ぜてあると言う事です。来院された患者さんが循環血液量減少であれば生理食塩水などが必要で、水分の不足であればブドウ糖が必要だから、一度に両方を入れちゃえ!みたいな感覚なのでしょうか?何故両方を別に入れてはいけないのでしょうか?患者さんが循環血液量減少と水分の不足の割合がいつも一定なのでしょうか?

 救急外来に来られる患者さんの多くは循環血液量減少ではないでしょうか。だから生理食塩水や乳酸リンゲル液が、開始液として適切ではないかと感じますが、いかがでしょうか?

 以下の本のP.185にも書かれています。是非お読みください。


ER・ICU 100のdon'ts-明日からやめる医療ケア

ER・ICU 100のdon'ts-明日からやめる医療ケア

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 中外医学社
  • 発売日: 2016/12/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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マンションを買いませんか?と言う電話は直ぐ切りましょう。 [研修医教育]

 医師が高給取りかどうかについては議論がつきませんが、どちらにしても平均よりも上の収入をもらっていると思います。

 そうなるとそのお金を目当てに色々する人がいます。その一つがマンションです。

 研修医の先生方、注意してください。研修医の時に教わらなかった先生もです。

「マンションを買いませんか?」という電話がかかってきたら、直ちに切ってください。

 今日の言いたいことはそれだけです。理由を知りたい方は以下を読んでください。

理由はこちらをクリック!


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過換気症候群に注意しましょう [研修医教育]

 今回は過換気症候群についてです。以下の救急科専門医筆記試験の問題を5秒で解けた方はこの記事を読む必要はありません。悩んだ方は是非お読みください。

平成22年度問題53
 22歳の女性。呼吸困難で来院した。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air)の結果を示す。過換気症候群以外の病態を疑う根拠となる所見はどれか。1つ選べ。
(a)pH 7.523
(b)PaO2 70.2Torr
(c)PaCO2 24.8Torr
(d)HCO3- 23.8mEq/l
(e)BE-1mEq/l

答えが分からない方はこちらを読んでください。


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診断名はいりません [研修医教育]

 診断とは、患者さんがどのような病気があり、どれくらい重症なのかと言う事を判断することで、医療の現場では医師、そしてお産に関することであれば、医師と助産師のみに許されていることです。厳密に言えば、看護師さんや救急救命士さんが病名をつけることは法律違反です。

 しかし、看護師さんも救急救命士さんも診断をつけるのが好きです。看護診断というのもあるようですし、救急救命士さんはそのように指導を受けるのでしょうか?何故診断をつけたがるのかについては、ここでは述べませんが、今日は診断をつけることによるリスクについて書きます。

 アンカーリングエラーという決めつけによるエラーがあります。診断をつけてしまうと、それに陥りやすいと思っています。

 救急隊から病院に電話がある時を例に取ってみます。「45歳の男性が急性アルコール中毒です」と報告があります。病院では、一定の雰囲気が流れます。関わったことがある人だけ分かる雰囲気です。患者さんに対して点滴をし、様子を診ればいいや、、、、、、、、と言う風になります。たぶん95%以上の確率で問題ないでしょう。
 しかし、お酒を飲んで良い気分になっていたら、たまたま心筋梗塞を起こしたのかも知れません。高齢者、女性、糖尿病のある人は胸痛を自覚しないこともあります。例えば心筋梗塞なんだけど胸痛は訴えず、嘔気だけのことがあります。お酒を飲み過ぎて嘔気があるのか、心筋梗塞で嘔気があるのかは調べなければ分かりません。なのに、救急隊の方が、お酒をたくさん飲んでいて嘔気が出現したからアル中だろうと判断し、病院にそれを報告し、病院でもアル中だと決めつけて、患者さんが死亡した場合、責任は誰にあるのでしょうか?
 裁判だと医師や病院にしか責任は問われませんが、救急隊員の責任はないのでしょうか?「お酒を飲んでいる時に急に嘔気があり、お酒と関係があるかどうかは分かりません」とか「嘔気を訴えている患者さんの収容をお願いします。40年来の喫煙歴があり、糖尿病で通院中です。血圧がやや高めで150/85、健康診断で高血圧を指摘されたことがあるそうですが、治療は一度も受けていないそうです」等と言えば、心電図をとらない、検査をしない医者はいないと思います。

 過換気症候群も同じです。「過換気症候群の患者さんです」と報告があるのですが、気胸だったり肺塞栓だったりと言うことがあります。「呼吸困難を訴えていて、呼吸数が30回の患者さんです」と報告してはいけないのでしょうか?診断をつけて病院へ搬送した方が格好いいのでしょうか?

 診断をつける理由も是非考えていただきたいです。診断をつけなければ治療が出来ないから診断をします。逆に言えば診断をつけなくても治療が出来るのであれば、診断をつける必要はありません。救急隊員の方や看護師さんは診断をつけなくても行うべきことは大きく変わらないのではないでしょうか?診断をつけることでミスを誘発する可能性があるのであれば、診断はつけない方がいいのではないでしょうか?考えていただけたら幸いです。

 私は救急医ですので、ミスをしないよう、過換気もアル中も他に重大な疾患が無いか必ずチェックします。尿管結石の疑いと言われても、大動脈は必ずチェックします。入院を他科の先生にお願いする時にも、診断がつけられていなければ、腹痛の患者さんをお願いしますなどと言っています。入院時の病名にも「虫垂炎疑い」などとつけないようにしています。診断をつけることで可能性を狭めてしまい、患者さんに不利益が及ばないようにと思います。


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研修医の先生にどう指導していますか? [研修医教育]

 救急外来で研修医の先生と一緒に仕事をしていると、必ず何か指導をしなければいけません。その時にどうするのかは色々だと思いますが、6-micro skillsと言うのがあります。是非実践してみましょう。

(1)考えを聞く
(2)根拠を聞く
(3)一般論を示す
(4)出来たことを褒める
(5)誤りを修正する
(6)さらなる学習を進める

 と言う事です。つまり以下のような感じです。

研修医ななみん 「先生、一過性の意識障害の患者さんです。今から頭部CTを撮りに行こうと思います。」
指導医K 「ななみん先生は、この患者さんは何だと思ったの?」
研修医ななみん 「はい、この患者さんは意識レベルが3分ほど低下し、現在はJCSで0ですので失神だと思います!」
指導医K 「失神だったら、頭が原因である可能性は低いと思うんだけど、何故頭部CTを撮ろうと思うの?」
研修医ななみん 「はい、仰るとおり頭部CTはしなくてもいいかも知れませんが、まれにくも膜下出血で失神のみと言う人がいるとA先生に聞いたので念のために行っておきたいです。」
指導医K 「なるほど、確かにくも膜下出血では99%に頭痛があると言うから、1%は頭痛がないと言うことだもんね。よく勉強しているね!でも、失神は一時的な血圧の低下と言われているから、心臓や消化管出血がないか、内服のチェックなども忘れないようにね。」
研修医ななみん 「はい!!すでにチェック済みです!」
指導医K 「さすがだね!えらい!先生は患者さんから良く話を聞いているから偉いね。僕はいい加減だから先生に学んでいるよ。」
研修医ななみん 「ありがとうございます!でも、先生、いつも私の診察をチェックしている振りをして私のお尻を見ているんじゃないでしょうね(^^)。」
指導医K 「(ばれてたか、、、、、、、、)次はしり、、、、、、、じゃなくて心エコーを先にしても良いかもね。下大静脈の虚脱とかあれば循環血液量減少もチェックできるしりね。」
研修医ななみん 「先生、お尻に執着しすぎです!」
指導医K 「林寛之先生のStep Beyond Residentに失神について詳しく書いてあるから、あとで貸してあげよう。(本当は研修医に見せちゃダメって書いてあるんだけど、可愛いからいっか)」

これができない場合があります。


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第六感を大切にしましょう [研修医教育]

 先日兵庫医科大学で行われた救急専門医セミナーに参加させていただきました。

 そこで学んだことを書いてみます。今回は「Gut feeling」です。日本語だと第六感みたいなものです。

 誰でも何かヤバい、何かおかしいと感じることがありますよね。医療に限らず、車の調子とか、奥さんの機嫌とか(^^)。それが以外に当たっているということです。

 岩田健太郎先生のブログにその論文の事が書かれていました。陽性尤度比は22.8だったそうです。

 小児患者さんを診察して、どうも感染症らしいけど、検査は全部異常なし。でも、この子なんとなく元気ない様に見えるし、お母さんもいつもより元気がないと言ったとします。これは検査が異常がないから帰して良いとしてはいけません。

 例えば重症な病気の可能性が50%だったとします。事前オッズは1です。オッズは有り得る確率÷あり得ない確率なので、50%の時は1です。

 なんとなく元気ないと感じたら、陽性尤度比が22.8なので、事後オッズは22.8です。

 これを確率に治すと、22.8÷23.8=95.8となります。

 ほぼ間違いなく重症な患者さんです。そのまま帰してはいけませんね。
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