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マンションを買いませんか?と言う電話は直ぐ切りましょう。 [研修医教育]

 医師が高給取りかどうかについては議論がつきませんが、どちらにしても平均よりも上の収入をもらっていると思います。

 そうなるとそのお金を目当てに色々する人がいます。その一つがマンションです。

 研修医の先生方、注意してください。研修医の時に教わらなかった先生もです。

「マンションを買いませんか?」という電話がかかってきたら、直ちに切ってください。

 今日の言いたいことはそれだけです。理由を知りたい方は以下を読んでください。

理由はこちらをクリック!


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過換気症候群に注意しましょう [研修医教育]

 今回は過換気症候群についてです。以下の救急科専門医筆記試験の問題を5秒で解けた方はこの記事を読む必要はありません。悩んだ方は是非お読みください。

平成22年度問題53
 22歳の女性。呼吸困難で来院した。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air)の結果を示す。過換気症候群以外の病態を疑う根拠となる所見はどれか。1つ選べ。
(a)pH 7.523
(b)PaO2 70.2Torr
(c)PaCO2 24.8Torr
(d)HCO3- 23.8mEq/l
(e)BE-1mEq/l

答えが分からない方はこちらを読んでください。


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診断名はいりません [研修医教育]

 診断とは、患者さんがどのような病気があり、どれくらい重症なのかと言う事を判断することで、医療の現場では医師、そしてお産に関することであれば、医師と助産師のみに許されていることです。厳密に言えば、看護師さんや救急救命士さんが病名をつけることは法律違反です。

 しかし、看護師さんも救急救命士さんも診断をつけるのが好きです。看護診断というのもあるようですし、救急救命士さんはそのように指導を受けるのでしょうか?何故診断をつけたがるのかについては、ここでは述べませんが、今日は診断をつけることによるリスクについて書きます。

 アンカーリングエラーという決めつけによるエラーがあります。診断をつけてしまうと、それに陥りやすいと思っています。

 救急隊から病院に電話がある時を例に取ってみます。「45歳の男性が急性アルコール中毒です」と報告があります。病院では、一定の雰囲気が流れます。関わったことがある人だけ分かる雰囲気です。患者さんに対して点滴をし、様子を診ればいいや、、、、、、、、と言う風になります。たぶん95%以上の確率で問題ないでしょう。
 しかし、お酒を飲んで良い気分になっていたら、たまたま心筋梗塞を起こしたのかも知れません。高齢者、女性、糖尿病のある人は胸痛を自覚しないこともあります。例えば心筋梗塞なんだけど胸痛は訴えず、嘔気だけのことがあります。お酒を飲み過ぎて嘔気があるのか、心筋梗塞で嘔気があるのかは調べなければ分かりません。なのに、救急隊の方が、お酒をたくさん飲んでいて嘔気が出現したからアル中だろうと判断し、病院にそれを報告し、病院でもアル中だと決めつけて、患者さんが死亡した場合、責任は誰にあるのでしょうか?
 裁判だと医師や病院にしか責任は問われませんが、救急隊員の責任はないのでしょうか?「お酒を飲んでいる時に急に嘔気があり、お酒と関係があるかどうかは分かりません」とか「嘔気を訴えている患者さんの収容をお願いします。40年来の喫煙歴があり、糖尿病で通院中です。血圧がやや高めで150/85、健康診断で高血圧を指摘されたことがあるそうですが、治療は一度も受けていないそうです」等と言えば、心電図をとらない、検査をしない医者はいないと思います。

 過換気症候群も同じです。「過換気症候群の患者さんです」と報告があるのですが、気胸だったり肺塞栓だったりと言うことがあります。「呼吸困難を訴えていて、呼吸数が30回の患者さんです」と報告してはいけないのでしょうか?診断をつけて病院へ搬送した方が格好いいのでしょうか?

 診断をつける理由も是非考えていただきたいです。診断をつけなければ治療が出来ないから診断をします。逆に言えば診断をつけなくても治療が出来るのであれば、診断をつける必要はありません。救急隊員の方や看護師さんは診断をつけなくても行うべきことは大きく変わらないのではないでしょうか?診断をつけることでミスを誘発する可能性があるのであれば、診断はつけない方がいいのではないでしょうか?考えていただけたら幸いです。

 私は救急医ですので、ミスをしないよう、過換気もアル中も他に重大な疾患が無いか必ずチェックします。尿管結石の疑いと言われても、大動脈は必ずチェックします。入院を他科の先生にお願いする時にも、診断がつけられていなければ、腹痛の患者さんをお願いしますなどと言っています。入院時の病名にも「虫垂炎疑い」などとつけないようにしています。診断をつけることで可能性を狭めてしまい、患者さんに不利益が及ばないようにと思います。


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研修医の先生にどう指導していますか? [研修医教育]

 救急外来で研修医の先生と一緒に仕事をしていると、必ず何か指導をしなければいけません。その時にどうするのかは色々だと思いますが、6-micro skillsと言うのがあります。是非実践してみましょう。

(1)考えを聞く
(2)根拠を聞く
(3)一般論を示す
(4)出来たことを褒める
(5)誤りを修正する
(6)さらなる学習を進める

 と言う事です。つまり以下のような感じです。

研修医ななみん 「先生、一過性の意識障害の患者さんです。今から頭部CTを撮りに行こうと思います。」
指導医K 「ななみん先生は、この患者さんは何だと思ったの?」
研修医ななみん 「はい、この患者さんは意識レベルが3分ほど低下し、現在はJCSで0ですので失神だと思います!」
指導医K 「失神だったら、頭が原因である可能性は低いと思うんだけど、何故頭部CTを撮ろうと思うの?」
研修医ななみん 「はい、仰るとおり頭部CTはしなくてもいいかも知れませんが、まれにくも膜下出血で失神のみと言う人がいるとA先生に聞いたので念のために行っておきたいです。」
指導医K 「なるほど、確かにくも膜下出血では99%に頭痛があると言うから、1%は頭痛がないと言うことだもんね。よく勉強しているね!でも、失神は一時的な血圧の低下と言われているから、心臓や消化管出血がないか、内服のチェックなども忘れないようにね。」
研修医ななみん 「はい!!すでにチェック済みです!」
指導医K 「さすがだね!えらい!先生は患者さんから良く話を聞いているから偉いね。僕はいい加減だから先生に学んでいるよ。」
研修医ななみん 「ありがとうございます!でも、先生、いつも私の診察をチェックしている振りをして私のお尻を見ているんじゃないでしょうね(^^)。」
指導医K 「(ばれてたか、、、、、、、、)次はしり、、、、、、、じゃなくて心エコーを先にしても良いかもね。下大静脈の虚脱とかあれば循環血液量減少もチェックできるしりね。」
研修医ななみん 「先生、お尻に執着しすぎです!」
指導医K 「林寛之先生のStep Beyond Residentに失神について詳しく書いてあるから、あとで貸してあげよう。(本当は研修医に見せちゃダメって書いてあるんだけど、可愛いからいっか)」

これができない場合があります。


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第六感を大切にしましょう [研修医教育]

 先日兵庫医科大学で行われた救急専門医セミナーに参加させていただきました。

 そこで学んだことを書いてみます。今回は「Gut feeling」です。日本語だと第六感みたいなものです。

 誰でも何かヤバい、何かおかしいと感じることがありますよね。医療に限らず、車の調子とか、奥さんの機嫌とか(^^)。それが以外に当たっているということです。

 岩田健太郎先生のブログにその論文の事が書かれていました。陽性尤度比は22.8だったそうです。

 小児患者さんを診察して、どうも感染症らしいけど、検査は全部異常なし。でも、この子なんとなく元気ない様に見えるし、お母さんもいつもより元気がないと言ったとします。これは検査が異常がないから帰して良いとしてはいけません。

 例えば重症な病気の可能性が50%だったとします。事前オッズは1です。オッズは有り得る確率÷あり得ない確率なので、50%の時は1です。

 なんとなく元気ないと感じたら、陽性尤度比が22.8なので、事後オッズは22.8です。

 これを確率に治すと、22.8÷23.8=95.8となります。

 ほぼ間違いなく重症な患者さんです。そのまま帰してはいけませんね。
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血糖をどのスピッツで測定するか? [研修医教育]

 救急外来では、ほぼ全員と言って良いぐらい患者さんに対して採血が行われます。やはり重大な病気を見逃してはいけませんので(採血したから見逃さないという保障はないのですが)。

 救急外来でのフルセット採血は、血算(以前はCBCと言っていたのですが、群馬では通じません)、生化学、凝固、BNP(B7と言うスピッツで採血します)の4本です。「4本採血してください」などと看護師さんにお願いします。

 これに血糖を追加して、「5本で」という人がいます。研修医の先生は、指導医が誰かによって採血を4本か5本か変えなければいけないので大変です。お疲れ様です。

 さて、血糖は本当に血糖専用のスピッツで採血しなければいけないのか?と言うのが今日のテーマです。

 結論から先に言えば、血糖のスピッツは救急外来には不要です。色々なご意見があると思いますが、私の意見を書きます。

意見を聞きたい方はこちら。


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内痔核は触れません [研修医教育]

 私が以前聞いた話です。

 軽度の貧血があり、便に血が混じると言う患者さんが来られました。内科を受診され、直腸診までされていますが、カルテには「内痔核を触れる」と書かれていたのみです。鉄剤が処方され、経過観察となったようですが、半年後に直腸癌と診断され、手術を受けました。その半年後に肝転移が発見され、、、、、、みたいな経過になったようです。

 この患者さんで改善した方がよかったことは二つです。
・貧血は精密検査をすべきです。
・内痔核は触れません。

・貧血は精密検査をすべきです。
 貧血は色々な原因で起こります。鉄欠乏性貧血が一番多いのでしょうが、例外を重視するのが医療の原則だと思います。鉄欠乏性貧血であれば鉄剤を処方し、原因を突き止める必要があります。特に癌じゃないか調べるべきだと私は思います。私が普通の外来をしていた時は、若い女性であっても胃カメラ、大腸カメラ、婦人科受診をお勧めしていました。胃がんは特に若くてもありますからね。堀江しのぶさんは23歳で亡くなっています
 これをしていれば、内痔核を触れると思っていても、内視鏡で直腸癌が見つかって、早期で(この時点で進行癌だったのかも知れませんが)治療できたかも知れません。

・内痔核は触れません。
 内痔核は静脈瘤です。直腸診を素手で行う人はいないでしょうし、肛門はしまっていますので、血栓ができているとか、何かなければ何も触れません。よって、直腸診をして何か触れれば、外科医に相談すべきだと思います。便だと思っても癌だったという事もあるので、何か触れれば必ず大腸カメラを勧めています。
 よく分からないことは専門医に相談するべきです。直腸診をして何かが触れたら、あるいは何も触れなくても、直腸診を自分がしようと思うような病態であれば、外科医に相談しましょう。

お前の意見なんていらないという方へ


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外傷はない? [研修医教育]

 外傷 traumaと創 woundの違いについて学びましょう。

 「交通事故で全身打撲の患者さんです。歩行は可能だそうです。外傷はありません。」と言う連絡が、救急隊からあったとします。この文章で間違いはどれでしょう?と言われたら答えられますか?答えられたら、この記事は読まなくて良いです。

 答えは「外傷はない」→「創はない」です。

 たぶん法医学では、この表現は正しいのでしょうが、外傷 traumaと言う言葉は、患者さんの反応の有無は問いません。打撲も外傷です。お湯がかかれば、それだけで熱傷です。創は、皆さんが思う傷になります。皮膚の連続性が絶たれた状態とでも言うのでしょうか。

 個人的には、患者さんに創があるかどうかというのは、そんな大きな情報ではないと思うのですが、必ず外傷はありませんと報告があります。厳密に言ったのであれば、交通事故で車がぐちゃぐちゃになったのに、スタントマンか何かで、どこも打っていないと言う事になります。が、きっと創がないという事なんだろうなと分かるから良いんですがね。

 何故そう言う考えをするかというと、熱傷は数日経ってから水疱になったりすることがありますし、皮膚に異常がなくても内臓に損傷がある場合もあります。体表面だけを見て異常があるなしと判断してはいけないのです。「外傷がない」と言う風に言う事で軽症なんじゃないかと感じてしまうのがいけないのです。

 高エネルギー外傷という言葉があります。外傷を診た場合、創の派手さに目を奪われてはいけません。この人にどのぐらいのエネルギーが加わったのかを考え、相当なエネルギーであると考えれば患者さんがピンピンしていても重症だと考えるということです。外傷ではそう言う考え方をしましょう。

 正確な用語かどうかは分かりませんが、精神的なトラウマというのも、トラウマという言葉からしたら間違っていないと感じます。

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脱水という言葉に注意しましょう [研修医教育]

 脱水とは何か?と言われたら答えられますか?下痢がひどい人が来られて、血圧が80/60mmHg、脈拍数が125/分だったら、「これは脱水だね!輸液をしよう!」と言っていませんか?実はこれは正しくありません。

 えー!そうなの?と言う方は以下をお読みください。知ってるよ、そんなこと常識じゃん!!と言う人は、ここまでお付き合い頂きありがとうございます。脱水を間違えている人は多いんだと言うことを再認識して頂けたと思います。

 先ほどの血圧が低くて脈が早い人は、volume depletionです。日本語だと循環血液量減少です。ナトリウムと水が欠乏している状態です。UpToDate "General principles of disorders of water balance (hyponatremia and hypernatremia) and sodium balance (hypovolemia and edema)"によれば、以下の通りです。日本語だと「水分(低ナトリウム血症と高ナトリウム血症)、塩分(循環血液量減少と浮腫)バランスの異常の一般原則」

 Hypovolemia refers to any condition in which the ECF volume is reduced and, when severe, can lead to hypotension or shock. Hypovolemia is usually induced by salt and water losses that are not replaced (eg, vomiting, diarrhea, diuretic therapy, bleeding, or third-space sequestration). By contrast, unreplaced primary water loss, due to insensible loss by evaporation from the skin and respiratory tract or to increased urinary water loss due to diabetes insipidus, does not usually lead to hypovolemia, because water is lost disproportionately from the intracellular fluid compartment which contains approximately two-thirds of the total body water.

日本語が読みたい方はこちらを。


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貧血=鉄剤投与はやめましょう。 [研修医教育]

 私が受け持った患者さんで、初めて亡くなった患者さんは赤芽球癆という病気の患者さんでした。

 この病気は、赤血球だけが上手く作られなくて、貧血(ふらっとすることではなく、血液が薄いことです)になってしまう病気です。貧血に対して輸血が行われるのですが、輸血された血液は、そんなに長く体の中で生きていないので、頻繁に輸血されていました。血液中には鉄がたくさん含まれています。赤血球が壊れると同時に、鉄も体の外に出ればいいのですが、そうはいかず、鉄が体の中にどんどんたまっていきます。そのため、ヘモクロマトーシスという体に鉄が過剰にたまってしまったために起こる病気になってしまいました。私が担当させて頂いたのはこの頃です。

 デスフェラールという薬を注射して、鉄分を外に出します。鉄とくっついておしっこから外に出る薬です。今は飲み薬もあるのですが、私が研修医の頃は注射薬しかなく、患者さんに筋肉注射を毎日するのが大変でした(看護師さんが(^^))。

 この患者さんはいつもオシャレなパジャマを着ていました。カラオケで「もう恋なんてしない」を歌うと、この患者さんと似たパジャマを着た人が映像に出てきて、この曲を歌ったり、他の方が歌われると、いつも患者さんのことを思い出します。

 私はこの人に教わったために、鉄の過剰に非常に敏感です。貧血だと言うだけで鉄剤を投与する医師がたまにいますが、私はどうしても出来ません。鉄欠乏性貧血かどうか、フェリチンの結果が出るまで内服をするというのであれば構わないと思いますが、フェリチンを測定せず、実は鉄欠乏性貧血ではないのに鉄剤をずっと投与されている患者さんを診るととても残念に思います。国家試験に小球性貧血の原因として慢性消耗性疾患に伴う貧血というのが出てくるのに、忘れてしまうのでしょうか?

 鉄の過剰は作ってはいけません。Sさん、私はあなたのことを忘れず、あなたのように苦しんで死ぬ人を出さないようにしていますよ!!私が死んだら、天国で一緒に「もう恋なんてしない」を歌いましょう!!



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