So-net無料ブログ作成
検索選択

緊急内視鏡時に鎮静は必要です。 [医学関連]

 吐血や下血をして緊急胃カメラが必要になることがあります。私もごくまれに胃カメラをさせていただきますが、鎮静をしようとすると、反対されることがあります。医療スタッフに。

 理由としては、血圧が低いのに鎮静剤を使ってより下げたら危ない、呼吸が止まったら危ないと言うものです。

 しかし、私は救急医ですので、血圧低下、呼吸停止は慣れています。それから、起こりそうだと分かっていて、胃カメラ中は目の前にいますし(注意は別の所に向いているかも知れませんが)、何でダメなんだろうか?と思います。

 逆に緊急胃カメラなどは特に苦しむ人が多いです(私が下手だからでしょうか?)。何度も嘔吐してマロリーワイスになってもいけませんし、食道静脈瘤なら破裂させるかも知れません。血圧が急上昇して解離や脳出血を起こすかも知れません。だから鎮静した方が良いと思います。

 何よりも患者さんの苦痛軽減のためです。

 私の意見では意味がないので、、、、、、、、、日本消化器内視鏡学会による「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン」と言うのがあります。こちらのCQ10にあります。以下引用です。

 緊急内視鏡時に鎮静は必要か?
 ステートメント 10(エビデンスレベルII,推奨度 B)

 緊急内視鏡時には、安全性と確実性の観点から、鎮静下での処置が必要となることが多い。また、鎮静実施の有無に関わらず、安全性確保の観点から生体監視モニター使用が望ましい。

是非是非鎮静しましょう!


nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

モニターに反応するのは無駄なことが多いです。でも、、、、、、 [医学関連]

 以前心電図モニターを装着するのを辞めませんか?と言う記事を書きました。今回はそれと関連したモニターの話です。

 こちらの文献をご覧戴くと、モニターが鳴ったとしても、本当に介入が必要だった事例は6%程度しかなかったそうです。

 つまり、様々なモニターが病棟や救急外来で鳴り響きますが、9割以上は放置して良い物だと言う事です。なので、モニターには反応する必要がないという意見も出てくると思います。

 が、それはあくまで対応して何もなかったから分かったことで、対応する前には何かある可能性が高いと考えて対応すべきです。何しろ問題が発生する可能性が高いからモニターをつけるわけですよね。9割は無駄骨と分かっていても、毎回必ず対応するようにしましょう。

 飛行機事故、ストーカー殺人、その他色々、事故が起こってから、実はこれこれがあったと言う報道が出てきます。何故その時に対応しなかったのか!?と思いますが、事故が起こる前は、そうはいっても忙しいし、そう言うのってほとんど誤報なんだよね、、、、、、、、、と対応しないから事故になるのではないでしょうか?

 色々調べたけど何もなかったから、心配ないよ!!よかったね!!と言える雰囲気を作っていく事が大切なんだと思います。


nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

転院前に検査や治療をどこまで行うべきか? [研修医教育]

 病院は役割が色々あり、一つの病院で全てを行うことは不可能です。私が勤める病院は2.5次救急ぐらいまでの病院なので、例えば重症熱傷などは治療できません。よって、当院で治療できない場合には転院となります。他にも入院治療が出来ない病院であれば、入院となる患者さんはそれ以上の加療が出来ません。

 さて、その場合、検査や治療をどこまで行うべきか悩むところです。例えば、検査の多くは患者さんを受け入れた病院では再度行われます。そうすると、送り先の病院で検査をすることは無駄ではないか?と言う考えも出てきます。また、検査は色々なやり方があり、こう言う病気を疑っているから、こう言うやり方でと言う医師の指示が大切です。よって、専門でない医師がオーダーした検査は、専門医が検査を見てもよく分からない場合もあります。

 よって、専門の医師に診療を依頼するか、転院するかのばあい、緊急を要しない検査や治療は原則しないのが良いと思われます。しかし、何で検査やってないと言われることが多いです。

 それでも検査をしなくて良いと言う風に思いたいです。こちらのホームページにある文章も是非お読みください。

 以下引用です。

 したがって軽症のSAHを発症後すみやかに診断するためには病歴が頼りとなる。SAHの訴えの中で一番感度が高いのは頭痛だから、具体的には、突然発症の頭痛を訴える意識清明の患者さんが来院したら、CTもとらず、腰椎穿刺も行わず、そのまま脳神経外科に紹介するのが上策となる。紹介元としては、もしSAHでなかった場合を考えると、単に突然発症の頭痛というだけで、CTも撮らずに脳神経外科に紹介するのは気が引けるという向きもあるかもしれないが、診立て違いを恥じたり、紹介先に遠慮する必要は全くない。純粋な医療原則よりも、むしろこういった遠慮が軽症SAHの紹介を遅らせる主な原因になっていることを強調しておきたい。紹介先のあなたも、患者さんも、そして紹介先の脳神経外科医も、SAHの診断がはずれれば万々歳であることをあらかじめ納得して、以後の診療に臨めば、“こんな軽症で大げさな”という気持ちや、診立て違いを恥じる気持ちには決してならないはずだ。
 紹介元であるあなたの施設でCTを撮影したとしても、その結果如何にかかわらず、紹介先の脳神経外科では、SAHをより鋭敏に捉えるために、造影CTも含めて撮影条件を工夫してCT取り直すことはわかりきっている。なのにあなたが余計な手間隙をかけている間に再出血でもされたら、それこそ元も子もなくなってしまう。真っ当な脳神経外科医であれば、たとえ腰椎穿刺までやってSAHが否定されたとしても、患者さんとともにSAHでなかったことを喜ぶとともに、どんな軽症のSAHも見逃さないとするあなたの熱意を、患者さんの目の前で誉めてくれるはずだ。

 引用以上。

 と言う事ですが、このような医師に出会ったことありませんね。自分で自分を褒めておきます(^^)。
 先日は単純レントゲンで明らかに診断できた患者さんを、諸事情により某病院へ転送したら、CTも撮ってないんですか?と言われました。どうせそっちで撮ると思ったから撮らなかったんです、、、それから診断は明らかですし、転院に必要な情報だけあれば良いんじゃないの?と言う独り言です、、、たぶん。


nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

高血圧を伴ったアナフィラキシーでアドレナリンを使ってよいのか? [医学関連]

 昨日の記事へのコメントを戴き、調べて勉強になったので記事にします。コメントありがとうございました。

 アナフィラキシーとは、過剰なアレルギー反応で、血圧が下がったり、喉が腫れて気道が狭窄あるいは閉塞したり、喘息のように呼吸が困難になったりします。死亡してしまう場合もあって救急医療では避けて通れない疾患です。

 幸い、早期発見し、早期治療をすれば助けることが可能です。治療の一つはアドレナリンです。エピネフリンとも言いますが、アドレナリンと呼びましょう(理由はこちら)。

 アドレナリンは血圧を上げる作用があります。私の少ない経験ではアナフィラキシーの人は血圧が低いことが多いです。血圧がもし高かったら、アドレナリンを使って良いのでしょうか??と言う疑問が出てきますよね。

 今回はそれについて考えてみましょう。

 anaphylaxisとhypertensionでググってみたら、この論文がヒットしました。結論の部分に良い言葉が書いてあります。

 In conclusion, even though a hypertensive attack may occur in few of anaphylaxis patients, there must be no hesitation for using epinephrine during the potential life-threatening manifestations of anaphylaxis, such as upper airway obstruction. Anaphylaxis and hypertension can be recovered by epinephrine injection when required.

 アナフィラキシーの患者で高血圧を伴うことは少ないが、上気道閉塞のような、アナフィラキシーによる生命の危険がある症状があれば、アドレナリンを用いることに躊躇してはならない。アナフィラキシーと高血圧はアドレナリンの投与により回復するはずである。

 是非、躊躇することなくアナフィラキシーにはアドレナリンを使いましょう!!!


nice!(5)  コメント(2) 
共通テーマ:学問

人工呼吸器は従量式か?従圧式か? [医学関連]

 以前この事書いた気もしますが、検索でヒットしなかったので、再度書いても良いと思い、書きます。

 救急医療でよく使う器械の一つに人工呼吸器があります。正確には人工換気というべきなのかも知れません。が、細かいことは別として、人工呼吸器のモードの一つに従圧式と従量式というのがあります。

 人工呼吸器が患者さんに空気を送り始めるきっかけを、器械が決めるのが調節呼吸(control ventilation)と言います。患者さんが決めるのを補助呼吸(assist ventilation)と言います。

 またどのような方法で送り終わるのを決めるのか?で、補助呼吸では患者さんが決めますから特に名前はなく、調節呼吸のみで名前があります。一定の量のガスを送り終わったら終了(呼気になる)と言うのが従量式(volume-control)で、気道内圧がある一定の高さになれば終了するのが従圧式(pressure-control)です。が、現在はちょっと違って、吸気時間というのを決めて、例えば1秒と決めたら、従圧式であれば、1秒で一回換気量を500mlと決めたら、500ml/秒と言う速度(平均で)でガスを送ります。従圧式であれば(最近のはpressure-limited controlと言う様です)気道内圧を20cmH2Oと決めたら、出来るだけ早くその圧に上げ、1秒で呼気になるようですね。不勉強でした。

 どちらが良いのかについては色々議論があって、以前は従圧式の方が良いと言われていました。UpToDateの"Modes of mechanical ventilation"と言う文献から引用してみます。

VOLUME-LIMITED VERSUS PRESSURE-LIMITED — Pressure-limited ventilation was compared to volume-limited ventilation in a randomized trial and several observational studies [9-11]:

●There were no statistically significant differences in mortality, oxygenation, or work of breathing
●Favoring pressure-limited ventilation, it was associated with lower peak airway pressures, a more homogeneous gas distribution (less regional alveolar overdistension), improved patient-ventilator synchrony, and earlier liberation from mechanical ventilation than volume-limited ventilation
●Favoring volume-limited ventilation, only it can guarantee a constant tidal volume, ensuring a minimum minute ventilation

 Most studies comparing pressure-limited and volume-limited ventilation used a square wave (constant flow) pattern for both modes. When volume-limited mechanical ventilation with a ramp wave (decelerating flow) pattern was compared to pressure-limited ventilation, lower peak airway pressures were no longer an advantage of pressure-limited ventilation [12].

日本語がいい方はこちらをご覧ください。


nice!(6)  コメント(3) 
共通テーマ:学問

口呼吸をしている人にも経鼻カニュラは有用です。 [医学関連]

 こちらの記事のアップデート(と言ってもあまり変わらない?)です。大切な事は何度でも!

 患者さんに酸素を少し(3L/分ぐらいまででしょうか)流したい時に経鼻カニュラと言うものを使います。鼻に酸素を放出する器具です。この時に、患者さんが口呼吸をしていると意味がないという迷信があり、そう言う場合にフェイスマスクで同じ(例えば1L/分)酸素流量で投与すると言うことが行われています。

 まず、こちらの記事に書きましたが、フェイスマスクは4L/分以下だと呼吸努力が必要であり二酸化炭素がたまる可能性があるようです。よって、口呼吸だからフェイスマスクに変えると言うのであれば、酸素流量を出来れば5L/分以上にするのがよいでしょう。

 また、口呼吸であってもSpO2が保たれていれば、全然問題がありません。そもそも、流量が1L/分だったとして、ペットボトルの大きなものだけの量が1分間で出てきます。鼻の大きさは250ml程度らしいです。数分たてば、顔の周りは酸素で一杯になるはずです。SpO2が上がらなければ、それは口呼吸のせいではなく、肺の問題なのではないでしょうか?つまり酸素の流量が足りないのだと思います。

 経鼻カニュラを口に当てるという方法も聞いたことがあります。見た目は変ではありますが、こちらの方が理にかなっていると思います。

 また、口呼吸だからとフェイスマスクで1L/分流したところ、SpO2が上がったとして、患者さんに良いことをしていると言えるのでしょうか?SpO2は患者さんの指標のほんの一部でしかありません。SpO2は直接動脈血二酸化炭素分圧を測れませんから、SpO2が上がっているけど二酸化炭素がたまってきているかも知れませんし、患者さんはより苦しいのかも知れません。

 もちろん、口呼吸だからフェイスマスクにすると言うことが絶対にダメだとは思いませんが、患者さんが余計苦しんでいる可能性がある、二酸化炭素がたまる可能性があると言う認識を持って行う必要があるでしょう。


nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

災害や事故の時、一番大事な事の一つは自分の安全の確保です。

 75歳の医師が川で溺れた子供を助けたと言うニュースが美談となって流れています。もちろん、このことはすばらしいニュースです。見ず知らずの他人のために自分の命の危険も省みず、、、、、、簡単に出来ることではありませんし、助かったお子さんも、救助に行った医師にも大きな事が起こらずよかったよかったと思います。

 ただ、知っておいて欲しいことがあります。大切な事は自分の命を最優先にすることです。川に飛び込んで救助に向かった父死亡等というニュースがあることを忘れてはなりません。命を捨てて救助に向かうと言う事は、救助のプロであるレスキュー隊の方でもやりません。要救助者を増やしてしまっては意味がありません。

 この医師の方は、服を着たまま水に入って人を救助する方法を学んでいたのだと信じたいです。

 間違っても、お子さんが溺れた方に対して、何故飛び込まなかったのか?などと言う事がないようにしていただきたいです。もちろん、自分の子供が溺れているのに、絶対に助けに行ってはいけないと言うつもりはありません。あくまで原則は自分の安全確保だと言う事は忘れないでいただきたいです。


nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

バイタルサインをしっかり学びましょう [興味ある本]

 連休中は更新をさぼってしまいました。すみません。

 今日は本の紹介です。バイタルサインは重要だと言われますが、なかなか利用できていない人が多いのではないでしょうか?私もなかなか上手く利用できていません。結局検査に頼ってしまいます。

 この本はバイタルサインの変化が何故起こっているのか?を詳しく説明しながら、色々な病気の診断がここまで出来るんだという事が紹介されています。

 前書きに紹介されている以下の言葉かみしめて読みたいと思います。

 単純なことを完璧にこなした人だけが、難しいことを簡単にこなす技術を身につけることができる。

 医師はもちろん、看護師さんや救急救命士さんにもお勧めです。救急救命士さんは病歴と身体所見だけで病態を把握して、どこの病院へお願いするか判断しなければいけませんから、とても役立つと思います。あっ、ちなみに宣伝料はもらってませんよ(^^)。


バイタルサインからの臨床診断 改訂版〜豊富な症例演習で、病態を見抜く力がつく!

バイタルサインからの臨床診断 改訂版〜豊富な症例演習で、病態を見抜く力がつく!

  • 作者: 入江聰五郎
  • 出版社/メーカー: 羊土社
  • 発売日: 2017/03/13
  • メディア: 単行本



ただ、宗教チックな感じも受けます。


nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

血液ガスを学びましょう [興味ある本]

今日は血液ガスについての本の紹介です。


竜馬先生の血液ガス白熱講義150分

竜馬先生の血液ガス白熱講義150分

  • 作者: 田中 竜馬
  • 出版社/メーカー: 中外医学社
  • 発売日: 2017/02/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



血液ガスは良く行われる検査ですが、解釈が難しいです。ある研究では、指導医の多くがちゃんと理解していると主張したんですが、ほとんどの医師が正しく解釈できていなかったと報告されています。私もちゃんと理解していると思っていますが、自信がないので読んでみました(笑)。

書かれていること理解していたので安心しました。研修医の先生に渡して、読んでもらおうと思います。

A-aDO2とアニオンギャップをルーチンに計算しなさいと研修医の先生に伝えていますが、この本にもそう書かれていて安心しました!

nice!(3)  コメント(5) 
共通テーマ:学問

自分の思い込みは相手に強要してはいけません。 [アンガーマネージメント]

 最近、消防団の人が制服のまま、消防車でお店に行って食事をしていたというようなニュースに対して仕事中に何やってんだとか、税金の無駄使いだとか、色々な意見が出ています。この事については、税金は出ていないとか、出ていても別に良いじゃないかとか、彼らにお疲れ様と言えないのかとか色々意見があるようです。例えばこちらをご覧ください。

 今回はアンガーマネージメントに関係しているとたぶん思うお話しです。

 我々は何か出来事が発生すると、それに意味づけをします。そして、それが自分のcore belif(日本語だと「何なにすべき」というような考え)に反すると怒りを感じる様です。

 意味づけが本当に正しいのか?と言う事を、是非考えてみましょう。

 今回のことで言えば、消防の人(消防団と消防署の人の区別がついていないかも知れませんので)のような赤い服を着た人がお店で食事をしていた。外には消防車が止まっていたと言うのが事実です。

 クレームを言った人は、勝手に仕事中にさぼって食事をしていたと思い込んでしまい、「仕事中に外で食事をするべきではない」というコアビリーフに反したためにクレームを消防署?に言ったのでしょう。

 しかし、本当に仕事中だったのか?外の車は別の人たちのものかも知れませんし、そのお店の人が消防マニアでいつも赤い車が止まっていたのかも知れません。それから、仕事中に外で食事をするべきでないという考えは正しいのでしょうか?それから、それに反したからと言って自分に大きな不利益が降りかかるのでしょうか?税金の無駄使いという人は、それほど沢山の税金を払っているのでしょうか?少しでも節税しようとマンションを買ってみたらどうかなとか、ふるさと納税すると得するとか考えたことはないんでしょうか?

 クレームを入れる前にそれを考えるべきではないかと思いました。

 そして、是非日本の消防の方(救急隊も含めて)をヒーローにするよう努力したいと思いました。例えばアメリカ映画なんかでは消防士さんはヒーローとして出てくることがあります。日本では少ないと思います。是非、山Pにコードブルーに続いて、消防士や救急救命士さんのドラマに出てもらいたいと思います。


nice!(6)  コメント(4) 
共通テーマ:学問