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緊急時は酸素投与をしましょう [医学関連]

 救急車に乗った患者さんに対して、私は全員酸素を投与しても良いと思います。もちろん極論です。そのぐらいの勢いでやりましょう!ということで、迷ったら酸素は投与するように救急隊の方は指導されているようです。

 ところが、救急隊の方に話を聞くと、なんで酸素をやってきているんだ、なんでこんな高流量(と言っても5L/分)でやってくるんだ!とか怒られることがあるようです。

 今回はこの事について考えてみましょう。COPDの患者さんについての記事を以前書きましたので、よかったらご覧ください。コメントをたくさんいただけて、とても勉強になります!

 パイロットは何かあれば酸素マスクをつけるようになっているようです。飛行機が飛んでいる所は気圧が低くて低酸素になりやすいです。低酸素になると意識を失って、本人達はもちろん、乗客、客室乗務員も飛行機も、下手をすれば飛行機が落ちたところの人たちにも危険が及びます。

 医療では患者さん本人に危険が及ぶだけかもしれませんが、疑ったら酸素を投与して良いと私は思います。

理由は以下の通りです。


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心電図モニターをつける理由を考え直しましょう [医学関連]

 7年ほど前に書いた記事の更新です。

 心電図モニターは何のためにつけるのか、どんなことが分かって、どんなことが分からないのか、良く考えましょう!と言うのが今日の言いたいことです。決してモニターをつけてはいけないと言う事ではありません。

 以前の職場で、癌の末期で貧血が進行した人に入院してもらったところ、看護師さんが「重症貧血のため心電図モニターを装着」と書いていました。まあ、いいんですが、貧血の人に心電図モニターをつけると言う記載に疑問を抱かないのかなあと感じました。10時間ぐらいかけて車で移動する場合、ガス欠のランプがつくかどうかチェックするという感じです。それよりも、目的地までは何キロあって、この車はリッター何キロ走る、ガソリンは今満タンにして、A地点でガソリンを給油、、、、、、の方が的確です。ガス欠のランプがついた時には、もうエンジン停止直前かも知れません(JAFの雑誌に書いてありましたが、ガス欠ランプはつかないことも多いんだそうです)。

 心電図モニターは過去の記事にも書きましたが、不整脈しか分かりません。血圧がどうかは分かりませんし、貧血がどのぐらいかも分かりません。SpO2を一緒につければ酸素飽和度が分かりますが、酸素飽和度も一部のデータです。患者さんは重症になれば、必ず不整脈が出るというのであればいいですが、無脈性電気活動と言うのがあるように、心電図は問題なくても心停止している人だっています。モニターは患者さんのデータの一部でしかありません。
 以前の記事に対して、現場を分かっていないとか、色々意見を戴きましたが、それが危ないと言いたいのです。人手が足りないから重症な患者さんの観察を怠って良いことはないですし、モニターをつけたら患者さんを診る回数を減らしていいということはないのです。もちろん人手が足りない現場はたくさんあって、大変なのは分かります。でも、それで仕事の質を落として良いと思うのは良くないと思います。

 心電図モニターを装着するような人は重症な人であり、頻繁に診に行く必要があります。が、心電図モニターのアラームが鳴っても対応しない場合があります。それほど少なくはありません。何しろ私が頻繁に目撃するのですから。
 アラームが鳴っても対応しないのであれば、モニターの意味はありませんよね。何しろ重症な人につけており、アラームは危険を教えてくれる(それも相当な危険の可能性)のですから。それを診ないならつけない方がいいと思います。検査は、それによって行動が変わるから検査するのです。ただ記録するための検査は必要ありません。アラームが鳴ったら直ぐに患者さんの所に出向く。これをしないのであれば、モニターは必要ありません。

 ACLSで以前よく講義に出てきた言葉を紹介して、この記事を終わりたいと思います。

Treat a patient, not the monitor!(モニターではなく、患者さんを治療しましょう!)

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石の上にも三年 [雑談]

 今日は何と私の誕生日です。自分で自分におめでとう。育ててくれた両親に感謝です。49歳になりました。まだまだ頑張ります。

 今の病院に勤めてから3年と2ヶ月たちました。研修医の時に、部長の先生に言われたことを思い出します。新しい病院へ赴任して、スタッフや患者さん、周囲の開業医の先生などに認めてもらうには、どんな頑張っても3年はかかる。だから、辛いことがあっても3年は我慢するんだって。
 私は、3年以上我慢して同じ病院に勤めたのは久しぶりなので(どうもすみません)、やっと良い時がやって来たのかも知れません。先日こんなことがありました。

 ある日曜日は夜勤だったのですが、17時頃(17時半から当直開始です)病棟に受持患者さんの回診に行きました。4病棟(に患者さんが分散しているのです。救急科の病棟はありませんから)中3病棟で、看護師さんから「ありがとうございます」と言われました。

 最初の病棟では、患者さんの希望を看護師さんに伝えたところ、その希望が叶えられないことが分かったので、それを患者さんに伝えますと言った時です。そんなことで有り難うと言われるなんてちょっとビックリしました。
 二つ目の病棟では、私が不在中に病状説明の予約をとっていたようで、カルテにそう書いてあったので、そのつもり(と言うかまず患者さんを診てから話そうと思っていたら、ベッドサイドに家族がいただけです)で病棟に行って説明して病室を出たら、二人の看護師さんから、「こちらから先生を呼ぶ前に来て説明してくださりありがとうございます」と言われました。
 三つ目の病棟にはちょっと重症な患者さんがいて、どうなったかなあと心配だったのですが、元気そうでよかったとほっとしていたら、ご飯が軟らかいのが良いと言われました(家族の希望で常食にしていたのです)。それを患者さんが訴えただけなのに、同席した看護師さんから、話を聞いてくださりありがとうございますと感謝されました。

 今まであまりこういった事がなく、それも1日三回もあったのでビックリしました。救急科は緊急入院ばかりですし、救急科の病棟がないから、色々知らない病気の患者さん、変な処置をする患者さん(私のやることが一般的じゃないのかも知れません)などを受け入れなければいけないし、私はほぼ病棟にいません(救急車の対応がメインの仕事ですから)。よって、仲良く話す看護師さんも少ないし、あまり好かれていないというか、むしろ嫌われていると思っていました。それが相手にも伝わっていたためなのかも知れませんが。

 4月からは部下の先生も来られます。ER型救急の神様である寺澤先生は、救急が上手く行くには20年はかかりますと言っておられました。3年なんてまだまだですね。ますます精進したいと思います。よろしくお願いいたします。


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心室細動に対して、アドレナリンをすぐに投与して良いのか? [CPRの基礎]

 心肺蘇生の講習会でよくあるシナリオです。

 心停止になったことを認識し、直ちに胸骨圧迫を開始。
 心電図モニターがついたので波形をチェックしたところ、心室細動。
 直ちに電気ショックを行い、胸骨圧迫再開。
 二分間の間に点滴ルートを確保し、アドレナリンの準備を、、、、、、、
 二分たったので、心電図モニターをチェック。心室細動が続いています!
 直ちに電気ショック。さっきよりエネルギーを上げて!!すぐ胸骨圧迫再開!!
 さっき準備したアドレナリンを投与して、20mlの生食で後押しし、点滴が入っている上肢を10ー20秒挙げてください。

 と言うのがアルゴリズム上では(ERC以外、これについては後述)正しいのですが、4行目のアドレナリンの準備を、、、、、、と言うところで、「アドレナリンを投与してください!」という人がいます。まあ、間違ってないでしょう、、、、、、と言う事で許容していました。一回ショックしただけでアドレナリンを打てというガイドラインにしてしまうと点滴がとれなかったりした場合に困るからという理由もあると考えていました。

 しかし、1回目のショックをしてすぐアドレナリンを投与してはいけないようです。

 UpToDate "Supportive data for advanced cardiac life support in adults with sudden cardiac arrest"より。

 The early administration of epinephrine within two minutes following the initial defibrillation for VF/VT may be detrimental. In a prospective cohort study of 2978 patients with in-hospital cardiac arrest and a shockable rhythm (1510 patients with epinephrine administered within two minutes of defibrillation and 1468 propensity score matched patients without early epinephrine administration), patients who received early epinephrine had a significantly decreased likelihood of survival (odds ratio 0.70; 95% CI 0.59-0.82)

日本語好きな方はこちらをご覧ください。


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気管挿管チューブは首の動きによってどのぐらい動くのか? [CPRの基礎]

 先日救急救命士さんから質問されました。現場で気管挿管をして、例えば3階ぐらいの建物から搬出する場合、バックボードやスクープストレッチャーではなく、毛布で搬出する場合がある(確かそう言ってました。違ってたら済みません)ので、首が動いてしまい、気管挿管チューブが抜けてしまった事例があったようです。

 それに対してネックカラーを装着して首の動きを制限したら、気管チューブが抜ける(この場合、気管から外れて食道挿管になってしまうと言う意味です。口の所の固定は動いていません)のを予防できるのではないか?研究したいというのです。

 で、首の伸展、屈曲でどのぐらいチューブ先端が動くのだろう?と言う事を聞かれました。私は以前、それによって5cmぐらいはチューブの先端が動くので、気管分岐部から5cmぐらい口側の所に先端があるのが良いと本で読んだ記憶があります(大人の場合)。

 調べてみたところ、ぴったりなのがひっとしました。一つの論文を紹介しているだけではありますが。こちらのPDFをご覧ください。

 こちらによれば、屈曲すると2cm弱抜けるようです。伸展すると2cm程度深くなるようですね。よって合計すれば4cm程度動きうると言う事ですね。

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心肺蘇生中に人工呼吸器は有用か? [CPRの基礎]

 以前書いた記事の更新です。ALS Otaku Providersコースの一講義はこちらです。

 心肺蘇生中に人工呼吸器をつけた方が良いのか?と言う事は、色々な問題があると思います。
・まず挿管しなければならない。
・人工呼吸器でちゃんと換気が行えるのか?

 と言った点です。挿管に関してはガイドラインでは有用だというエビデンスがないと繰り返されています。が、病院では挿管しない方が少ないですよね。やはり色々な点で有用だと感じているからでしょう。エビデンスを出すには、胸骨圧迫を出来るだけ中断しないようにしなければならないでしょうが。

 人工呼吸器はちゃんと換気が出来れば有用なはずです。機械を使わなければ、換気をする人が一人必要ですから、人手不足な時は、とても有用です。ただ、人より器械の方がきちんと換気をしてくれる(回数を多くしたり減らしたりしないし、過剰な、あるいは少ない換気にならない)保障があるのでしょうか?

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フラットラインプロトコールは必要か? [CPRの基礎]

 心停止の患者さんを診た場合、次の4つのどれかの波形、あるいは状態に当てはまるはずです。
・心室細動 Ventricular Fibrillation VfあるいはVF
・無脈性心室頻拍 pulseless Ventricular Tachycardia VT
・心静止 Asystole
・無脈性電気活動 Pulseless Electrical Activity PEA

 心静止以外はモニターを見て直ぐに判断されますが、心静止は「心静止のようだ」と言うような言葉になり、心静止と決めるのには、あることをしなければなりません。それを以前はフラットラインプロトコールと言っていました。これについては、かなり前に理屈を記事にしていますのでご覧ください。

 新しいガイドラインでも、これは行うべきなのでしょうか?今日はこれについて考えてみたいと思います。

 まず救急蘇生法の指針2015医療従事者用P.49には以下のようにあります。

「VF/無脈性VTを見逃していないかを確認するために、次のリズムチェックまでの間に以下を行う。
・電極が正しく貼り付けられていることを確認する
・誘導のコードのハズレをチェックする
・誘導を変える
・感度を上げる(感度設定が低すぎないか?)」

 つまり、日本のガイドラインでは、心電図波形がほぼまっすぐな波形を見たら、直ぐ胸骨圧迫を再開し、ストップウォッチで2分測定を開始して、本当に心静止かどうかをチェックするのは二分後と言う事になります。





AHAやERCは何と言っているのでしょう?


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造影CTを撮りたくないあなたへ [医学関連]

 最初にですが、私は原則必要だと思ったら単純、造影CTをオーダーしています。私は救急医ですから、緊急性のある疾患を見逃した場合、患者さんに大きな危険が及ぶからです。普通の外来をしていたことがありますが、当然その時には別の対応をしていました。

 診療放射線技師さん、救急はあまり関わらない医師などと、造影についてもめることがあります。技師さんは、なんで造影するんですか?と言いますし、医師には、こんな腎臓が悪い人に造影なんて!!と言われます。

 今日はこの事について考えてみましょう。

 例えば、こちらのRocky noteを読んでください。非常にきちんと調べてまとめている資料で、かなり信頼度が高いです。
 こちらには、過剰に恐れるのではなく、正しく恐れることが大切とあります。

 最近出版された、日本版敗血症診療ガイドライン2016P.S35にも造影CTについて書かれています。

 「造影剤を用いたCTは情報量が多く、感染巣診断および治療方針決定のために重要な手段であることから、CIN発症を危惧して造影CTを躊躇する必要はないと考えられる。」
(CINは造影剤腎症のことです)

「必要だと思ったら」造影CTを!


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CVから大量輸液ができるのか? [医学関連]

 大量出血の患者さんなどに、大量輸液を行わなうことがあります。その時「早くCVを入れろ!」と言う人がいます。「末梢じゃダメなんですか?」等と言おうものなら、「バカかお前は!?」と言われてしまいます。CVとはCVラインのことで、日本語では中心静脈ラインです。IVHという先生もいますが、古い言い方です。IVHという言葉も現在はTPNになっていますから、あとでこっそり教えてあげましょう。
 で、今日は、本当にCVでなければ大量輸液が出来ないのか?について考えてみましょう。

 まず血管についてです。血管は非常に抵抗が少ないので、ある程度までの細い血管でも、大量に点滴が流れます。よって、点滴が入っている場所は、点滴が落ちる早さとは関係ありません。中心静脈に先端があるから、CVの方が早く落ちるんだと言う人がいるのですが、そうではありません。この点だけでも、CVが大量に輸液できる理由にはなりません。

 また、点滴を落とす場合、最も抵抗となる場所は、血管に入る直前、点滴回路の最後の細いところです。抵抗は半径の四乗(ご指摘を受けて「二乗」から変更しました)に反比例し、長さに比例して大きくなります。末梢ルートは細かったとしても、管の長さがそれほど長くありません。しかし、CVは短い物でも30cmあります。同じ太さであれば、末梢が5cmだったとして、CVの方が6倍の抵抗があります。逆に末梢に14Gというルートを確保すれば、かなり大量に早く入れられるはずです。

 納得行かない人は、実際に実験してみたら良いと思います。同じ太さの末梢と、CVの先端を同じ位置に置き、同じ高さから点滴を全開で落としたら、どっちの方が遠くへ飛ぶか。以前やったことがありましたが、明らかに末梢の方が遠くまで点滴が飛びます。

 このことは、有名なICU Bookにも書かれています。是非ご覧ください。


ICUブック 第4版

ICUブック 第4版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: メディカルサイエンスインターナショナル
  • 発売日: 2015/11/30
  • メディア: 単行本



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サザエさんのエンディングは何故じゃんけんぽん!!なのか? [雑談]

 まじめな話題ばかり続いているので、たまには砕けた話を(^^)。でも、以前書いた記事のそのままです。今日は手抜きです。

 サザエさんのエンディングと言えば、じゃんけんですね。以下のようなものです。



 私はどうも違和感があります。トリビアみたいですが、私が医学生だった1991年10月13日までは別の物だった事をご存じですか?!

知りたい方はこちらを。


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