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リンを測定しましょう [研修医教育]

 血液検査は色々な項目があり、どれを選んだら良いのか、研修医の先生は迷うことと思います。またたくさんオーダーすると、保険がきかないため、病院の持ち出しとなります。よって、たくさんオーダーするんじゃない!と指導医に怒られる場合もあります。困った制度ですね。

 さて、今日はリンについてです。リンは採血のセットなどに入っていることは少なく、意図しないと測られないことが多いと思います。しかし、リンは非常に重要な電解質ですので、是非測定しましょう。

 リンは特に、ATPの産生に関わるエネルギー代謝と赤血球内の2,3-DPGの産生を介した赤血球の酸素運搬能と言う二つの重要な役割があります。簡単に言えば、筋力低下と酸素不足の症状が発生すると言う事です。心不全や人工呼吸器からの離脱が困難、イライラ、錯乱、痙攣などが起こり、死亡する場合もあります。原因不明の心不全、呼吸不全では常に疑うべきなんだそうです。低リン血症があるかないかで死亡率が4倍違うという報告もあるそうです。

 以下のような患者さんでは、是非リンを測定すべきです。

・アルコール依存症
・神経性食思不振症
・TPN長期投与中

 個人的には、栄養不足の患者さん(救急患者さんは多いです)でもチェックすべきと思います。栄養不良患者さんに栄養を投与すると「refeeding syndrome」と言うのが起こり、不整脈が発生して死亡したりします。この原因の一つは、低リン血症だとされているようですので、リンのチェックは大切です。

 リンを補充するにはどうしたら良いかについては明日アップする予定です。よろしくお願いします。


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マスターヨーダが心停止になったら [CPRの基礎]

 今日は冗談です。

 以下の動画を是非ご覧ください。スター・ウォーズに出てくるキャラクターが心停止になったらAEDをどう使うかについて詳しく解説があります。



 マスターヨーダは小児として扱うのがよいようです。チューバッカは体毛がすごいので、剃ってからパッドを貼るべきでしょう。
 ストームトルーパーはあの鎧?を外さないと無理でしょうね。どうやって外すのか知っておく必要があるかも知れません。
 また、ダースベイダーはパッドを貼ってショックが可能なのか?調べてみると面白いかも知れませんね。

 きっとジェダイの訓練には、機械を使わずに電気ショックを与える方法が含まれているのでしょう。是非受けてみたいですね!



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真空管採血をする場合、最初に生化学の茶色のスピッツで採血しましょう [研修医教育]

 昨日の続きです。昨日はまず注射器で採血して、スピッツに入れる場合について書きました。

 今日はいきなり真空採血管に血液を採る場合です。この場合には、生化学が最初です。組織の中に血液を固まらせる物質があり、それが採血管の中に入る場合があるためなんだそうです。それは知りませんでした!!

 こちらのサイトにも載っています。


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採血したら、どの順番でスピッツに血液を入れるべきか? [研修医教育]

 研修医の先生はたぶん、今毎朝病棟へ行って患者さんに痛い思いをさせて申し訳ないと思いながら採血をされていることと思います。その時に役立つ知識シリーズです。

 まず、真空採血管を使って採血する場合は明日アップします。今日は注射器で採血して、それをスピッツに入れていく場合のお話しです。

 こちらの記事の更新です。

 救急患者さんで、まず間違いないのは、血糖の灰色のスピッツは一番最後です。極論を言えば、これに血液を入れる必要はありません。血糖は血清血糖にオーダーを変更すれば、生化学のスピッツで測定できます。が、血液による解糖を阻止できませんので、検査室に至急でお願いをする必要があります。
 HbA1Cは血算のスピッツで測定できます。

 では、他のはどの順番で行うべきでしょうか?

 まずは凝固や血沈です。凝固のスピッツは血液が固まってしまうとダメですから、早めにスピッツに入れて抗凝固薬をフレさせる必要があります。それから、抗凝固薬と血液の量の比率が決まっています(だいたいここまで血液を入れるべきだと線が入っています)。よって、最初に凝固に血液を入れましょう。

 次は血算です。薬と血液の比率はありませんが、抗凝固薬が入っていますので早めに入れましょう。

 その次は生化学です。生化学の茶色のスピッツに何か入っていますが、あれは検査室で必要になるものであり、極論を言えば、注射器のまま提出しても大丈夫です。よって、生化学の茶色のスピッツに最初に入れるのは賢くはないと言う事です。

 色で言えば、黒→紫→茶色→灰色となります。

 今のところ理由が不明なのですが、血糖のスピッツにも抗凝固薬であるEDTAが入っているので、生化学よりも先に血糖に入れなければならないのかも知れません。こちらのサイトにはそのように書かれています。

 またこちらのサイトには、全然別の順番が書いてあります。一体どうすれば良いのでしょう!?

 メーカーのサイトにありました。やはり血糖を測定する場合には、生化学より先に入れるべきなようです。





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アンガーマネージメントの入門書 [興味ある本]

 私は今月からアンガ−マネージメントファシリテーターというのになりました。「アンガ−マネージメント入門講座」というのを開ける資格です。実際自分はまだまだアンガ−マネージメントが出来ていませんが。

 さて、関連書籍として新しい本が出ました。子育てをしているお母さん向けの本ですが、研修医を指導する指導医、あるいは、若い人の教育に悩んでいる人にも役立つ内容です。

 アンガーマネージメントのすばらしいところは、アンガーマネージメントは技術であり、誰でも身につける事が出来ると言う事です。怒ってばかりいて悩んでいる人を救う可能性があります。

 この本でも、今まで自分は怒らない人間だと思っていたのに、子供が出来てから怒ってばかりと言う悩みに答えています。怒ってしまう自分を責めないで良いんだ、怒ると言うことは一生懸命子育てしている証拠だ、だって子供の年齢だけしか母親をしていないんだから、未熟で当たり前、怒りをコントロール出来さえすればいいと、非常に励まされる内容です。

 指導医でも同じです。自分は指導医になってまだまだであり、研修医のやることに怒りを感じるのは当たり前で、熱心に指導しているからこそだと思えば楽になります。

 自分は何でこんな怒りっぽいんだと悩んでいる方にお勧めです。


子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本

子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本

  • 作者: 篠 真希
  • 出版社/メーカー: すばる舎
  • 発売日: 2017/04/11
  • メディア: 単行本




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電気ショック時に生理食塩水を浸したガーゼを使っても良いのか? [CPRの基礎]

 一昨日の記事の続きです。電気ショックを行う場合に、ジェルやジェルパッドがなかった場合、生理食塩水を浸したガーゼを使っても良いのか?と言う質問を受けました。

 私はダメだと思います。一番の理由は、それを用意する時間と手間です。あらかじめそのようなガーゼを生理食塩水に浸した物を用意するのであれば、ジェルやジェルパッドを用意すべきでしょう。もし、電気ショックを行う時にガーゼを出して生理食塩水を浸しているのであれば、電気ショックが直ちに行えません。やってはならないと思います。

 「生理食塩液に浸したガーゼはゲルパッドの代用となるが、生理食塩液が過量なために胸壁を伝わって流れてガーゼ間が生理食塩液でつながると、通電時に電気が体表の生理食塩液を伝わって流れ、電気ショックの効果が得られない可能性があるので注意する。」と救急診療指針改訂第4版P.148(へるす出版)にも書かれていますし。

 電気ショックは患者さんを救うエビデンスがある大切な手技です。ちゃんと行えるようやり方を勉強しておくべきですし、最高の電気ショックを行えるように道具もそろえておくべきでしょう。


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電気ショックを行う時には「ファイヤー!」と言いましょう、、、、、、、、、たぶん。 [CPRの基礎]

 意外と知られていませんが、パドルを使って電気ショックを行う時には、強い力をかけて行うべきです。本には11kgとか書かれています。どのぐらいの強さか分かりませんが、胸郭が変形するぐらいだとされています。昔はそのぐらいの力をかけないと電気が通らない機種もあったようです。

 ちなみに、電気ショックをかける時の200Jと言うエネルギーは2000ボルトぐらいの電圧がかかるそうです。すごいですね。患者さんの体に触れていたら、確実にその人にも電気ショックがかかります。危険ですから、安全確認はしっかりしましょう。

 よって、電気ショックをかける時には、何かかけ声をかけるのがいいでしょう。一例ですが、以下のような感じです。

 今から電気ショックを行います。
 1、自分よし(自分は患者さんやベッドに触れていない)
 2、換気者よし(換気をしている人が離れているし、酸素も離してある)
 3、周囲よし(他に誰も患者さんに触っていない)
 4、最終波形VF(これは議論があるところです。以前記事を書きました
 5、ショックをかけます!!ファイアー!!

 私が研修医の頃は、最後にファイアー!と言えと習いました。今でも講習会などで時々言っている方を見かけます。心の中でそうだそうだ!と思っていますが、講習会で教えるべき重要事項に含まれていませんから、黙っています(^^)。

 もちろんですが、この記事のエビデンスレベルはとても低いです。

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エコー用のジェルは電気ショックの時に使えません [CPRの基礎]

 病院というのは非常に儲かる仕事のようですが、意外に儲かりません。どんなことをすると収入が得られるかは勝手に決められませんので、どんなに丁寧にやっても収入が入らないと、節約できるところを節約するしかありません。

 例えば、手術の時にどんなに丁寧に縫合して糸をたくさん使ったとしても収入は変わりません。よって糸は出来るだけ安い物をと言う事になります。

 そこで、電気ショックの時に使うジェルを買わないで、超音波検査用のジェルで代用しようと考える人がいるのでしょう。救急科専門医の筆記試験に何度か出題されています。そんなやつおらんやろ〜と思いましたが(>_<)。

平成21年度問題4 マニュアル除細動器の使用について正しいのはどれか。2つ選べ。
(a)マニュアル除細動器を立ち上げると同期電気ショックモードの設定になっている。
(b)除細動時の電極パドル(Apex、Sternum)の位置は逆でもよい。
(c)電極パドルのジェルは超音波検査用のもので代用できる。
(d)同期電気ショックではR波に同期させて通電する。
(e)心室細動に対しては同期電気ショックモードで通電する。


答えを見たい方はこちらを。


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明日の朝は病院にまた来てもらいましょう。 [研修医教育]

 当直の時に、患者さんは入院する様な状態ではなく、帰宅可能だという場合も多いです。帰宅していただく場合には、こういう風になったら再度受診してくださいとお話しします。直ちに救急車を呼ぶべき場合もありますが、そうでない場合には、明日の朝受診をお願いしますというのが原則だと私は習いました。

 以下はその理由です。

・夜中は判断力が低下しています。
・ミスがあっても何とかなります。
・病院の外来患者数を増やすのも意味があります。

・夜中は判断力が低下しています。
 私が最初に習った小児科の先生に言われたことです。その先生は必ず朝外来に来るようにお話ししていたそうです。例え自分が外来担当であってもです。そして、朝来院した患者さんが結構ぐったりしていて、カルテを見直しても何故夜中に即入院にしなかったのかとぞっとすることがあると言っていました。
 やはり夜は精神状態が普通ではありません。夕方病院へ来て働き始めるわけではありませんので、結構疲れていますし、何故他の人が寝ている時間に働らかないといけないんだ?と言う気持ちもあります。だから夜中の判断は正常ではありません。間違いを犯す率も高いです。

・ミスがあっても何とかなります。
 ミスがいくつも重なって重大な事故が起こると言われています。夜中に帰れるぐらいの状況の人です。何とかしましょう。そして、前日の夜に自分の病院にかかっていれば、外来担当医は通常何とかしようとしてくれます。これが別の病院へ行ってしまうと、悪口を言われたりすることがありますから、大変です。私もその経験があります。

・病院の外来患者数を増やすのも意味があります。
 病院は色々ありますが、一応商売ですから利益を上げなければなりません。利益がないのに看護師さんやスタッフの給料は出せませんし、良い器械も買えません。利益をあげなければ、患者さんに良い医療を提供できません。
 よって、当直中に来た患者さんを全員翌日受診とすれば、外来患者さんが増えて病院が儲かるかも知れません。

 と言う事で、当直中に患者さんが来て、帰宅してもらう時には、明日ここに来てくださいと伝えるのが良いと思います、、、、、、、、、たぶん。


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言い訳をきいてください [医学関連]

 言い訳と言えばこれです。ひらがなで「いいわけ」のようですね。



 さて、混雑した救急外来を受診して、誤診をされたという患者さんがおられるでしょう。今日はそれに対する言い訳をさせてください。が、最初に言っておきますが、それでも我々救急医はプロですから、間違いを犯さないように注意をしています。が、、、、、、、、と言う言い訳です。

 先日の救急科専門医セミナーで、ある先生が、救急外来はウォーリーを探せ!のような物だと言っていました。とても的確な例えだと思ったので今日の言い訳に使わせてください。

 救急外来では、たくさん来院される患者さんを一人一人診療させていただきながら、重大な疾患を見落とさないようにと言う事が大切です。申し訳ありませんが、風邪の患者さんに丁寧に対応するとか、癌などを見逃さないようにと言う様な事は二の次です(もちろん軽視しているわけではありません)。つまりは重大な疾患をウォーリーに例えて、ウォーリーを探している訳です。
 ウォーリーを探せ!と違う所は、救急外来ではウォーリーはいるかも知れないし、いないかも知れないと言う事です。絵本では必ずウォーリーがいるのですが、救急外来ではだいだい200人に一人と言われています(明らかな重症疾患が無いと判断された患者さんの中に、実は重大な疾患があったと言う頻度が0.5%程度と言われています)。

 つまり、こういう事です。ウォーリーを探せ!を2000枚作って、その中に10枚だけウォーリーがいて、後の1990枚にはウォーリーがいないようにします。そして、それらをランダムに1枚ずつ見ていって、ウォーリーがいる、いないと判断していくような作業が救急外来です。

 例えばこうしましょう。今17時です。今から3時間は10分ごとに1枚、20時から24時までは30分ごとに1枚、5時までに1時間で1枚、8時までにまた30分に1枚、ウォーリーがいるかどうか分からないウォーリーを探せ!をやるように担当者に指示されます。時間は適当であり、担当者の気まぐれですが、だいたいこのぐらいはやるべきだと指示されます。あなたはウォーリーを探せ!をしていない時間は何をしても自由です。もしかしたら担当者が忘れて、次の作業は2時間後かも知れません。
 たぶん40枚近くのウォーリーを探せをやります。その中に1枚もウォーリーがいないかもしれませんし、もしかしたら全部にいるかも知れません。

 これが救急外来なのです。ウォーリーがいれば、いたと言う事で簡単ですが(本当は病気は一つとは限らないので、見つけたら終わりではないのですが)、いないと判断するのはとても難しいです。宇宙人やサンタクロースがいないという事を証明するのは論理学的に不可能だと聞いたことがありますが、同じように患者さんに重大な病気はないという事はとても難しいです。
 そして夜中に定期的に起こされて、難しい判断をする事はとても大変です。最初に言ったように、もちろん我々はプロですから、メガネをかけている人がいないかチェックするとか(ウォーリーはメガネをかけていますよね)、縞模様をチェックするとか、やり方は学んでいますが。

 ミスをしないように努力を続けていますが、ミスをしたとしても、少しは許容していただけたら幸いです。

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