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当直開始時に気をつけること [研修医教育]

 当直業務は出来ればやりたくない物の一つです。人が休みの時に病院に出てきて、救急患者さんに対応しなければなりませんし、だいたい休日は人手が足りず、色々な面で不利です。

 病院は休みがありません。毎日患者さんがやって来ます。しかし、働くスタッフには休みが必要です。よって、病院は基本的には平日は大きな事(通常の会社などと同じような仕事?)を行い、土日には緊急のことだけを行います。しかし、土日に充分なスタッフを配置することは不可能なので、どうしても土日は人手不足です。

 しかし、当直は誰かがしなければなりません。その当直に自分が当たった場合の注意点です。今回は当直をするために病院に来た時にまずやることです。

 以下の本の91例目は、そのような状況の中で起こった失敗例が書かれています。この研修医当直御法度は、赤本、青本と呼ばれていて、日本で一番売れている医学書の一つだと思います。「研修医」と書いてありますが、全ての医師、医療従事者が読むべき本だと思います。読んでいない方は是非お読みください。


研修医当直御法度 百例帖 第2版

研修医当直御法度 百例帖 第2版

  • 作者: 寺沢 秀一
  • 出版社/メーカー: 三輪書店
  • 発売日: 2013/01/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 腹痛で日曜日の早朝に来院された患者さんを当直医が入院させました。朝出勤してきた日直の医師に引き継ぎをしたのですが、日直の医師は救急外来が忙しくて病棟に入院したその患者さんを診に行けず、月曜日になった穿孔性虫垂炎だと言うことが分かり、緊急手術になったと言うお話です。

 色々難しいですが、出勤したら、引き継ぐべき患者さんはいないのか?をまず確認するのが良いと思います。そして、そのような患者さんがいたら、最初に診に行くべきでしょう。そうでなければ、新しくやって来た救急患者さんにしか気を配ることが出来なくなってしまいます。

 色々意見はあると思いますが、私は当直開始の30分以上前に病院に来るようにしています。そして、当直明けは休日を楽しむことは出来ない(例えば8時半に当直業務終了とあったとしても、その後何時間も家に帰れない可能性がある)ことを覚悟しております。


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輸液ポンプか?シリンジポンプか?それが問題だ [研修医教育]

 重症な患者さんなどに対して、微量かつ正確に薬を注入しなければならない場合、輸液ポンプと言うものを使います。知りませんでしたが、シリンジポンプも輸液ポンプの仲間だそうで、正確に言えば、滴数制御型輸液ポンプとシリンジポンプだそうです。

 今からあなたは、受持患者さんに「ノルアドユキリン」と言う架空の薬を投与するとします。この薬は1ug/kg/minと言う速度で投与することが推奨されており、3mg/mLつまり0.3%の製剤が発売されています。さて、輸液ポンプの設定は「ml/時」と言う設定項目があります。よって、0.3%の製剤を時間何mlで投与すれば、1ug/kg/分になるのかを計算しなければなりません。これについては別に記事を書きましたのでご覧ください。

 ノルアドユキリンは、計算すれば、1ml/時と言う設定にすれば、推奨された速度になります。よって、1時間かけて1mlを注射する速度で薬液を投与すれば良いです。

 その為に滴数制御型輸液ポンプを使うべきか、シリンジポンプを使うべきか?と言うのが今日のテーマです。

 一般的には、シリンジポンプの方が正確に薬を投与できるそうです(そのように作らなければならないようです)。よって、シリンジポンプを使うことになりますが、問題点が3つあります。

・シリンジポンプは50mlの注射器までしか使えない(と思います)。
 よって、ノルアドユキリン注射液は0.3%溶液で、200mlのソフトバックに入った製剤ですので、バックから注射器に薬液を吸わなければなりません。はたして、清潔に注射器に吸うことが出来るのか?そして、バックに残った150mlの点滴はどうするのか?と言う問題があります。
・流量が増えた場合、交換が頻繁になります。
 血圧がなかなか上がらず、注射液の投与速度が1ml/時から10ml/時に増えた場合、50mlの容量しかないのですから、5時間で薬がなくなってしまいます。5時間毎に看護師さんが注射器を交換しなければなりませんし、その時に注射液が投与されず、血圧が下がってしまうかも知れません。
・シリンジポンプは無限にあるわけではありません。
 値段がいくらするのか分かりませんが、ネットで検索した限りでは20万円以上します。どの患者さんにもシリンジポンプをと言う訳にはいきません。

滴数制御型ポンプにすれば?


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大量出血したら、赤血球輸血をするだけでいいのか? [医学関連]

 大量出血は、真っ赤な血が出てくるので見た目も派手で、ドラマや映画でも良く出てきます。出血の対応を学ぶことは医師としての基本中の基本です。

 しかし、誤解も多く存在しています。例えば、今回のタイトルです。

 出血した場合、出た分の血液をそのまま入れたら良いんじゃないのか?と思いますが、そうではありません。動物実験では、血液を大量に抜いて出血性ショックにさせた場合、そのまま抜いた血液を返してもほとんどは死んでしまうそうです。しかし、同時に乳酸リンゲル液などを投与し、その量を出血量の3ー4倍程度にすると最も死亡率が低いとされています。理由は色々複雑なようですが、とにかく出血した場合には、血液だけを入れたら良いと言うわけではないのです。

 また、現在の輸血製剤は、全血と言う血液そのものを使うことは少なく、成分製剤を使います。献血で得られた貴重な血液を、有効利用するためです。

 輸血製剤でよく使われる物の一つに赤血球輸血製剤があります。今回のテーマは、これを入れると循環血液量がどのぐらい補充できるのか?と言うことです。先に白状しておきますが、以下の雑誌のP.286に書いてあった事を紹介するだけです(^^)。




赤血球輸血をしたら循環血液量が増えるんじゃないの?


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心静止か心室細動か迷ったら [CPRの基礎]

 こちらの記事のアップデートです。

 結論から言いましょう。心静止か心室細動か迷ったら、心静止と考えて直ちに胸骨圧迫をしましょう。心室細動かもしれないと考えて、昔で言うところのフラットラインプロトコールを直ちにすることも推奨しません。直ちに胸骨圧迫再開です。

 以下は解説と言うか私の考えです。急いでいる人は読む必要ありません。

 日本蘇生協議会のガイドライン2015年度版のP.75には以下のように書かれています。

 「成人の院内心停止患者についてAEDとマニュアル除細動器とを比較した後ろ向き調査では、両者の間 に生存退院率の差はなかった。初期調律が心静止やPEAであった場合は、AEDを装着された患者のほうが マニュアル除細動器を装着された患者よりも生存率が有意に低かった(15% vs 23%, p =0.04)。」

 ある救急救命士さんに相談されました。初期波形が心静止だったと思った(心停止から長時間経過しており、誰も心肺蘇生をしていなかった)ため、解析ボタンを押さなかったそうです。救急隊の方が使うAEDは一般の人が使うAEDとは少し異なり、心電図の波形が表示されます。その波形が心室細動っぽくなかったので、心電図の解析ボタンを押さずに、心静止として直ちに心肺蘇生を行ったのだそうです。
 あとで細かい心室細動ではないのか?とフィードバックされたため、自分のせいで患者さんを死なせてしまったのではないかと夜も眠れないのだそうです。私は正しい行動だったと思います。心室細動ではなかった場合、解析ボタンを押すことで生存率を下げるからです。23%を15%に下げると言うのは約18回(100÷(23ー15))それを行うと1回だけそれを行ったために患者さんが死亡すると言う割合(分かりにくいですがそういう物で、その値NNTが二ケタなら医学的に意味があるとされています)です。結構な高い割合です。心静止の可能性が高かったわけですから、行うべきではありません。
 また心室細動は助かる心停止だと言われますが、それでも社会復帰率は25%程度であり、4人に3人は死亡してしまいます。反省はすべきでしょうが、気にせず救急の現場で活躍をしていただきたいと思います。

次に心室細動だった場合は??


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的確に循環器専門医にコンサルトするためには [興味ある本]

 心電図は色々な意味で苦手な人が多いと思います。

 特に、「怖い循環器内科の先生にコンサルトするのがためらわれるから、心電図を見たくない」と言ったら怒られるでしょうか?心電図に異常と思われる所見を見つけ、どう異常なのかも分からないし、どんな病気を考えるべきかも分からず、しどろもどろに循環器内科の先生に電話すると、「何故もっと早く言わないのか?!」と言われたかと思えば、「何でこんな異常がない心電図をこんな夜中にコンサルトしてくるのか?!」と言われることがあります。

 多くの循環器内科の先生は、24時間年中無休で笑顔で対応してくださるのだと思いますが、一人でもコンサルトしにくい人がいれば、それが全体の印象になってしまいます。そして、本当は直ぐに心カテをすべきなのに、それが出来なくて不幸な患者さんが出てしまう、、、、、、、、と言う事が一番不幸です。

 と言う事で、そのような苦手意識をなくすための本です。


心電図ハンター 心電図×非循環器医 1胸痛/虚血編

心電図ハンター 心電図×非循環器医 1胸痛/虚血編

  • 作者: 増井 伸高
  • 出版社/メーカー: 中外医学社
  • 発売日: 2016/09/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 著者の増田先生は札幌の病院でたくさん救急車を診ておられる先生で、循環器内科医ではありません。まさに日々苦手な心電図と闘いながら、時には上記のようなまれな性格の悪い循環器内科医とも闘いながら書かれた本だと思います。

 内容は症例ベースで読みやすく、循環器内科にどうコンサルトすべきかが主眼に書かれています。心筋の電位がどうとか、心電図を読む順番はこうでなければならないとか、そのような記載は一切ありません。とにかく異常を見逃さず、そして出来るだけ異常でない所見は異常でないと自信を持って言えるように、、、、、、と言う観点から書かれています。

 コンサルトする時に気をつけるべき点や、色々な人(アニメキャラクターなども含む)の名言も載せられていて楽しく勉強できます。心電図の基礎の基礎を勉強した後(著者は国家試験に受かった時点でクリアしていると書いています)、実際に救急外来などで患者さんを診て、この心電図は循環器内科の先生に相談した方が良いのだろうか?と悩んでいたり、循環器内科の先生に怒られたりしている若い先生は是非読むべきだと思います。

 個人的には循環器内科の先生も読むべきだと思いました。救急医だって少しは専門的なことを勉強しようと努力しているのだという事が分かっていただけたら、救急外来でのコンサルト風景もより穏やかになると思います。

 相手の立場を理解するという事はとても大切です。その意味で多くの人に読んでいただけたら、医療現場はもっと良くなるのではないかと感じました。続編の失神編もあるので、購入して読んでみます!
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医者には歴史の勉強も必要です。 [医師を目指す人へ]

 私は社会が苦手です。高校生の時、古代への情熱という本を読んでみたりして社会の勉強を一生懸命したのですが、全然試験が出来なくて、担当の先生に、頑張ったのに試験が出来なかったねと言われたのをよく覚えています[泣き顔]


古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫)

古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫)

  • 作者: ハインリヒ シュリーマン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1976/02/16
  • メディア: 文庫



 しかし、社会の勉強も良くしておいた方が良いです。医療は今でもそうですが、常に社会と密接な関係を持っています。医療とこの出来事が関係あったんだみたいな事を知れば、どちらに関してもよく勉強することが出来ます。今回は例えば、兵糧攻めに関してのお話です。

兵糧攻めと医療に何の関係が???


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きっかけなんて何でも良いです [医師を目指す人へ]

 あなたは何故医師になりたいのですか?あなたは何故医師になったのですか?と言う質問は多くの医師が何度も受けている物だと思います。

 私はある事件がきっかけで医師になろうと思ったのですが、親が「そんな恥ずかしい理由?人には言わないでね。」と言うので、又機会があれば(^^)。

 その質問に対して答えがないと、なんだか恥ずかしい気持ちがする人もいるようですが、別に理由なんて何でも良いです。給料が高いからでも全然良いと思います。大切なのはきっかけではなく、その後の頑張りだと思います。

 以下の曲はミスチルの桜井さんもコンサートで歌ったという名曲です。是非お聞きください。




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乳酸リンゲル液なんて使いやがって!と言われたら。 [研修医教育]

 救急隊員の方は条件を満たせば(救急隊員の方が資格を持っている場合かつ患者さんが適応の場合)点滴をすることが出来ます。病院に着いてから点滴をするよりも有用な場合があるからです(この点については、議論が多いのですが)。

 しかし、点滴製剤としては乳酸リンゲル液以外認められていません。そして全開投与が原則です。この場合の全開とはクレンメ(点滴の速度を調節するつまみ)を最大に開放し、点滴を救急車の天井にぶら下げることです。規則でそう決まっているのですが、それを知らない医療スタッフから、「こんな心臓が悪い人にナトリウムが多い輸液を、それも全開でやって来るなんて!」とか、「透析患者なのに何故カリウム入りの物を投与してくるんだ!」とか言われることがあるようです。

 もしそう言われた場合には、この記事と私の写真を見せると良いと思います。私は顔が怖いと言われていますので(^^)。

乳酸リンゲル液でいい理由を述べます。


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怒ったり嫌みを言う人がいたら、可哀想な人だなと思いましょう [アンガーマネージメント]

 アンガーマネージメントについて最近書いていませんでしたので、無理矢理書いてみます。この本の紹介です。最初に総論が書いてあって、後は症例(?)とその対処法が載っています。なかなか面白い本です。「ナースの」とありますが、どんな職種(医療関係者でなくても)の人にも参考になります。


ナースのイラッ!ムカッ!ブチッ!の解消法59例―ストレスからの「護心術」

ナースのイラッ!ムカッ!ブチッ!の解消法59例―ストレスからの「護心術」

  • 作者: 安藤 俊介
  • 出版社/メーカー: 日総研出版
  • 発売日: 2013/06/01
  • メディア: 単行本



 世の中には色々な人がいて、同じ事をしても、笑顔で対応してくれたり、心の中ではアホちゃうの?と思っていても笑顔だったり、明らかに不機嫌だったり、怒ったりという様々な対応を得られます。ある意味とても勉強になります。

 医療の世界も同じで、例えば救急外来で患者さんを診察、治療し、専門の先生に入院をお願いすると言う場合、何でこんなことやっているんだ!と怒られることがあります。救急隊員の方は、病院で医師に怒られることが比較的多いようです。大変申し訳なく思いますが、皆さん覚えておいてください。怒るような人は可哀想な人です。そのように思うことが良いことかどうか分かりませんが、怒られて落ち込んだり、逆ギレしたりするよりはずっと良いです。

 すぐ怒る人は、感情のコントロールについて不勉強ですよね。間違いありません。
 それから、医療に限らず、何かを依頼された場合、何でこんなことをやっているんだ!と思って、すぐに口に出すような人は、自信がない人です。自分のスキルに自信があれば、どうにでも対応できるはずですので、まあ自分で改善すれば良いかと思えるはずです。
 また自分がした対応に自信があれば、相手が怒ったのは、相手の不勉強が理由です。

 よって、以上の三つの理由により、怒るような人は不勉強な人です。相手にしても仕方がないと思ってやり過ごしましょう、、、、、、、、、たぶん。以下のような曲を聴いてみたら、怒りも吹き飛びます!


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輸液、電解質が苦手な方へおすすめの本 [興味ある本]

 輸液、電解質と聞くと多くの人が苦手だと仰るのではないでしょうか?私も苦手ですが、特に一生懸命勉強している分野の一つです。学生時代に先輩で輸液が得意な先生がいたと言うことで、自分もそうなりたい!と思ったからです。

 私が大学3年生の時、昭和63年に昭和天皇がご入院されていたころに、侍医の方で輸液が得意な先生がいて、その先生の力もあり比較的良い状態でおられたと伺いました。その先生は私の母校で研修されたと伺いました。よし、俺もそうなるぞ!と心に誓いました、、、、、、、、、たぶん。

 よって、輸液や電解質については本を色々読んでいます。学生さんや研修医の先生にも色々とお伝えしています。今回は新しく出版されたこの本を紹介します。





 腎臓の尿細管などを6つの工場に例えるなど、とても分かりやすく書かれています。とにかく読んだ人に理解してもらおう、患者さんに役立ててもらおうと言う熱意が感じられる内容です。私も今まで研修医の先生や学生さんに色々お伝えしてきたつもりですが、こういう風に教えるのか!と勉強になりました。

 半端なくお勧めですので、ポチッとおねがいします!

脱水という言葉の定義を知っていますか?


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