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新しい人は、古い規則を変える力です。 [研修医教育]

 MMJという雑誌に興味深いコラムがありました(2011年3月号52ページ)。「2つの桃のルール・バナナをとれない猿」というもので、家庭医診療科という初めて聞く科(内容は想像できますが)の岡田唯男先生(鉄蕉会 亀田ファミリークリニック館山)の文章です。

 組織の硬直化はなぜ起こるのかについて語る時に出てくるお話だそうです。「二つの桃のルール」は著者が講義で聞いたそうです。許可は得ていませんが引用します。


 ある村にとてもとてもおいしい桃のとれる木があった。収穫のシーズンになると村人が収穫を争って死人がでるほどだったため、村長は「1人2つまで。ルールを破ったら追放」という決まりを作った。それで争いは一切なくなった。何世代も後になって、桃の木はこぼれ種などから本数を増やし、2つの桃のルールを守らずとも全員に行きわたり、かつ沢山の余りがでるまでになったが、誰もそのルールを破らなかった。あるとき聡明な子どもが大人に向かって、「これだけ桃がたくさんなっているのに、どうして1人2つしかダメなの?」と尋ねたところ、「昔からそうだからさ。それを破ると死人がでるんだそうだ。そんなことはごめんだ」。


 ルールは必要だから作られるわけですが、現状はどんどん変わって行きます。ルールは変わらないので、対応できなくなる場合があり、その場合には直ちに変えなければなりません。しかし、年寄りやそのルールに慣れた人は変えたくありません。変えられるのは新しい人の素朴な意見だと思います。

 バナナを取れない猿については、英語が得意な方は、以下の動画をご覧下さい。



 数字は少し違いますが、こちらのページに日本語があります。訳してくれている人がいてよかった(^^)。

 熱が出たら血液培養、小児にはアスピリンはダメ、大腸ファイバーをする時には点滴ルート確保など色々な決まりがありますが、何故そうなのか、最初は調べるべきでしょう。

 例えば、小児にアスピリンは、エビデンスレベルの高い研究からのデータではないそうです。アスピリンとReye症候群の関係が指摘された(こちらに詳しい機序が書かれています)のですが、関係ないという意見もあるそうです。しかし、Reye症候群は重大な病気で死亡することもあること、他に安全な解熱剤があることから、使わないことになっているようです。

 よって、どうしてもアスピリンでなければならないという状況があれば使っても良いでしょう(もちろん説明が必要です)。どうしても使わないとダメなのに、アスピリンは小児には使えないから、、、と使わないような医者にならないようにしましょう。


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ask

一度決まったルールをひっくり返すのは大変ですよね。たとえ、変えた方がよいと分かっていても、運用を簡略化するのには勇気が要りますし、特に医療の場合は命もかかりますので、より慎重ば気がします。ただ先生のおっしゃるように日常で疑問を持つことは非常に重要だと思います。


by ask (2011-04-01 05:58) 

Kim

askさん、コメント&nice!ありがとうございます。

チューブの固定法すら変えるのは大変です!!

by Kim (2011-04-01 07:12) 

小桜

こんにちは。
これは医療だけでなく、一般社会にも通じることですね。
私も今あるルールに従うだけでなく、自分で考える癖を付けようと思います。
by 小桜 (2011-04-02 19:28) 

Kim

小桜さん、コメントありがとうございます。

常に考えて行動するようみんなが気をつければ、良い職場、良い社会になるはずです!

by Kim (2011-04-02 20:54) 

familydoc


引用ありがとうございます.
こちらに本文へのリンク貼っておきます blog本文中に貼って頂けましたら幸いです.
http://www.scribd.com/collections/2457718/MMJ-column
by familydoc (2011-07-18 13:34) 

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