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低体温患者さんには心肺蘇生を控えるべきなのか? [CPRの基礎]

 低体温の患者さんは夏でも発生します。低体温の患者さんの心臓は易刺激性(刺激に対して敏感になっている)なので、ちょっとした刺激で不整脈を起こす可能性があるため、色々しない方が良いという意見もあります。しかし、何もしなければ死んでしまいますので、悩むところです。

 しかし、多くの介入は迷わずやって良いです。例えば、低体温の患者さんは脈が触れるかどうか非常に分かりにくいです。よって、心停止の診断は非常に難しいです。さらに、心臓が止まっていないのに胸骨圧迫をしたら心室細動になるのではないか?と言う心配は何故か多くの人が持っているようです。

 最初に言っておきましょう。低体温であろうとなかろうと、一次救命処置の対応は同じです。確実に脈が触れると分かった場合以外は、直ちに胸骨圧迫を開始しましょう。

 低体温の人は、まれに長時間心停止していても社会復帰することがありますので、そう言う人を見かけたら、あきらめないで蘇生を続けましょう。

 ヨーロッパ蘇生協議会のガイドライン2015の154ページには以下のようにあります。

 Neurologically intact survival has been reported after hypothermic cardiac arrest with a core temperature as low as 13.7℃ and CPR for as long as six and a half hours.
 深部体温が13.7℃まで低下した傷病者や、6時間半の心肺蘇生後の神経学的に問題のない生存例が報告されている。

 私の意見だけでは信用が全くないので、いくつか資料を紹介しましょう。

 アメリカ心臓協会の心肺蘇生のガイドライン2015には以下のようにあります。

 When the victim is hypothermic, pulse and respiratory rates may be slow or difficult to detect and the ECG may even show asystole. If the hypothermic victim has no signs of life, begin CPR without delay. If the victim is not breathing, start rescue breathing immediately.
 傷病者が低体温になっていれば、脈拍数や呼吸数は非常に遅く、脈や呼吸があると感じることが難しいかも知れない。心電図は心静止を示すかも知れない。傷病者に生命の徴候がなければ、ちゅうちょなく心肺蘇生を開始する。傷病者に呼吸がなければ、補助呼吸を直ちに開始する。

 前述のヨーロッパ蘇生協議会のガイドライン2015の154ページには以下のようにあります。

 Check for signs of life for up to 1 min. Palpate a central artery and assess the cardiac rhythm (if ECG monitor available). Echocardiography, near-infrared spectroscopy or ultrasound with Doppler may be used to establish whether there is (an adequate) cardiac output or peripheral blood flow. If there is any doubt, start CPR immediately.
 生命の徴候を1分かけてチェックする。中心の動脈の拍動を触知し、心リズムを評価する(心電図モニターが使えるのであれば)。心拍出量や末梢の血流を評価するために、心エコー、近赤外線スペクトロスコピー、ドップラーなどを用いても良い。もし、心停止の疑いが少しでもあれば、心肺蘇生を直ちに開始する。

 胸骨圧迫を間違ってしてしまうと心室細動になるのではないか?と言う事に関しては、明日記事をアップする予定です。

 以下の曲は記事とは関係ないですが、名曲ですので是非ご覧ください。


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