So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン

人工呼吸器の良い本がないか? [研修医教育]

 人工呼吸器は、重症患者さんの管理に必須の器械です。慣れればそれほど難しいものではないのですが、やはり最初は難しく感じます。私もそうなんですが、若い先生や看護師さんに分かりやすく教えられるかというと、なかなか難しいです。AKB48程ではないですが、人工呼吸のモードだけでもたくさんあって、どう使い分けるのか?分からないことが多いです。いつも良い本がないのかなあ?と探していました。

 そんな時、有名な田中竜馬先生翻訳の本が届きました。ネットで予約したときは、かなり分厚い本ではないか?と思っていて、値段が安いからすごい太っ腹だなあと思っていました。でも、薄い本なのに内容がすごく濃いです。研修医の先生や看護師さんなど、人工呼吸器の入門として最適です。是非お勧めします!





 第4章には、心構えみたいな「人工呼吸器の十一戒」と言う事が書かれています。これが素晴らしいです。ここだけ読んでも人工呼吸器の使い方が半分以上分かるはずです!!

人工呼吸器を積極的に使いましょう。


nice!(5)  コメント(2) 
共通テーマ:学問

胸骨圧迫の位置をどう決めるのがいいのか? [CPRの基礎]

 こちらの記事に質問を戴いたので再掲載です。

 胸骨の下半分を圧迫し、剣状突起は押さないと言うのは以前から言われている事実ではありますが、では実際にそれをどうやって行うのか?については良い方法がないようです。

 CoSTRと言う基礎となる資料の53ページには、以前と同じように、胸の中央を押すという風に書かれています。どうやってそれを見つけるのかについては記載がありません。
 訳す時間がなかったので、詳しく知りたい方は原文をご覧ください!

 次に、日本で一番有名なAHA(アメリカ心臓協会)のガイドラインです。

 Consistent with the 2010 Guidelines, it is reasonable to position hands for chest compressions on the lower half of the sternum in adults with cardiac arrest. (Class IIa, LOE C-LD)
 2010年ガイドラインと同様に、成人の心停止に対する胸骨圧迫時には、手を胸骨の下半分に置くことが合理的である。

 The rescuer should place the heel of one hand on the center (middle) of the victim’s chest (which is the lower half of the sternum) and the heel of the other hand on top of the first so that the hands are overlapped and parallel
 救助者は、片方の手の平の付け根を傷病者の胸の真ん中(正中)(胸骨の下半分)におき、もう一方の手を平行に重ねるべきである。

 と言うことで、実際にどうやって圧迫の位置を決めるかに関しては記載がありません。BLSプロバイダーマニュアルに書いてあると思いますが、現在手元にないのですみません。

 日本蘇生協議会のガイドライン2016のP.15にも記載があります。こちらは日本語ですから、是非原文をご覧ください。

ヨーロッパのガイドラインはどうなっているのでしょうか?


nice!(5)  コメント(1) 
共通テーマ:学問

脊椎麻酔をすると最初に足が温かくなるのは何故か? [医学関連]

 昨日の記事の続きです。

 おさらいですが、局所麻酔薬は細くて無髄の神経から麻酔されます。

 そして細い順にC線維、B線維、A線維でした。C線維だけ無髄だったのですね。

 さて、昨日とは矛盾するのですが、本当は局所麻酔薬が最初に効いてくるのは、有髄のB線維なのです!!何故かは分かりません(不勉強ですみません)。

 脊椎麻酔を行うと、最初にB線維がやられます。B線維は交感神経の節前線維で、簡単に言えば交感神経がブロックされます。人間は通常交感神経優位になっていますので、交感神経が抑制されると容易に副交感神経優位となります。交感神経は血管を締めて血圧を上げる作用がありますので、脊椎麻酔をすると血管が広がります。血流が増えた足は温かくなります。しかし、まだ温痛覚は保たれています(痛みを感じる神経と温度を感じる神経は同じと考えられています)ので、足が温かくなったと感じます。

 次に痛みの神経が麻酔されますので、温かさも痛みも感じなくなります。

 なので、脊椎麻酔をすると最初に足が温かく感じるのです。

 記事を稼ぐために正座はまた明日にします(^_^)v。


nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

局所麻酔をしても触っているのが分かるのは何故か? [医学関連]

 救急外来では、怪我をした人に局所麻酔をする事がよくあります。麻酔薬を傷に直接注射してから処置を始めますが、よくあることで、患者さんが「先生!!麻酔効いてないですよ!」と言うことがあります。

 患者さんは、傷を触っているのが分かるから、麻酔が効いていないというのです。患者さんは詳しいことを知りませんから仕方がないとして、医療者は理屈を知っておきましょう。

 「痛みは麻酔されていても、触覚は麻酔されていないことがある」と言うことを。

 理屈はそう難しくないです。いつもの通り簡単に書けば、3つです。

 局所麻酔薬は、細くて無髄の神経から麻酔される。
 痛みを伝える神経は細いが、触覚を伝える神経は太い。
 よって、痛みは麻酔されていても、触覚は麻酔が効いていないことがある。

 と言うことです。これが分かれば、脊椎麻酔を行った時に、足が最初温かくなり、その後感じなくなる理由や正座した時に足がしびれる順番も分かります。後者については明日また記事を書きます。

詳しく知りたい方はこちら。


nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

頭部外傷患者さんや出血傾向のある人に経鼻エアウェイを入れてはいけないのか? [CPRの基礎]

 経鼻エアウェイという器具があります。柔らかいチューブで出来ていて、鼻から喉の奥(声帯よりも少し頭側)まで入れて、気道を確保します。鼻から入れるだけなので、簡単な気道確保法の一つとして、蘇生の講習会(ACLSやICLS等)では必ず使い方を習います。

 ちなみにトリビアみたいな物ですが、鼻中隔が左に寄っている人が多いそうで、鼻の穴の中は右側が広い人が多く、経鼻エアウェイはもちろん、経鼻胃管なども第一選択は右の鼻の穴です。経鼻エアウェイの先端は斜め切りになっています。鼻中隔を傷つけないようにと言う配慮だという噂ですが、よって基本的に右の穴から入れるように作られています(たぶん)。

 さて、本題です。蘇生の講習会などでは、頭部外傷(鎖骨以上の外傷と書かれている物もあります)や出血傾向のある人には禁忌だと教わります。

 じゃあ、そう言う患者さんが来たらどないすんねん!と思います。結論から言えば、そう言う患者さんでも使って良いです。ただ、禁忌と書かれていることを行う場合、カルテに理由を記載するのはもちろんですが、患者さんやご家族にきちんと説明するべきです。医師は禁忌となっている治療を行ってはならないという法律はありません。どうしてもこれが必要だという想いがあれば、禁忌であっても使うべきです。

 が、個人的には経鼻エアウェイはそこまでして使う器具ではないので、頭部外傷患者さんや出血傾向のある人に使う事はないと思います。

どうしても使いたい場合は使いましょう。


nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

脳出血患者さんの気道確保法 [医師国家試験]

 昨日の記事にご質問いただきましたので、記事を作ってみました。新しく「医師国家試験」というカテゴリーも作ってみました。

 先日行われた医師国家試験の問題で、意見が割れている物があるのだそうです。私は卒業以来、医師国家試験の問題を見たことがなく、初めて見てみました。今はネットに載っていて、厚生労働省まで試験問題を公開しているのですね。知りませんでした。私が国家試験を受けた頃は、まだインターネットは普及しておらず、パソコン通信の時代でした(^^)。

 こちらが質問を受けた試験問題です。要約すれば、以下の通りです。

 高血圧と心房細動がある68歳の女性。
 降圧薬と抗凝固薬内服中でコントロールについては記載なし。INRは2.1。
 夕食の買い物中に突然右半身の麻痺が出現し、家に帰ることが出来た。
 帰宅後意識レベルが低下したため救急車にて来院。

 意識レベルはGCSで9。血圧は高く、脈拍は68/分で不整。呼吸数は10/分。酸素4L/分投与でSpO2は97%。

 CTで左の被殻出血と診断。CT後に意識レベルが突然低下し、用手気道確保ではSpO2が上がらない(いくつか記載なし)。適切な気道確保法はどれか(直ちに行うべき)という物です。

a 経口気管挿管
b 経鼻気管挿管
c 輪状甲状靱帯切開
d 経鼻エアウェイ挿入
e ラリンジアルマスク挿入

 答えはどれか?で、かなりもめているようです。確かに、、、、、、普通に考えれば、aの経口気管挿管で良いと思います。が、こう言った救急の問題で困るのは、「まず行う」というキーワードです。これを重視すると、SpO2が下がってきて気道確保が出来ないのであれば、挿管の準備をしながら、エアウエイを入れても良いと思います。ただ、何故経口ではないのか?と言うところも引っかかります。

 取りあえず、刺激によって血圧を上げてしまうのではないか?と言う点に関しては、どれも差はあるのでしょうが、どの選択肢を選んでも、血圧をより上げる可能性があるので、それによって選択が変わることはないと思います。CTに行く前に降圧薬は投与開始しているでしょうし。麻痺があって意識レベルが低下していると聞けば、脳出血の可能性が高いのですから。

とりあえず、bとcは否定で良いでしょうか?


nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

心筋梗塞の患者さんに酸素を投与すべきか? [CPRの基礎]

 酸素投与は色々と難しいです。救急隊の方と病院側で結構もめるポイントのようです。今回は救急現場における、急性心筋梗塞患者さんに対する酸素投与について考えてみましょう。

 まず結論からです。

 急性心筋梗塞だけでなく、酸素投与をした方がいいかな?と思ったら、迷わず酸素を投与しましょう。

 もし誰かに酸素をどうしてやってるんだ!と怒られて困ったら、私が応援に伺いますので呼んでください。私顔は怖いと言われていますから、相手は黙るかも知れません(^^)。

 酸素投与をすべき理由はただ一つ。低酸素より怖い物はないからです。出血の方が怖いじゃないか!と言う意見があると思います。そうですね。出血も怖いです!!しかし、出血は血液が足りなくなることで末梢組織の酸素が足らなくなる病態です。つまりは、低酸素と同じです。酸素がなければ人間は生きていけません。酸素が足りないことより恐ろしいことはありません。
 CO2ナルコーシスになるとか、スーパーオキサイドがどうとか、、、、、すべて命あっての話です。

 しかし、酸素投与をすると、冠動脈の血流が減ると言うことで、酸素投与はすべきでないという意見もあるようです。こちらの論文には、酸素投与をすると、冠血管抵抗が30%上昇し、冠血流が40%減るとありますが、18人の安定狭心症の患者さんでのデータです。急性心筋梗塞の患者さんではどうか分かりません。

 AHAの心肺蘇生のガイドライン2015に引用されているこちらの文献でも、酸素投与による弊害がたくさん載っています。が、検討した51の文献のうち、検討に値した物はたったの2つだったようです。
 そのうちの一つでは、酸素か空気を6リットル/分で24時間流して比較しています。もう一つの文献は4リットル/分です。何も考えず、SpO2等による酸素の減量もせず、酸素を4−6リットル/分で24時間長し続ける、、、、、、、そんなやつおらんやろ〜って思います。また、二つ目の文献は、酸素投与群の方がSpO2が低かったようで、重症例が多かったのかも知れません。

 よって、日本循環器学会のガイドラインでは、酸素投与について以下のように述べています。

クラス I
 ・肺うっ血や動脈血酸素飽和度低下(94%未満)を認める患者に対する投与(レベルB)
クラス IIa
 ・すべての患者に対する来院後6時間の投与(レベルC)

 日本循環器学会のガイドラインP.21の本文には「緊急治療開始から最初の6時間は全例で酸素投与が勧められる」とも書いています。そうなんです。酸素はやっていいんですよ。

 もう一度言います。

 酸素を投与した方がいいかな?と思ったら、酸素を投与しましょう。

 こちらのスライドがよくまとまっています(研修医の先生が作られたようです。素晴らしい!)のでご覧ください。私の記事を読むより、このスライドを読む方が良いかもです(最初に言えよな!って突っ込んでみてください(^^))。


nice!(5)  コメント(3) 
共通テーマ:学問

インスピロン5リットル50%はどう言う意味か? [研修医教育]

 インスピロンという酸素投与器具があります。蒸気が出てきて音がややうるさいですが、蒸気が見えると何かいいことをしているような気がしてくる器具です。適応とか細かいことは除きますが、この器具の設定を理解していない人が多いので、アップしておきます。

 私は研修医の頃に、これはどういう風に使う物か調べなさいと言われて、インターネットもない時代でしたし、業者さんがまだ論文などをコピーしてきてくれる時代でしたので、業者さんに資料が欲しいと頼みました。今考えれば、調べ方を教えてくださった指導医の先生に感謝です。

 さて、インスピロン5リットル50%とは、100%酸素を5リットル使って50%のガスを患者さんに流すという物です。患者さんに実際にどのぐらいのガスが流れるのかはこちらのページの質問6に表がありますし、以下のような計算でも求められます。

患者さんに投与されるガスの流量=[(100-21)/(設定酸素濃度-21)] × 酸素流量計の流量

 これは以下の式を変形した物ですから、自分でも計算できます。

酸素流量計の流量+(患者さんに投与されるガスの流量ー酸素流量計の流量)×0.21
  =患者さんに投与されるガスの流量×設定酸素濃度

 また、酸素投与量が少なければネブライザー効果が得られないので、酸素投与量は最低でも4L/分は必要です。

100%1Lと言う設定はいいのか?


nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

早くて浅い呼吸は何故良くないのか? [医学関連]

 蘇生の講習会などでは、患者さんの呼吸の観察をしっかりするように教えられます。呼吸の状態はとても大事なバイタルサインの一つだからです。

 「呼吸は浅く、早いです!」

 と言うのは、患者さんの状態が悪いことの代名詞でもあります。そして、ほぼ間違いなく講習会では患者さんの呼吸は浅くて早いです。

 ところで、何故呼吸は浅くてはいけないのでしょうか?何事も過ぎたるは及ばざるがごとしなので、浅めの呼吸を頻繁に行っても良いのではないかと思いますが。

 結論から言えば、浅くて早い呼吸は充分な呼吸になっていないので、効率が悪く、疲れるだけなのでよくありません。

 死腔、死腔換気率と言う言葉を知っていれば簡単なことです。

浅くて早いのは良くないのです!!


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

ソルコーテフは改良されています。 [医学関連]

 医療でよく使う薬の一つとしてステロイド剤というのがあります。これは副腎皮質ホルモンの薬で、色々な病気に使われています。

 救急ではアレルギーの患者さんに使うことが多いです。アレルギーを起こした人に副腎皮質ステロイドを使用すると症状が改善されたり、再発を予防できたりします。

 その時によく使う薬として、ソルコーテフというのがあります。これは注射薬そのものが粉になっていて、それを溶解する液が入った部分とセットになっていて、簡単に、迅速に溶解して患者さんに投与することが出来ます。

 しかし、私は研修医の頃に、この溶解液に防腐剤が入っていて(パラベンという物質のようです)、それに対してアレルギーを起こす人がいるので、防腐剤の入っていないサクシゾンを使いなさいと習い、そうしてきました。

 しかし、今の病院にはサクシゾンは採用されておらず、ソルコーテフしかないようです。研修医の先生に質問された時に、ソルコーテフよりサクシゾンが良いんじゃない?とお伝えしたところ、当院には採用されていないことが判明しました。サクシゾンは、以前サクシンと言う筋弛緩薬と間違えてオーダーされて、実際に患者さんに注射されてしまい、患者さんが死亡する事故が起こっていますので、きっと採用されなくなったのでしょう。「サクシ」まで同じ名前ですから、、、、、、

 それで調べてみたら、なんと!ソルコーテフは改良されていて、2014年からは防腐剤のパラベンが入っていない製剤が売られているようです。知りませんでした。

しかし、それでもソルコーテフは避けた方が良いかも。


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:学問