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赤血球を輸血したら循環血液量が増えるのか? [医学関連]

 大量出血の患者さんが来ると、輸血だ!早くしろ!等と大きな声を出す人がいます。

 もちろん輸血が必要な場合も多いのですが、輸血だけで良いのでしょうか?赤血球輸血をしたら、入れただけ循環血液量が増えるのか?について考えてみます。

 いつもの通り結論から書きますと、赤血球輸血は赤血球を入れているだけなので、循環血液量は増えません。大量出血の場合には、生理食塩水や乳酸リンゲル液等を一緒に入れましょう。

 理由を説明します。今回はこの本を参考にしました。ちょっとだけですが。


INTENSIVIST Vol.9 No.2 2017 (特集:輸液・ボリューム管理)

INTENSIVIST Vol.9 No.2 2017 (特集:輸液・ボリューム管理)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: メディカルサイエンスインターナショナル
  • 発売日: 2017/05/01
  • メディア: 雑誌



 まず、赤血球は何をしているのか?を考えます。赤血球の主な働きは、末梢に酸素を運ぶことです。つまり以下のようなことが必要です。

(1)赤血球に含まれるヘモグロビンが、肺で酸素を結合する。
(2)酸素を結合したまま末梢まで到達する。
(3)運んできた酸素を、末梢で放出する。
(4)放出された酸素が必要な細胞に届く。

 (1)肺炎などになると肺で酸素を取り込む能力が障害されますので、抗菌薬を投与したり、人工呼吸器を使ったりして、その能力を改善させます。一酸化炭素中毒やメトヘモグロビン血症などがなければ、肺の機能が問題なければ、ヘモグロビンは酸素を取り込みます。

 (2)詳細は私も知りませんので、簡単に書くと、末梢に運ばれる酸素の量は、以下の通りです。

末梢に運ばれる酸素の量=動脈血酸素含有量×心拍出量

動脈血酸素含有量=1.34×Hb濃度×SaO2+0.003×PaO2

 つまり、心拍出量、ヘモグロビン濃度、動脈血酸素飽和度、動脈血酸素分圧の4つが関連しています。ヘモグロビン濃度が高ければ高いほど良いかというとそうでもなくて、ヘモグロビン濃度が高くなると、血液の粘性が高くなるため、心拍出量は減少します。Hbが8前後が最も末梢に運ばれる酸素の量が多くなるようです。心臓が悪かったり、肺が悪かったりすれば別ですが。

もっと知りたい方はこちら。


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