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時間外に来る患者さんはそれだけで病気なので診察が必要です [研修医教育]

 医師になって最も大変な業務の一つが当直や時間外に来られた患者さんの診療でしょう。予定外の仕事になりますし、自分の専門外でもありますし、緊急性が全くない場合もありますが、緊急性が要求される事もある、、、、、、、

 その時に絶対にやってはいけないことは、「何でこんな時間に来るの?!」「どうして午前中に来なかったの!?」と言ってしまうことです。これは自分に対しても言っていますが、言わないで笑顔で診療が出来るようトレーニングをしましょう。

 理由はいつもの通り3つです。

・患者さんには、この時間に来なければならなかった理由が必ずあります。
・それらの台詞を言って良いことはほとんどありません。
・もし緊急性のある疾患があった場合、トラブルの元です。

(1)時間外になった理由
 11時半まで受付時間なのに12時に来られたという患者さんがいたとします。こちらとしては、何で11時半までに来ないんだ!と思うかも知れませんが、朝は皆忙しいです。早く受診しようと考えていたのだが、家事をしていたら家を出るのが遅くなったとか、車の調子が悪くて直ぐ家を出られなかったとか、渋滞していて病院に着くのが遅くなったとか、病院には11時に着いたんだけど駐車場が混んでいて車を止められたのが11時半だったとか、、、、、、、
 また、子供が熱を出していたのですが、自分は経過を診て問題ないと思っていたとします。午後になってやって来た祖母が何故病院へ連れて行かないんだ!と激怒したとか。仕事中だったのだが、上司が病院へ行かないとダメだと言ったとか、、、、、、、
 まあ、患者さんも色々ですよ。夜になって不安になると言うことだってあるでしょう。患者さんは何故この時間に来たのだろうか?と言う事を、上から目線ではなく、同じ立ち位置で想像できるようになれば、怒りを感じる事は少なくなるかも知れませんね。

続きを読みたい方はこちらを。


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患者さんを胃腸炎と診断して良いですか? [研修医教育]

 以前勤めていた病院のブログ記事のほぼ引用です。私が書いた物だから、良いと思います、、、、、、、、、たぶん。ちなみに、この病院のこのブログは古い物で、新しいのはこちらです。

 当直をしていると、腹痛の患者さんが来られます。きちんとお話を聞き、診察をして、大きな異常がなさそうだと分かると「急性胃腸炎」と言う病名になる事が多いでしょう。しかし、本当にそれで良いですか?と言うお話です。

 多くの患者さんを日々診療させて頂くと、だんだん慣れてしまい、また胃腸炎か、、、と言う風になってしまいます。しかし、腹痛の鑑別診断はたくさんあります。感染症で有名な青木眞先生は、胃腸炎のような症状の患者さんが来られたら、まず腹部以外から考えると言われていました。肺炎、心筋梗塞、大動脈解離、腎梗塞、尿管結石、、、、糖尿病性ケトアシドーシス、急性間欠性ポルフィリン症なんてのもあります。

 疲れていて、忙しくて、、、、大変ですが、頑張って鑑別診断をしましょう。色々な病気の可能性を考えると言う事は、キャッチボールや素振りをするのと同じです。イチローでもキャッチボールや素振りを毎日するでしょう。素人レベルの我々も、毎日鑑別診断を考えるようにしたいですね。

 この人は心筋梗塞じゃないか?バルビツール系の薬を注射して発症しているから、急性間欠性ポルフィリン症??いや55歳だけど子宮外妊娠かも?

 外れだったとしても、鑑別診断を色々考えた事は、必ず今後で会うであろう患者さんや自分の役に立つはずです。CVや挿管に成功するよりも、外れだけど沢山の鑑別診断を考える事を繰り返す事の方が患者さんを救うと確信しています(最新の救急に関するエビデンスでも挿管やCVの効果は認められていませんよね)。

 と、私が言っても誰も聞いてくれないでしょうから、偉い先生達のお言葉を紹介します。患者さんの診療をするのにだいぶ慣れてきた今、再確認しておきましょう。

偉い先生のお言葉を聞きたい方はこちらをご覧ください。


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エマージェンシーケア10月号に載せていただきました [研修医教育]

 エマージェンシーケアという雑誌があります。「救急認定看護師のためのJOURNAL in JOURNAL」と書かれていますので、救急外来で働く、あるいは救急に興味のある看護師さん向けの雑誌なのでしょう。

 FBでお友達にさせていただいている先生からお誘いを受けて、10月号に原稿を書かせていただきました。雑誌の特集記事を書くのは初めてで、色々勉強になりました。限られた紙面の中に入れるべきポイントを入れ、それを分かりやすく(と自分では思っている)書くのは大変でした。それから、他の原稿がタイトルしか分からない中、統一性を出来るだけ持たせるように気をつけたつもりですが、、、、、、、

 主に失神について書かせていただきました。失神の死亡率は2%程度で、心筋梗塞の患者さん(来院した方)の死亡率と同じ位だそうです。胸痛の患者さんが来たら、お茶でも飲んでから、、、、、、と言う人はいないのと同じように、失神の人が来たら気合いを入れて診察しましょう!と言う様なことを書きました。

 よかったら是非お読みいただき、ご意見いただければ幸いです。出版社のホームページはこちらです。


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ガイドラインをどう使うか? [研修医教育]

 医者の間では、ガイドラインという物が流行っています。心筋梗塞のガイドラインも肺炎のガイドラインも、その他新しいガイドラインがどんどん作られています。そのガイドラインはどうやって作られるかというと、Aと言う疾患に対してBと言う薬を使うと、治癒までの期間が短縮するのか?とか、疾患Aは熱が出るのだが、治療Bにより熱が直ぐ下がるのか?などと言う疑問から、それらを調べた論文を探して、有用だと思われる論文を抽出し、それらをまとめて結論を書いています。最近は訴訟の資料に使われたりしますので、医者は必ず読まなければなりません。

 そして、ガイドラインにこう書いてあるから、こうしなければならないのに、何故していない!と言う事が起こってしまいます。はたして、ガイドラインは絶対なのでしょうか??

 例えば、日本合コン医学会のガイドラインに以下のような物があります(もちろん、こんな学会はありませんし、冗談です。例えで分かりやすくと言う事です)。以前書いた物です

CQ1 合コンに参加する場合、服装は赤色がメインのものにすべきである(クラスIIa)。
 気合いを入れる時に、赤色の服を着るとことは心理学的に証明された事実である。タイガーウッズは最終ラウンドで赤いシャツを着ているのは有名である。機動戦士ガンダムでも、赤い彗星シャアは3倍の能力を発揮している。よって合コンに赤い服を着ていけば、持てる能力を最大限に発揮できる可能性が高いと考えられる。
 また、この事実を知っている者は、赤を着ている人物は本気で望んでいると分かるため、かかんにアタックしてくる可能性が高く、成功率が高い(LOE3)と考えられる。
 しかし、逆に相手を攻撃しすぎて失敗する副作用も報告されており、合コン会場での行動や発言には細心の注意が必要である。

 というような感じです。は?という感じですよね。これを読んで、じゃあ合コンには絶対に赤を着ていかなければならないとは思いませんよね。赤が似合う人もいるし、合コンと言っても色々じゃないって思いますよね。また、マニュアル本というものが多く売られていますが、それもガイドラインに近い物です。マニュアル本通りにやれば全て上手く行くと思う人はいないと思いますが、何故か診療ではガイドラインに従うべきだと思う人が、医者でも患者さんでもおられるんですよね。

 ガイドラインに引用されている論文は、エビデンスレベルの高い論文だったとしても、ある特定の患者さんの集団で、ある介入が有用だった(と言っても、例えば死亡率が5%なのが3%になったと言うような場合もあります)と言うだけです。死亡率を2%減らしたと言う事実がどれほどの意味を持つのか良く考えなければなりません。心臓が動いていただけで寝たきりになってしまった人が多いのではないか、その介入はお金がかかるのではないか、別の介入であれば短期間で良いが、その介入は一生薬を飲み続けなければならないということなのではないか、そして、一生飲み続けた場合の問題点についてはまだ分かっていないのではないか、その介入をすることで別の病気になるのではないかなどです。

 今目の前にいる患者さんが、その特定の患者さんの集団と同じような患者さんかどうか、その介入は患者さんに本当に利益をもたらすのか?その患者さんの利益とは何か?考えるのは医者の仕事です。

 患者さんの背景も様々です。お金持ちからそうでない人、芸能人から一般の人、背の高い人、高くない人、色々です。そして病気の程度も様々ですし、身体の元気さも色々です。お金持ちの人なら、お金がいくらかかっても良いでしょうし、有名人ならその治療が出来る数少ない先生に診てもらいやすいでしょう。頻繁に通院したり、長期入院が必要な治療であれば、自営業の人はなかなかその治療を受けにくいでしょう。

 それなのに、一律にこう言う治療が適切であると言われて、その通りにしなければならないと思う方がおかしいです。ましてや裁判の資料に使われるなんて!と思います。アメリカなどではガイドラインは裁判の資料に使われないそうですし、最近は、前文に「訴訟の資料として使用することを禁ずる」と記載するガイドラインも出てきています。

 ガイドラインにこう書いてあるからと言う単純な理由ではなく、ガイドラインにはこう書いてあって、この患者さんには適応すると思われるから、この患者さんにはガイドラインに書いてある治療や検査をしよう!と考えなければなりません。研修医の皆さん頑張りましょうね。


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検査は上手く使わなければなりません [研修医教育]

 二つ続けて画像検査について記事をアップしました。今日は、むやみにCTやMRIを行っても意味がないというお話をします。

 CTやMRIはものすごい検査で、何でも分かると思っている人がいるかも知れませんが、それは間違いです。どんな精度の高い検査をしても、それ自体では大した検査になりません。検査を使う医師の頭によってすごい検査になったり、無駄になったりするのです。検査は、以下のようなものと同じだと言ったらびっくりするでしょうか?

・女性であれば妊娠している。
  患者さんが女性かどうかを調べれば、その人が妊娠しているかどうか分かる。
・名字が木村、あるいは名前が拓也であれば(芸能人の)木村拓哉である。
  患者さんの名字が木村、あるいは名前が拓也かどうか調べれば、その人が木村拓哉かどうか分かる。
・アイドルであれば、恋人はいない。
  患者さんの職業がアイドルかどうかが分かれば、恋人がいるかどうかが分かる。

 例えば、「女性であれば妊娠している」という検査を考えます。アホかお前は!と言う印象を受ける、精度の低い検査に感じませんか?しかし、激しく有用なのです!
 現在妊娠している人の数がどのくらいか分かりませんが、今の日本に住んでいる女性のうち100人に1人が妊娠していると仮定します(割合はあくまで適当です)。男性と女性は1:1で日本にいると仮定します。
 その辺を歩いている人が妊娠している可能性は0.5%ですね。これを検査前確率と言います。ところが、その人が女性であれば(検査が陽性)、その人が妊娠している確率は1%(何と二倍!)になります。また、その人が男性であれば(女性でない、つまり検査が陰性)その可能性は0%です。
 この検査は一般的に使用するのであれば、除外に使える検査で(感度が100%と言います)激しく有用な検査です。なぜなら、その人が男性であれば(検査が陰性)、100%妊娠の可能性はない(その病気の可能性はない)んですよ。こんな検査はまずありません。
 しかし、これを高齢者の方がたくさん入所されている施設で行った場合はどうでしょうか?もともと妊娠している人はまずいません(検査前確率がほぼ0%)ので、検査が陽性であってもその病気の可能性はほぼゼロです(疾患の確率は確かに上がりますが、たぶん妊娠している人はいないでしょう。偽陽性と言います)。検査が陰性であれば、妊娠はしていないと言えますが、もともとまず妊娠していないと分かっているのです。よって、高齢者施設でこの検査を行う必要性はゼロです。もちろん、「女性であれば妊娠している」という検査は、チェックするだけなのでやってもいいですが、診断に利益を与える可能性はほぼゼロです。
 また、三次病院(まあ大きな病院と考えて良いでしょう)ではない病院の産婦人科に入院している人はほとんど妊娠しています。女性であればもちろん妊娠しているでしょう。男性はもちろん妊娠していません(これは検査が陰性であれば病気ではないという感度が100%だから使えますが、普通は100%でないので、こう言った場合には有用ではありません)が、男性が入院することはありませんね。もともと検査をする前から妊娠しているかどうかは分かりきっているのですから検査は不要です。

 木村拓哉さんの場合は、名字の確認なんていらんでしょ!と思うでしょうし、アイドルが恋愛してないなんて嘘でしょ!と思いますよね。その通りです。検査はそんな程度のものなんです。

 検査はそんな程度の物なのですから、大事なのは事前確率とその検査がどんな特性があるのか?と言う事です。それを知っているのは医者だけだと言っても良いでしょう。

事前確率がどうかという医師の努力が大切なのです。


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急性冠症候群の対応は最中(もなか)です。 [研修医教育]

 急性冠症候群とは、胸痛や胸部不快感などで救急外来を受診し、適切な対応がなされなければ死んでしまうかも知れないような大変な病気の総称です。英語ではAcute Coronary Syndromeと言うので、ACS(エーシーエス)と言います。新しい48グループではありません。

 救急外来にACS疑いの人が来ると報告があると救急外来には緊張が走ります。

 こう言う場合には、簡単に対応を思い出せるようになっていなければなりません。よって多くは語呂合わせが作られています。ACSの対応は「MONA」と覚えます。山本モナと覚えましょうと私は習いましたが、きっと今彼女を知っている人は少ないでしょうから、これからは「MONACa」と覚えましょう。最中ですね。

 最後の「Ca」は「Cardiologist call」つまり循環器内科医に電話を!と言う意味です。カテ室コールでも良いですね。とにかくACSの人が来たら循環器内科の先生に直ぐ相談し、緊急カテーテル検査になる可能性が高いですから。

 以下の本のP.241に書いてあります。基礎編、応用編と全部読むのは大変ですが、心電図が好きになる本です。お勧めです。




MONAを知りたい方はこちらを。


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UpToDateのお勧め [研修医教育]

 病院の中で医者は評判が良いとは決して言えません。威張っている、わがままばかり、お願いしたことをしてくれないなど。しかし、これだけは言えます。病院のスタッフの中で専門分野に関して最も勉強しているのは医者です。なぜなら勉強しないで患者さんの診療は出来ないからです。他の人たちも勉強している人は沢山いるとは思いますが、勉強しなかったとしても仕事は出来ると思います(と誰かが言ってました)。

 そんな中、多くの医者が利用している資料の一つを紹介しましょう。それはUpToDateと呼ばれるサイトです。簡単に言えば電子版の教科書です。教科書と言っても学生時代に使っていたような一つの項目について簡単に記載したというようなものではなく、例えば、このAKB48に関するWikipediaのサイトのような大量の知識が満載です。

 アメリカのサイトですから、もちろん英語ですが、検索までは日本語で出来るようになりました。無料だったら良いのですが、有料です。1年間でうん万円の購読料が必要です。しかし、このUpToDateに書かれていたと言えば、多くの医者はひれ伏すと言うぐらい信頼度の高い資料です。

 たぶん全ての文献が1年に1回以上担当者によってチェックされて、必要なところは新しく書き換えられます。

 なんとハーバード大学による研究で、UpToDateを使うことで患者さんに良いことがたくさんあったと示されたとのことです。詳しくはこちらをご覧ください。

 病院で導入されていないのであれば、偉い人に導入するように言ってみてください。聞き入れなかったらもう辞めてやる!ぐらいの素晴らしい資料であることは間違いないです。まあ、辞めることはありませんので、病院で使えるようにしてもらえなかったら、個人で加入しましょう。私はもう10年以上個人で加入をしています。そして、もったいないから?毎日見るようにしています。歳をとるとケアの質がだんだん落ちるという事なので、落ちないように、あるいは落ちる速度が最小限になるように頑張ります!


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丸投げはいけないのか? [研修医教育]

 医者の世界では(もしかしたら他の業種でもあるのかもしれませんが)「今日丸投げされちゃったよ」とか「丸投げですか?」と言う会話がよくされています。最初に結論を言っておきますが、私は丸投げ大歓迎です。しかし、丸投げは自分ではしないように、丸投げと言われないように気をつけています。研修医の皆さんも是非まねをしてください。

 患者さんがやってきて、ある疾患が疑われ、専門医に診察をお願いします。それだけだと「丸投げだ」と怒られることがあります。なので、例えば、ある疾患になりやすいリスクファクターがないかどうか、画像診断をしてあるかどうかなどが大切になります。

 しかし、専門でない者には、そのある疾患にどんなデータが大切なのか?分からない事があります。画像診断や採血も、どのような検査をしたら良いのか分からない事があります。しかし、専門医はそれが専門だからよく分かります。相談されたら、それらの指示をしたら良いだけです。よって、皆さんが専門医になったら、是非快く、後はこちらでやりますと言うようにしましょう。

 そうでなければ、コンサルトをしてきたお医者さんは、嫌な気分になり、次からは相談してこない可能性があります。そうなって患者さんに不利益が及んだ場合、それはコンサルトをしなかった医師だけが責められるべきでしょうか?コンサルトをしやすい雰囲気を作っていない専門医や病院に問題はないのでしょうか?

 採血ぐらいやっておいてよ!と言われることがありますが、採血には特別なスピッツ(血液を入れる容器です)が必要な場合があります。先に採血してからコンサルトした場合、多くは検査室に連絡して追加をお願いすればいいですが、特別なスピッツが必要だった場合には、再度患者さんから採血しなければなりません。再度針を刺される患者さんのことを考えなくて良いのでしょうか?

 画像についても同じです。学生時代に授業でそういう話がありました。あなたが開業した場合、安い機械で撮影することになると。その検査で異常がなかったと言っても、本当に異常がないかどうかあやしく、専門医を受診した場合、再度同じ検査をすることになるだろう。検査と言うのは機械だけでなく、どのように検査をするかと言う設定も色々あるのである。最初に行った検査のお金と、例えば放射線被爆はなんの意味があるのか?

 なので、個人的には専門医に丸投げしていいと思います。コンサルトを受ける側は、必要なデータがあればその場でオーダーし、本当に必要であれば、その先生に「次回からはこれとこれをやっておいてください」と伝えればいいのです。「丸投げするなよ!」と言っても良いことは何もありません。明日逆の立場になるかもしれないのですから。

 マッシー池田先生もブログで同じようなことを言われています。くも膜下出血を疑ったら、すぐに脳外科コンサルトだと。以下引用です。

 紹介元であるあなたの施設でCTを撮影したとしても、その結果如何にかかわらず、紹介先の脳神経外科では、SAHをより鋭敏に捉えるために、造影CTも含めて撮影条件を工夫してCT取り直すことはわかりきっている。なのにあなたが余計な手間隙をかけている間に再出血でもされたら、それこそ元も子もなくなってしまう。真っ当な脳神経外科医であれば、たとえ腰椎穿刺までやってSAHが否定されたとしても、患者さんとともにSAHでなかったことを喜ぶとともに、どんな軽症のSAHも見逃さないとするあなたの熱意を、患者さんの目の前で誉めてくれるはずだ。だから、SAH疑いの症例に対し、プライマリケア医自身が、動脈瘤再破裂のリスクを伴う腰椎穿刺を行う必要性は全くない。いち早く脳神経外科医に転送するだけで十分である。

 もちろんですが、本当にこのような対応をして、褒めてくれる脳外科の先生に会ったことはありません。CTぐらいは撮像しますが。

 ただ、検査が異常ないからと言って重大な病気を否定すると言うことこそ最もやってはいけないことですし、そういう条件の時こそ、専門医の力量が試されます。だからこそ専門医に相談しているわけですから、「検査が異常ないなら返していいんじゃないの?丸投げですか?」等と言わないでくださいね。

 専門医になった時には、是非快く患者さんを診ていただければうれしいです。

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当直開始時に気をつけること [研修医教育]

 当直業務は出来ればやりたくない物の一つです。人が休みの時に病院に出てきて、救急患者さんに対応しなければなりませんし、だいたい休日は人手が足りず、色々な面で不利です。

 病院は休みがありません。毎日患者さんがやって来ます。しかし、働くスタッフには休みが必要です。よって、病院は基本的には平日は大きな事(通常の会社などと同じような仕事?)を行い、土日には緊急のことだけを行います。しかし、土日に充分なスタッフを配置することは不可能なので、どうしても土日は人手不足です。

 しかし、当直は誰かがしなければなりません。その当直に自分が当たった場合の注意点です。今回は当直をするために病院に来た時にまずやることです。

 以下の本の91例目は、そのような状況の中で起こった失敗例が書かれています。この研修医当直御法度は、赤本、青本と呼ばれていて、日本で一番売れている医学書の一つだと思います。「研修医」と書いてありますが、全ての医師、医療従事者が読むべき本だと思います。読んでいない方は是非お読みください。


研修医当直御法度 百例帖 第2版

研修医当直御法度 百例帖 第2版

  • 作者: 寺沢 秀一
  • 出版社/メーカー: 三輪書店
  • 発売日: 2013/01/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 腹痛で日曜日の早朝に来院された患者さんを当直医が入院させました。朝出勤してきた日直の医師に引き継ぎをしたのですが、日直の医師は救急外来が忙しくて病棟に入院したその患者さんを診に行けず、月曜日になった穿孔性虫垂炎だと言うことが分かり、緊急手術になったと言うお話です。

 色々難しいですが、出勤したら、引き継ぐべき患者さんはいないのか?をまず確認するのが良いと思います。そして、そのような患者さんがいたら、最初に診に行くべきでしょう。そうでなければ、新しくやって来た救急患者さんにしか気を配ることが出来なくなってしまいます。

 色々意見はあると思いますが、私は当直開始の30分以上前に病院に来るようにしています。そして、当直明けは休日を楽しむことは出来ない(例えば8時半に当直業務終了とあったとしても、その後何時間も家に帰れない可能性がある)ことを覚悟しております。


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輸液ポンプか?シリンジポンプか?それが問題だ [研修医教育]

 重症な患者さんなどに対して、微量かつ正確に薬を注入しなければならない場合、輸液ポンプと言うものを使います。知りませんでしたが、シリンジポンプも輸液ポンプの仲間だそうで、正確に言えば、滴数制御型輸液ポンプとシリンジポンプだそうです。

 今からあなたは、受持患者さんに「ノルアドユキリン」と言う架空の薬を投与するとします。この薬は1ug/kg/minと言う速度で投与することが推奨されており、3mg/mLつまり0.3%の製剤が発売されています。さて、輸液ポンプの設定は「ml/時」と言う設定項目があります。よって、0.3%の製剤を時間何mlで投与すれば、1ug/kg/分になるのかを計算しなければなりません。これについては別に記事を書きましたのでご覧ください。

 ノルアドユキリンは、計算すれば、1ml/時と言う設定にすれば、推奨された速度になります。よって、1時間かけて1mlを注射する速度で薬液を投与すれば良いです。

 その為に滴数制御型輸液ポンプを使うべきか、シリンジポンプを使うべきか?と言うのが今日のテーマです。

 一般的には、シリンジポンプの方が正確に薬を投与できるそうです(そのように作らなければならないようです)。よって、シリンジポンプを使うことになりますが、問題点が3つあります。

・シリンジポンプは50mlの注射器までしか使えない(と思います)。
 よって、ノルアドユキリン注射液は0.3%溶液で、200mlのソフトバックに入った製剤ですので、バックから注射器に薬液を吸わなければなりません。はたして、清潔に注射器に吸うことが出来るのか?そして、バックに残った150mlの点滴はどうするのか?と言う問題があります。
・流量が増えた場合、交換が頻繁になります。
 血圧がなかなか上がらず、注射液の投与速度が1ml/時から10ml/時に増えた場合、50mlの容量しかないのですから、5時間で薬がなくなってしまいます。5時間毎に看護師さんが注射器を交換しなければなりませんし、その時に注射液が投与されず、血圧が下がってしまうかも知れません。
・シリンジポンプは無限にあるわけではありません。
 値段がいくらするのか分かりませんが、ネットで検索した限りでは20万円以上します。どの患者さんにもシリンジポンプをと言う訳にはいきません。

滴数制御型ポンプにすれば?


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