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医者に化学の知識は必要か? [医師を目指す人へ]

 このブログを読んでくださっている高校生の方がおられるとのことで、医師を目指す人へのメッセージみたいな物を書いてみることにしました。

 私もそうでしたが、勉強をしていると、一体こんな知識必要なのか?と思うことがよくあります。しかし、多くの場合、後になって、もっと勉強しておけばよかった!と思うものです。

 今回は化学について書いてみましょう。何を隠そう、私は化学が理科の中で最も苦手で、大学受験の時には、化学が受験科目にない大学を選びました。

 しかし、医者になって思います。化学は大事です。高校生で医者を目指しているみなさん、是非化学もしっかり勉強しましょう。

 以下にわずかではありますが、化学が役に立つ例を挙げてみます。

・薬の作用などがより分かります。薬は化学そのものと言っていいでしょう。説明会などで、この薬はこういう構造をしていて、そのなんとか基がこれこれの作用をするので、、、、、、、、等と説明されるのですが、私にはちんぷんかんぷんです。これが分かったら、もっともっと面白いだろうにと思います。
・同じカロリーであれば脂肪は炭素の数が最も少ないようで、二酸化炭素の排泄量が少なくなり、慢性閉塞性肺疾患の人には脂肪が多い食事を投与するのが有用なのですが、そこがもっと詳細に分かったらかっこいいのになあと思います。
・薬どうしの反応とか、その他色々な反応で物質が変化して体に影響を及ぼすことがあります。これらも化学が分かれば、より理解が出来るのかなあ?と思います。
・血液検査などは化学反応を利用した物が多いです。異常な値が出た場合、詳しいことを知っていれば、この患者さんは、こういう理由で異常値が出たのであって、患者さんの異常ではないと言うことがすぐ分かるでしょう。

 よって、化学が分かれば、医療はもっともっと理解が深まると言う訳です。化学が不得意な皆さんは、是非がんばって勉強しましょう!

 ちなみに、分からなくても医療は一応出来ますので、不得意な方もご安心ください。今の入試の制度はよく知りませんが、医学部に入れるだけの知識はもちろん必要です。

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お前はまだガンマを知らない [研修医教育]

 タイトルは間違いではありません。「お前はまだグンマを知らない」を参考にしています(^^)。群馬でしかやっていないテレビ番組かもしれません。GYAOで無料でみられますので、良かったら是非ご覧ください。

 今の時期、1年目研修医の先生や看護師さんたちを悩ませるものの一つに「ガンマ」というのがあります。群馬と似ているのでなんとなく愛着があります。正確には「ug/kg/min」という単位です。血圧を上げたり、下げたり、その他半減期が短い薬を持続で少量投与する場合に、このような単位で投与量を設定します。そして、ゆっくりと点滴を投与できる輸液ポンプやシリンジポンプと言う器械を使って投与します。

 「体重50kgの人にノルアドレナリンを0.1ガンマから開始して」などと指示が出るのですが、ノルアドレナリンは1ml中に1mg入ったアンプルがあるだけです。それをどうやって、どんな速度で投与するのか?これを決める必要があり、それに慣れていないと頭がこんがらがってしまい、新人医療スタッフは毎日ガンマに悩まされるのです。

 先に私のやり方を。ノルアドレナリンなら2Aを生食20mlで薄めて、20mlの注射器に入れて、シリンジポンプで時間3mlから開始します。これで体重50kgの人なら0.1ug/kg/minで0.1ガンマです。でも、体重が30kgの人でも100kgの人でも同じように指示しています。

どうやって決めたらいいのでしょう?


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熱中症になったら手や足を冷やしてみませんか? [CPRの基礎]

 そろそろ熱中症の季節ですね。熱いところで作業をする場合には、水分補給をしっかりし、頑張りすぎないでこまめに休みましょう。熱中症で亡くなる人もいますから。

 さて、今回は熱中症になった時に体温を下げる簡単な方法として、手や足の裏、頬などを冷やしてみませんか?と言うお話です。英語が得意な方は、こちらの文献をお読みください。私の文章など読む必要はありません!

 英語が苦手な方は、私の解説を。紹介した論文は、ハーバード大学の優秀な学生さんから体力のある人を集め、軍隊用の上着(たぶん寒いところで着る物)を着て、40度の部屋の中で運動をしてもらい、人為的に熱中症(体温が39.2度になるまで)にした上で体温を下げる方法を比較しています。こんなことして良いんだろうか?とも思いますが、世界最高の大学の学生さんですから、頭も身体も最高なのでしょう。

 さて、以下のグラフをご覧ください。

低体温.jpeg

 何もしないともちろん体温は下がりませんが、ここを冷やすべきと今まで言われていた首や脇の下、足の付け根(大きな血管が通っているから身体が冷えやすいと言われています)を冷やすより、手のひらや足の裏、頬を冷やした方が効果があります。

 論文に書かれていますが、これらの場所は毛細血管が豊富なので意外に熱を奪うのだそうです。確かに手のひらや足の裏に汗を掻きますから、有用なのかも知れませんね。

 ただし、当てる冷たいものは13度ぐらいがいいようです。冷たすぎると血管が収縮してしまい、上手く血液が冷たくなりません。

 ちなみにですが、その他に出来る事は、霧吹きで常温の水を患者さんの皮膚に振りかけ、扇風機やうちわで乾かすことです。一番良い方法はこれだと言われています。病院でもこれを行っています。何て原始的な!

 重症な患者さんでは、もちろん器械を使ったりして熱を下げます。そうならないように予防が最も大切です。頑張りすぎないで、しっかり休憩を取りましょう!!

 救急車が必要になったら、いつでも救急車を呼んでくださいね!!

 こちらの動画は、救急車の呼び方が学べる動画です、、、、、、、、、たぶん。


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髪の毛が気になる方はヘッドスカーフいかがですか? [医学関連]

 前回の記事の質問をいただいた方は、病気で髪の毛が無くなってしまった方です。こちらのホームページにある活動をされています。

 髪の毛が病気のためにないので、ヘッドスカーフやウィッグをされています。これらをしている方は、病院で診察を受ける場合に、スカーフやウイッグがとれてしまったら、あるいは、そのことがばれてしまったら、恥ずかしいと感じている方が多いのだそうです。なので外出もあまりしたくないと考えてしまうそうです。

 病院で働いている私は、絶対そんなことないですよ!と思いましたし、FBで聞いてみましたが、多くの方が同じようにコメントされています。違う意見の方はコメントされないという場合もあるでしょうが、病院は困った時に気軽に受診していただけばよい所なので、スッピンでも、ジャージ姿でも、裸でも、失禁していても全然大丈夫です。もちろん、恥ずかしくないようにちゃんと掛け物はしますし、プライバシーは守ります。家族にも秘密にしている方がおられると思いますが、その場合もちゃんと秘密は守ります。

 何でこんな格好なの?と笑うことは絶対にありませんので、ご安心ください。

 ちなみに、ヘッドスカーフは当院の付属コンビニ?でも売っています。抗がん剤で髪の毛が抜けてしまった人も購入されているようです。素材にもこだわった、おしゃれなスカーフです。髪の毛で悩んでいる方は一度手に取ってみてみてはいかがでしょうか?こちらのホームページを是非ごらんください。なぜこのような活動をするに至ったのかが詳しく書かれています。

 患者さんは自分のことだけでなく、周囲の人のことも気にかけていて、本当につらい立場なんだなと思います。病院でつらく当たられたら、本当にかわいそうです。心して仕事をしなければならないと感じました。



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病院を受診するのにちゃんとした格好をする必要はありません [医学関連]

 ある方から質問をいただきました。特に女性ですが、ある身体的欠陥(と言っても、多くの人とは違うというだけで、機能は問題ない)がある場合、それを隠すような服装をしているのですが、病院へ行って服を脱がされた時に、それが分かったら恥ずかしいというのです。だから外出をしなければならない時、すごく躊躇すると言う人もいるそうです。

 病院のスタッフは、そういう時どう思いますか?との質問でした。

 結論から書きますと、全く気にしなくて良いです。病院は色々な人が来られますので、多くの医療スタッフは、通常と異なることに慣れています。例えば、紫のヒモパンをはいている男性とか来ても、それほど驚きません。もちろん、その後休憩室などで話題にはなりますが。

 失禁してしまって服が汚れているから、嘔吐してしまったから、、、、、、、気にされなくて大丈夫です。病院の看護師さんたちがきれいにしてくれます。失禁したり、嘔吐したということは、それだけつらい思いをしているということですから、こんな汚い格好で来るなんて!と思う医療スタッフは皆無です。

 お尻に出来物が出来たりイボ痔がひどい時、汚いところですみません、、、、、、、とおっしゃる方もおられますが、お尻を診察する医師は、それが仕事ですから、全然大丈夫です。

 よって、大変なことになっているのに、服を着替えてから、、、、、、、と考える必要はありません。つらい症状が発生したら、すぐにそのまま病院へいらしてください。

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自分の働いている環境は非常に恵まれているのだと認識しましょう。 [研修医教育]

 Facebookでお友達になっている救急隊の方が言われていました。軽症と思われたのですが、重要臓器の損傷が疑われた患者さんを、ある三次病院に搬送したら、「なんでうちなの?二次(病院)でいいでしょ!」と嫌みを言われたのだそうです。

 また聞いた話ですが、救急車で転送されてきた患者さんに付き添ってこられた開業医の先生に対して、その病院で働いていた研修医が、「なんでこんな心電図も分かんないの?こんなの救急車で来る必要ないでしょ!」等と言ったそうです。

 その先生たちには、ぜひ救急診療指針の第5版(最近出たばかりです)P.19に書かれていることをしっかり読んでいただきたいです。以下引用します。

「病院前救護の段階において、救急車を呼ぶかどうかの判断や重症度の判断は、患者個人やその家族・同僚などと救急隊に委ねられている。医療従事者でない患者や、十分な検査を行うことが出来ない病院前救護での救急隊による観察では、どうしても病態を重症気味に判断(オーバートリアージ)して搬送されてしまうのは自然の成り行きであり、病院で働く医師や看護師はそれを容認しなければならない。したがって、たいした病状でなくても「何でこんなことで夜中に病院に来るんだ!」とか「なぜこんな患者を三次病院として搬送してくるのだ!」などと、患者やその家族、救急隊に対して叱責するようなことをいってはならない。これは救急医療に従事する際のご法度であり、この一言のために患者やその家族、救急隊との人間関係の崩壊につながりかねない。」

 確かに三次病院の先生の立場も分かります。何でもかんでも三次病院に送られてきたら、重症、あるいは専門治療が必要な患者さんに技術や知識を集中できません。三次病院でなくても対応できる患者さんは二次病院へ運んでもらいたい、そう思うでしょう。

 しかし、三次病院以外でしか働いたことがない者としては、やはり三次病院でなければ対応できない損傷や疾患があったら不安だと言うのがあります。その気持ちも理解していただけたら幸いです。

 これぐらいそっちで診ろよって言われても、同じ言葉を返したくなります。忙しいのはみんな同じです。二次病院が暇だと言うことは決してありません。また、開業医の先生も同じです。みんなそれぞれ忙しいのです。それぞれの立場で全力でがんばっています。

 例えば交通事故で意識レベルが低下していると言う患者さんがいたとします。意識レベルの低下は内科的な疾患かもしれませんし、軽い脳震盪かもしれませんし、高齢者でもともと認知症があって、意識レベルは低下していないのかもしれません。だから一次か二次で問題ないと三次病院に勤めていれば思うでしょう。しかし、あなたはそれの(この場合意識障害)専門であるから一次でも二次でもと思うわけです。三次病院以外で働いていると思います。もし脳出血があったら、そして初期対応を間違って患者さんに不利益を与えてしまったら、うちの病院へ一度来ることで時間的なロスをきたしたら、そもそも、脳に損傷があることを見逃してしまったら?などなど色々な不安があります。

 また、そういった一次、二次病院にはスタッフが少なく、その患者さんだけ診ていればいいと言うことはありません。次々と軽症ではあるのですが、他の患者さんが来るかもしれません。その合間に専門外で重症の可能性がある患者さんを診なければならない不安、、、、、、、採血もレントゲンも撮れないかもしれません。すぐ気軽に相談できる専門医は常勤で勤めていない、、、、、、、、三次病院はそれらのすべてがそろっているわけです。二次病院の46倍は有利でしょう、、、、、たぶん。

 三次病院で働いていると言うことは、それだけで医療従事者の中では激しく有利な環境で働いているのだと言うことをご理解いただければ幸いです。

 もし、本当に三次病院で対応する必要のない状態だと診断された場合、二次病院へ転送すればいいのではないでしょうか?私だったら、三次病院で問題ないと診断されていたり、必要な処置を行われた後の対応であれば、すごく安心できます。実際三次病院から骨盤骨折の止血後当日の患者さんを引き受けたことがありますが、安心して診療が出来ました。

 救急の現場ではオーバートリアージを許容しなければなりません。三次病院に運んで、結果的に何もなかった場合、何でこんな軽症を運んでくるんだ!ではなく、「何もなくてよかったですね!」と言える環境、気持ちを持ちたいですね。


救急診療指針

救急診療指針

  • 作者: 日本救急医学会専門医認定委員会
  • 出版社/メーカー: へるす出版
  • 発売日: 2018/04/01
  • メディア: 単行本




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心肺蘇生の開始は疑ったら開始です!ちゅうちょなく胸を押しましょう! [CPRの基礎]

 相撲のニュースでまた話題になっている心肺蘇生ですが、気になった意見があったので、救急科専門医として述べさせてください。

 心肺停止の診断は難しいです。
 心肺停止ではないか?と思ったら、ちゅうちょなく心肺蘇生を開始してください。
 あなたの対応がもし間違っていたとしても、それによる不利益は、患者さんが受ける利益によって抹消されます。

 相撲のニュースで、女性が土俵に上がったらダメとか、そういうことはここでは述べません。

 あれは心肺停止じゃないから、胸骨圧迫をしちゃダメなんじゃないかとか、心肺停止じゃなかったら胸骨圧迫をしちゃダメだと言う意見がSNSで散見されました。それに対する反論です。

 もう一度言います。

 心肺停止ではないか?と疑ったら、胸を押してください。
 胸を押さない方が罪です。

 以下理由を述べます。

 教科書的には、心肺蘇生は以下のような手順を踏みます。

 倒れている人を見つけた。
 まず現場の安全を確認(安全でなかったら近づいてはなりません)する。
 患者さんに呼びかけたり、体を揺すったりして反応を見ます。
 反応がなければ、助けを呼び、119番通報をします。
 正常な呼吸をしているかどうかを見ます。
 正常な呼吸ではないと考えたら、直ちに胸骨圧迫から心肺蘇生を開始します。
 救急隊が来るまで、あるいは、患者さんがやめてくれと言う(ことはめったにありません。専門である私でも26年間で1回しかありません)まで続ける。

 現場の安全はぜひ守ってください。不安があれば、助けに行かないでください。

 次に、患者さんが心肺停止になっているかを判断することですが、これは、医療従事者でも非常に難しいものです。例えば、正常な呼吸ではない患者さんを見てもらい、正常かどうかを判定してもらったら、正しく判定できた医療従事者は2割ぐらいしかいなかったと言うデータがあります。脈拍があるかどうかを見ることに至っては、正確な判断はもっともっと難しいです。よって、最近のガイドラインでは、脈拍を触れなくて良いことになっています。脈拍を触れた場合も、確実に脈が触れると思った場合以外は胸骨圧迫を開始します。

救急はオーバートリアージです。


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ビーフリード、KCLは遮光の必要ありません。 [医学関連]

 病院で点滴をしている人を見ると、オレンジ色や黒色のカバーがかけてある人がいます。なんの目的なんだろう?と思ったことはありませんか?

 あれは光によって点滴の中に含まれている薬剤が失活するのを防いでいるのです。病院によっては、そういった薬は夜に点滴をするなどの対応をしている場合もあります。決して点滴の中身を見られたら困るからではありません。

 ある方から聞いたのですが、以前勤めていた病院でビーフリードを遮光していたので、遮光を行ったところ、遮光は不要だと言われたとのことです。どっちが正しいのでしょうか???

 こちらのサイトによれば、ビタミンの多くは光で失活します。しかし、ビタミンB1は比較的光に強いようです。

 ビーフリードは、ビタミンとしては、ビタミンB1しか入っていないので、遮光が必要ないのだそうです。保存は長期にわたるので、紫外線をカットする袋が使われているそうです。1週間ぐらい光に当てていると10%ぐらい効果が低下するんだそうです。
 しかし、通常の使用では遮光してもしなくてもあまり変わりはないとのことです。通常開封してから24時間ぐらいで使ってしまいますよね。

KCLも遮光が必要ないって本当?


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ビリルビンだけ上昇している患者さんが来た場合どうするか? [医学関連]

 多くの病院で血液検査はセットになっています。色々な検査項目を一つずつ必要性を検討した上でオーダーするのが本当は正しいのですが、そうすると知らない間に色々たくさんオーダーしてしまいます。100円ショップでついつい買い物をしてしまうのと同じと言ったら怒られるでしょうか。

 一度にたくさん検査をオーダーすると一定数以上の検査は査定されてしまいます。簡単に言えば、病院が損してしまいます。よって、多くの病院で、入院セット、胸痛セット、外科緊急オペセット、整形外科手術セットなどと言うのがあって、出来るだけ病院が損しない組み合わせが決められています。

 そうすると、特に必要でない検査がオーダーされてしまい、意外な結果が得られることがあり、困ってしまうことも多いです。なので、必要のない検査はすべきではありません。が、現場はいろいろなので、、、、、、、、

 その中で、時々ビリルビンだけが高いと言う人に出会います。知っていれば、「ああ、あれか」と思えますが、あれを知らないと「ビリルビンが高い!どうしよう!?」と焦ってしまうかもしれません。今回はそのことについて勉強しましょう。

 救急外来に来られる患者さんの多くは循環血液量減少(hypovolemia)、あるいは脱水(dehydration)のことが多いです。体調が悪くて食べられなかったり、水分もとれなかったりするからです。心房細動の頻拍発作の患者さんの8割は循環血液両減少を伴っていると言うデータもあるぐらいです。

 ジルベール症候群と言う病気があります。英語ではGilbert症候群と書きます。フランス人らしいのでギルバートではなく、ジルベールと読むようです。この病気の人は、絶食になったり激しい運動をしたりするとビリルビン(間接ビリルビンが主体)が上昇するようです。人口の1割程度おられるそうですので、結構頻度が高いです。

 この病気は特に治療は不要で、救急外来でビリルビンだけが高い患者さんがいたら、この病気ではないかと考えれば、少し安心できるのではないでしょうか。問診で最終食事を必ず聞きますので、昨日の夜から何も食べていませんと言う病歴が得られれば、さらにその診断の可能性が上昇しますね!

 もちろん、念のため精査が必要かもしれませんので、そのあたりは慎重に検討が必要ですね。

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酸素マスクを使う場合、4リットル/分以上は酸素を流しましょう。 [CPRの基礎]

 こちらの記事の更新版です。

 この本に書いてあったので記事を書いています。


こういうことだったのか!! 酸素療法

こういうことだったのか!! 酸素療法

  • 作者: 小尾口 邦彦
  • 出版社/メーカー: 中外医学社
  • 発売日: 2017/04/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 この本に引用されているこちらの文献によれば、酸素を少ししか流さないと吸入二酸化炭素分圧PICO2が2程度になる場合があるそうです。通常の吸入二酸化炭素分圧は0です。空気中の二酸化炭素分圧はほぼゼロですので。

 これによって、血中の二酸化炭素分圧PaCO2が上昇するかどうかは不明ですが、以前の記事に引用したように、呼吸仕事量が増えるようですので、酸素マスクを使う場合には、酸素をできれば5リットル/分、最低でも4リットル/分以上流すようにしましょう。

 「酸素療法ガイドライン」という本にも以下のように書かれています。

・やむをえず酸素流量5L/分以下で使用する場合、患者のPaCO2が上昇する危険性に留意すること。
・PaCO2上昇の心配のない患者に使用する。



酸素療法ガイドライン

酸素療法ガイドライン

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本呼吸器学会
  • 発売日: 2006/07/01
  • メディア: 大型本



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